6.選ばれし民族、ユダヤ人。
①アブラハムの宗教。
「創世記」の中で、ノアの子孫であるアブラハムは子供に恵まれず、高齢になってしまった。
そこに神が現れた。
アブラハムは100歳にして子供、イサクを授かった。
神「お前の望みは叶えてやった。代わりに羊を捧げよ。」
アブラハム「仰せのままに、神よ。」
ある日、神は言った。
神「お前の信仰心を試したい。イサクを我に捧げよ。」
イサク「お父さん、何するの?」
アブラハム「イサク、すぐに終わるから目をつぶっていなさい。」
アブラハムが手に持ったナイフをイサクに向かって振り上げたとき、天使が降りてきて、アブラハムを止めた。
神「お前の信仰心はよくわかった。
アブラハムの子孫が繁栄できるように約束の地を与えよう。」
②出エジプト
しかし、ここにエジプト新王国がシリア遠征にやってきた。ヘブライ人は奴隷にされ、支配されてしまった。
あるとき、占い師が言った。
各地で殺されるヘブライ人の赤ん坊。
一人の母親が子供の命を守るために川に流した。
母親「誰か、この子を拾って、無事に育てて。」
奇跡的に下流で拾われ、健康にすくすくと育っていった。
名をモーセという。
モーセはあるとき、街中でヘブライ人が鞭打たれている場面を見た。モーセは自分に似ていると思った。以前から疑問に思っていた。どうも僕はエジプト人と顔が違う。
モーセ「僕はヘブライ人だ・・・。」
モーセはヘブライ人独立の急先鋒となり、エジプトから脱出して約束の地へ戻ろうとした。
戻る途中に、シナイ山に雷雲が発生して、怪しげな雰囲気を纏っていた。モーセは山に登った。
三日間、モーセは山にこもり、戻ってきたときには石版を手に持っていた。
モーセ「神から言葉をもらった。」
モーセは途中で死んでしまった。しかし、ヘブライ人達は戻り、生活を始めた。
③ゴリアテを倒せ。
海の民はヒッタイトやエジプトを苦しめた後も、断続的にシリアを荒らして回っていたそうな。ヘブライ人は海の民のことをペリシテ人と呼んだ。ヘブライ人の王サウルはゴリアテを倒すために遠征軍を派遣するが、なかなか倒せない。ゴリアテは人間の2倍をもつ体躯だったのだ。
従軍していた少年がいた。
名をダヴィデという。
ダヴィデ「王様、僕がゴリアテを倒すよ!」
ダヴィデはゴリアテに向かっていった。防具はつけずに羊飼いの姿で戦いに向かっていった。武器は投石だ。そしてなんとダヴィデはゴリアテを倒してしまったのだ。
ペリシテ人の首領ゴリアテはダヴィデに倒された。ダヴィデはヘブライ人の王に選ばれ、ヘブライ王国を建国した。
ちなみにミケランジェロの作ったダヴィデ像はゴリアテを倒すときの姿を彫った。石を投げる布持っている。
④ヘブライ王国!
ヘブライ王国は一時期、アラム人やフェニキア人を支配下におさめた巨大な王国となった。
ダヴィデの息子ソロモンの時、ヘブライ王国は最盛期を迎えた。ソロモン王は巨大な神殿をたて、それはエジプトのテーベにある神殿よりも大きかったと言われている。文明レベルが高い。
しかし、支配地域が大きいと文化が異なり、亀裂をうむ。
ユダヤ人 = 一神教
アラム・フェニキア = 多神教
ヘブライ王国の上部分は、多神教の文化が吸収されており、一神教の下部分と対立するようになり、ヘブライ王国は分裂してしまった。
上 = イスラエル王国
下 = ユダ王国
⑤文化の不寛容が人々を不幸にする。
宗教一つとっても、世界中で争いが行われた。ユダヤ教の中でさえ、争いが絶えない。大昔から人々は文化・思想の違いで殺しあう。文化や思想が人間たらしめているからそれらをすぐになくせということは短絡的だ。我々のアイデンティティは文化や思想を背景にしているからだ。ある思想は排他的であるだけで、世界は平和にならない。
共産主義は世界市民を説いた。民族主義は民族を大切にせよいった。いつまでも世界は平和にならないわけだ。だから我々は自分の文化思想をはっきりと自覚し、変化・再構築できる環境を整えておく必要があるんじゃないか。
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