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技術管理強化のための新たな官民対話スキーム 2024年10月中旬改正【STC Legal Expert試験対策】 前編

改正概要

• 技術覇権争いの激化等により技術流出リスクが高まっており、多様な経路に応じた対策が必要。(技術は一度流出すると管理困難。)
• 外為法の技術移転管理に関し、官民対話を通じた新たな技術管理スキームを導入。



• 技術流出リスクの高い技術・行為を特定し、外為法に基づき、政府に事前報告。※今回の措置は、貨物は対象外。
• 適切な技術管理に向け、政府からの懸念情報等の提供を含め、官民対話を実施。※真に必要な場合は、外為法に基づくインフォームにより許可申請を求める。
• 取引時点のみならず、 時間的経過に伴う転用可能な軍事用途を考慮。

産業構造審議会・安全保障貿易管理小委員会 中間報告 概要

CISTEC:解説資料
https://www.cistec.or.jp/service/sankoushin2024/20240906.pdf

パブリックコメントの段階ではありますが、技術提供に関して10月に改正が入る予定です。
上記のパブリックコメントに概要資料のPPTが掲載されています。


STC Legal Expert試験対策

 
経済産業省 概要資料
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000279429

役務取引に関わる改正であり、出題可能性が非常に高いと予想します。
役務は毎回必ず出題される為、少なくとも選択肢の一つには出題されるのではないでしょうか。

重要管理対象技術として告示された10技術については、試験問題文に出されてピンとくるように把握した方が良さそうです。
10個も覚えるのは大変なので、具体的な対象技術として、「半導体関連」「電子部品関連」「繊維関連」「電子顕微鏡関連」の4分野で取り敢えず把握しておくのが楽だと思います。
適宜追加という事で、これから更に追加されていくかもしれません。

また、新たな運用の契約前の報告を義務付けは論点(役務提供前との混同狙い)として出しやすいのではないでしょうか。
P.6のフローは覚えておく必要があります。

現時点では改正省令案と概要資料しかありませんが、民間企業にとっては大きめな改正です。
解釈の誤りが無いよう、経産省やCISTECから補足資料やQ&Aが今後出されてくるはずです。
この後続で出された資料から詳細な論点での問題が出ると予想しています。

2022年改正 みなし輸出管理の特定類型についてのLegal Expert出題について振り返ります。

<問題5>(配点:1)
本邦にあるX社では、役務通達別紙1-4の誓約書の例について、修正等を
加えて使用している。AからEまでのうち、特定類型該当性を居住者である個人に誓約又は確認させるという趣旨を損なわない修正等はいくつあるか後記1から5までの中から1つ選びなさい。
A 同姓同名の者を住所以外の情報で区別できる状況にあるため、住所の記載欄を削除して使用している。
B チェックボックス「以下のいずれにも該当しませんので、誓約は不要です。」は削除して使用している。
C 「誓約」という用語は、「申告」に修正して使用している。
D 将来的に特定類型該当性に変更が生じた場合には届出を行う旨の記載を追記して使用している。
E 特定類型②に関して「多額の金銭その他の重大な利益には、債務履行請求の不行使という利益が含まれる。」と追記して使用している。

https://www.cistec.or.jp/nintei/kakomon/expert/2022-Expert-hourei-seikai.pdf

正しい選択肢はBを除く4つです。
この出題は、経済産業省のみなし輸出管理Q&Aを読んでいなければ解けない問題でした。

「みなし輸出」管理の明確化に関するQ&A
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/minashi/minashiqa3.pdf

今回の重要管理対象技術スキームについても、Q&A形式等の資料が出てくると予想しています。
特定類型の出題傾向から見て、試験にはその資料を把握しておかないと解けない問題が出される可能性があります。

追加資料が公表されたら、後編で試験に出そうな部分をまとめます。


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