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17.ポエニ戦争

①広がるローマ領土

ローマの人々はローマ以外にも多くの土地を持つこととなる。土地の中にはローマの市民が建てた街や異民族の土地を支配した街とバリエーション豊かだ。ここでどの街にローマ市民権を与えるかで違いとつけた。

植民市 = ローマ市民権あり!

自治市 = 参政権以外のローマ市民権(結婚したり、裁判を受けることができたり)

同盟市 = ローマ市民権なし!

我々のイメージする「領土を拡大しして支配した地域=植民地」は上記のどれにも当てはまらない。

ローマの植民地は属州と呼ぶ。

属州 = ローマ市民権なし、兵役なし、重税あり。

②第一回ポエニ戦争

拡大するローマ。ギリシャ都市タレントゥムを陥落させて、イタリア半島を統一!拡大するローマとぶつかったのが、フェニキア人。海上貿易で名を馳せたあのフェニキア人だ。フェニキア都市ティルスがアレクサンドロス大王の東方遠征で滅ぼされると、難民が発生。各地に作っていた植民市の一つカルタゴに逃げ込んだ。カルタゴは瞬く間に地中海の覇権を握り、ローマに迫ってきた。

衝突したのはシチリア島の覇権争い。シラクサのある島。半分ギリシャ人、半分フェニキア人が住んでいたため争いが拡大した。

ローマの人々はフェニキア人をこう呼んだ。ポエニと。

ローマの圧倒的な戦力の前にカルタゴは一旦前線を引くことにした。シチリア島はローマの初属州となった。

③第二回ポエニ戦争

カルタゴはローマの拡大を嫌い、西へ勢力を広げた。現在のスペインがあるヒスパニアを勢力として治めると、カルタゴの将軍ハンニバルはいった。

ハンニバル「カルタゴの諸君!ローマに復讐をしたいと思わないか!悔しいと思わないのか!自分の心に目を向けろ!私はカルタゴに勝利をもたらしてみせる!」

観衆「口で言うのは簡単だ。どうすると言うのです?」

ハンニバル「冬のアルプスを越え、北からローマを攻める!」

なんと無謀な作戦だろうか。軍を率いてアルプスを越えるなどと。しかしハンニバルは決行した。

アルプスを越える最中、凍死する者、崖から落ちて命を落とす者、ハンニバルはそれでも進み続けた。

アルプスを越えることに成功したのだ。

ローマは冬の時期に戦争を仕掛けてくる馬鹿な奴はいないと当時の常識を信じた。ハンニバルはそれを無視した。

ローマはまさかアルプスを越えてくるやつなどいないだろうと当時の常識を信じた。ハンニバルはそれを無視した。

ハンニバルの常識を覆していくイノベーションにローマは破れたのだ。カンネーの戦い。

ローマは目が覚めた。覚醒した。常識にあぐらをかき、怠けていた。慢心していた。もう負けない。ローマ将軍スキピオは言った。

スキピオ「我々もハンニバルと同じことをする。」

カルタゴ軍はまさか目の前のローマ兵が自分の都市を守らないわけがない、ここで戦うはずだと思っていた。スキピオはこれを無視した。

スキピオはローマにいるハンニバルを無視、カルタゴ本土を目指した。北アフリカで馬を現地調達。カルタゴを攻略した。ハンニバルは間に合わなかった。

広がるローマの勢力図。

逃げるハンニバル。ギリシャへ逃げた。当時のギリシャはマケドニアが覇権を握っているアンティゴノス朝マケドニア。アレクサンドロス大王が倒れた後の時代だ。

ローマ兵たちはマケドニアに侵攻。ハンニバルはギリシャと手を組み戦うも負けてしまった。

ギリシャはローマの属州となった。

④第三回ポエニ戦争

一度は力を削がれたカルタゴ。しかしその商才で地中海貿易を行い、瞬く間に力を復活させた。

ローマは思う。

「カルタゴはまたいつか反乱をするはずだ。力を削がねば。」

「カルタゴよ。南へ街を移動させよ。」

これがカルタゴに何を意味するか。貿易をするな。死ね。と言われているのと同じなのだ。

カルタゴの抵抗むなしく、ローマはハンニバルの戦術を用いて攻略していく。

カルタゴの街は全て破壊され、滅んでいった。

滅ぶカルタゴをみて、ローマの将軍がいった。

「いつか、我がローマにもあんな日が訪れるだろう。」

栄枯盛衰。諸行無常。

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