64.人間らしさって何だろう。ルネサンス。
①ルネサンスの意味。
ルネサンスは再生という意味。では何の復活か。それは人間性、ヒューマニズムの復活。
②人間性が死んだ時代。
キリスト教が布教され、ヨーロッパ中にキリスト教徒があふれた時、カトリックのトップである教皇はヨハネ黙示録を引き合いにだす。
教皇「1000年後、神が降臨し、人間を天国行きか地獄行きか決める。いい行いをすれば皆天国にいける。地獄に落ちると、永遠の苦しみがお前たちを待っている。」
毎週日曜日、各地の協会でキリスト教の司祭が言い続ける。
司祭「いい行いをしなさい。さもなければ地獄に落ちますよー。」
そして皆信じた。
③疑問に思う民衆。
十字軍の失敗で、次第に教皇の権威が低下してきた。そして1000年後、何も起きない。
1100年後、何も起きない。
1200年後、何も起きない。
1300年後、何も起きない。
民衆は次第に気づき始めた。
民衆「最後の審判なんて来ないんじゃないのか。」
④倫理の拠り所を何処にすべきか。
キリスト教の言っていることが信用できるかわからなくなっていった人々。全て行動基準をキリスト教に沿っていたため人間らしさが抑圧されていた。欲望そのものをある程度押さえつけられていたのだ。民衆は思った。
民衆「人間らしい生き方を模索した方がいいのではない。どうせ天国か地獄かなんてあるかわからないし。」
この発想が文化で発信される。これがルネサンス。
⑤文学
ダンテ。新曲では時獄篇、煉獄篇、天国篇それぞれ33篇の詩、そしてまとめの1篇で100篇で構成されている。天国とか地獄とかの発想はキリスト教的だが、登場人物には古代ギリシャの名前が登場する。
キリスト教がなかった人間が宗教に縛られずに人間性を謳歌していた時代をモチーフに取り入れたのだ。
そしてこの詩は全てトスカーナ語で書かれている。中世のラテン語では一部の人間しか読むことができずに、広まらなかった。しかし、現地の方言であるトスカーナ語なら皆が読むことができた。
ダンテの構成を真似したのがボッカチオ。時代が少し進んだこの時期はヨーロッパでペストが大流行。皆外出を控えて自宅にこもっていた。つまらないので10人の男女が物語を10話すというものだ。題名「デカメロン」
決して下ネタではなく、デカ=10 メロン=物語。
⑥建築
中世の建築物は教会の中は人々を圧迫するような造りだった。宗教的権威を表現したのだろう。
パリのノートルダム大聖堂なんかがそう。てっぺんのとんがっているのはこの前燃えてなくなってしまったけども。
サンタ=マリア大聖堂。丸っこい表現に変化している。
サン=ピエトロ大聖堂。これも丸い。ちなみにここはイエスの一番弟子ペテロの墓の上に建っている。
システィーナ礼拝堂は外は地味だが、中に入ると有名な壁画が顔を出す。最後の審判。ミケランジェロ作。
真ん中にいるのがイエス。ギリシャ風にムキムキになっている。
⑦彫刻
⑧絵画
『ヴィーナスの誕生』ボッティチェリ。
中世の時代では女性の裸など書けなかった。しかし、時代は変わる。
『最後の晩餐』ダヴィンチ。
ダヴィンチが書くまえに中世でも最後の審判が書かれている。
目線が上から書かれている。技術的な問題もあるがこれは神の目線としてダヴィンチが遠近法を用いて書いた。
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