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スライドで授業する世界史

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2019年9月の記事一覧

31.教皇とカール大帝。

①イスラム勢力を止めたフランク王国トゥール・ポワティエ間の戦いでイスラム勢力を叩くと喜ぶのはキリスト教。ローマにいた教皇はフランク王国の使者を招いた。 使者「フランク王は今後とも、教皇様を守っていくと申しております。    ところで・・・。」 使者はこう続けた。 つまり、ローマ教皇の許しをえて、フランク王国の衰退したメロヴィング家を追放し、カールマルテルのカロリング家がフランク王家になろうとしているのだ。そして・・・。 ②フランク王国カロリング家 ローマ教皇「フラン

30.国なんか文化で侵略できる。

①イスラム教が成立 ユスティアヌス帝が死去してからほどなくして、アラビア半島に新たな預言者が生まれた。 ムハンマドだ。 ムハンマドは言う。 「神の名をみだりに唱えてはならぬ。ただ神とお呼びしろ。」 「ユダヤもキリストも間違いではない、同じ神から言葉を授かった。しかし完全ではない。完全なる最新の言葉はイスラム教である。」 「我々も偶像の崇拝を禁止している。・・・ん?」 ②キリスト教同士が揉め出す。ムハンマド「キリスト教よ。そなたらの教会にあるその像は偶像ではないのか

29.東ローマ帝国の逆襲

①ナナナナ〜、ナナナナ〜、ゲルマン人野蛮人 タイトル考えていたらダースベーダーのシュコーが聞こえてきそうになってしまった。  さて、ゲルマン人の大移動でヨーロッパにあった西ローマ帝国はゲルマン人の傭兵隊長オドアケルによって滅ぼされた。 しかし! ゲルマンの支配に気に食わないのは現地の住民たちだ。現地住民はローマ人なのだ。そして宗教はキリスト教アタナシウス派。 ゲルマン人はアリウス派。 少数派のゲルマンが多数派のローマ人を支配するのは苦労するので統治がうまくいかない。

28.ゲルマン人の大移動

①東からの遊牧民 漢の時代。北方の匈奴を追い出すと、姿を消す。そして西側に姿を表した。名前を変えて。 その名もフン人。 フン人はゲルマン人を圧迫した。ゲルマン人はローマ帝国へ押し寄せてきた。 父親がガリア総督だったタキトゥスはゲルマンの生態を調べ尽くして本にした。書籍「ゲルマニア」には以下のことが書いてある。 ②ゲルマン人に困ったローマ帝国 ローマ帝国のテオドシウス帝は圧迫してくるゲルマン人の対応を迫られていた。皇帝が出した解決策は・・・。 息子たちを呼んでローマ帝

27.教義の確立

①イエスの存在の定義 イエスはゴルゴタの丘で十字架にかけられた時、天を仰いで言った。 ここで疑問が残る。 イエスは神なのか?人間なのか? イエスは神となったと皆、口を揃えていう。しかし、それではヤハウェとイエスの神が二人になってしまう。この説明をつけないかぎり、ユダヤ教にも認められず、宗教として布教することもままならない。 ②派閥の出現 争点になったのは以下の2点。 「イエスは神か人間か」 「母マリアは神の母か、人間か。」 ③正統な派閥はどこか? 教義のすり

26.キリスト教の成立-後編-

①裏切られるイエス後編。 イエスは12使徒と逃げていたが、イェルサレムにある一件の家に入って、弟子たちと食べ物を食べた。最後の晩餐。赤ワインとパンが置いてあった。イエスは言う。 イエス「パンを弟子たちに分け与え、これはわたしの肉だ。ワインを注ぎ、これは私の血だ。明日私は処刑されるだろう。」 実は使徒の中に裏切り者がいた。ユダだ。肩肘ついている人。 金に目がくらみ、買収されてユダヤ教徒とつながっていた。そしてイエスを売ったのだ。 イエスは捕まった。 磔の刑は、当時のロ

25.キリスト教の成立-前編-

①ユダヤ教から生まれたキリスト教 キリスト教が成立したのは、その下地にユダヤ教という一神教が存在したから。イエス=キリストはユダヤ教徒だった。 ユダヤ教徒の歴史は迫害の歴史。 初めは古代エジプト新王国。「出エジプト」で故郷に帰っても待っていたのは新バビロニアによる「バビロン捕囚」。その後、アレクサンドロス大王によって支配され、オリンポス12神の信仰を強制した。しかし、ユダヤ人は負けない。 このタフネスさはどこから来るのか。 それは唯一の神を信じていることで死後、天国へ

24.軍人皇帝時代の爪あと。

①でかすぎる領土を分けよう。 カラカラ帝の次に登場するのはディオクレティアヌス。彼は広すぎる領土を4つに分割して支配しようとした。これをテトラルキアという。そして皇帝は選挙ではなく、神の代理人として皇帝崇拝を強制した。 今まで市民と気軽に話していた皇帝の姿はなく、宮殿の奥深くに閉じこもってその姿は神秘のベールに包まれた。また神格化するために神殿を作り、ディオクレティアヌスの顔を彫って、信仰するよう促した。 皇帝が神という考え方はおかしくはない。カエサルも神となっているし

23.五賢帝〜軍人皇帝時代

①五賢帝の時代 皇帝ネロから何度かの皇帝交代があり、元老院のネルヴァがアウグストゥスに選出された。ネルヴァは世継ぎを息子ではなく、有能な部下を指名した。この慣習が繰り返されたので愚帝が出てこなかったのだ。 ちなみにトラヤヌス皇帝の時に観光地として栄えていたポンペイで大事件が起きた。 火山が噴火してポンペイの街が消滅したのだ。 苦しんでいる人々の形が克明に記録されている。 映画にもなっている。 火砕流でも死ぬ人も、火山ガスで死ぬ人も、苦しかったろうに。 トラヤヌ

22.ローマ皇帝

①アントニウスを倒したオクタウィアヌス アクティウムの海戦で勝利したオクタウィアヌス。元老院はオクタウィアヌスを完全に手玉に取った。 元老院「坊や。ローマ軍の最高司令官を与えよう。そして尊厳ある者(アウグストゥス)の称号もそなたに与えよう。」 オクタウィアヌス「そ、そんな権力を集中されたら殺されるかもしれない。元老院に敵対するものではありません。私は第一市民(プリンケプス)で結構です。」 元老院「ん?そんな称号でいいのか?それだと議会に出ることになるが?」 オクタウ