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「ナチス第三の男」を観た。

①もっと人間の暗闇を照らして欲しい。

 主人公ハインリヒが主人公バージョンが前半で、レジスタンスが後半というストーリー。

 レジスタンスの恋の物語とか毎度毎度飽きないのでしょうか。ハインリヒがユダヤ人への憎しみというより、承認欲求で動いているのはなとなーくわかりました。居場所がない、認められない、挫折、トリプルで喰らった人にしかわからない、心の中にどす黒いものが生成されていく感じ。あの感情をもっと観たかったなあと。

 ストレス発散が部屋中を暴れまわるとかは、「ふーん」しかなりません。「SHAME」の街の中をひたすら走り続ける描写とかすごいです。暴力だけで感情を表現しようとしている感じがしました。人間の闇の部分が観たい。

②そもそも、イギリスが悪い。

 チェコにドイツへの割譲を許したのはミュンヘン会談でイギリスが宥和政策を取っていたからじゃないですか。ドイツとソ連を戦わせるために、ヒトラーに手を出さなかったイギリスの姿があったから今回の事件が起こったわけで。

 ドイツがラインラント進駐を行ってもザール占領してもオーストリアに入ってもチェコストバキアを併合、保護国化しても何もしなかったイギリスが止めるべきだったと思うんだけど、これは結果論ですね。

③よくある抵抗の話。

 「ひどい権力者と戦う若者の悲運と悲恋」

 暗殺という方法は、どうも政治の道具にしか考えられない。制度や思想が変わらないのに人を殺せばすぐに解決するわけない。新たなハインリヒが生まれ、新たなレジスタンスが生まれる。

 結局、何も変わらないのだ。

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