見出し画像

ジル・ドゥルーズ& フェリックス・ガタリ『千のプラトー 資本主義と分裂症』 読書メモ(24)

13 BC7000年ーーー捕獲装置


・戦争 機械 は 国家 装置 の 二つ の 極 の「 あいだ」 に 介入し、一方から他方への移行を必然的なものとして保証しているように見える。

とはいえ、こうした移行のステップに因果関係は見出せない。

①戦争機械は何も説明しない。戦争機械は、国家に対立するものとして国家の外部にあるか、反対にその内部に組み込まれ、所有されてしまっているか、どちらかしかないからである。国家の発達があるとしても、それは必然的に国家内部の他の要因と結び付いてのことである。

②国家の発達があるとしても、発達 し た 極 で ある 第二 の 極 が 第一 の 極 と 共鳴 し あい、 一定 の 仕方 で 第二 の 極 が 第一 の 極 を 充 塡 し 続け なけれ ば なら ない。 つまり、 国家 の 組織 や 発展 の 度合 がどんなに異なっても、国家はその唯一の内部性の環境、つまり構成上の統一性をもたなければならない。

③この国家の内的本質、どんな国家にも認められる統一性が「捕獲」と呼ばれるなら、捕獲 が いつも すでに 成就 さ れ て しまっ た もの、 前提 と なる もの として 現われる こと から、「 魔術 的 な 捕獲」 という言葉は、国家成立の事情をうまく言いあたていると言わねばならない。しかしこの場合、捕獲が判明に区別されるいかなる原因にもよらない、この捕獲はどのように説明されるだろうか。この困難が原因で、国家の起源についての主張はいつも同語反復となる。

・都市 か 国家 か、 都市 的 革命 か 国家 的 革命 か、 どちら が 先 かと 問う 意味 は なく なる。 なぜなら、 この 二つ は 互いに 他方 の 存在 を 前提 と し て いる から だ。

・価格(利益 を 含む) は 最も 生産性 の 低い 土地 を 基準 に し て 決め られる ので、 地代 は それ より 良質 の 土地 から 生まれる 剰余 を 捕獲 する。 地代 は、「 資本 と 労働 という二つの等しい量を用いて得られた差異を」捕獲する。これは典型的な捕獲装置であり、相対的な脱領土化と分かちがたく結びついている。

・古代 専制 国家 は、 超 コード 化 を 行なう とき、 同時に それ を 逃れ て いく 多量 の 脱 コード 化 さ れ た 流れ を 産み 出さ ず には い ない。

「 脱 コード 化」 とは、それぞれの流れのコードが理解された(解読、翻訳、同化された)状態を意味するのではなく、反対に、より語源的な意味で、流れの状態が、もはや流れに固有のコードに含まれない状態、流れ自身のコードから逃れてしまっていることを意味するものであった。

・世界 規模 の 隷属 システム として ハイテク が 思い浮かべ られる かも しれ ない。 しかし こんな 機械 状 隷属 にさえ、 あるいは ここ に こそ、 決定 不可能な命題や運動が溢れているのである。

このような命題や運動は、技術に誓いを立てた専門家の知に委ねられているのではなく、「ラジオになること」、「エレクトロニクスになること」、「分子的なものになること」といった万人の生成変化に武器を提供するものだ。これらすべての決定不可能な命題を通過しない闘争は存在しない。すべての闘争は、公理系による接合に対して、革命的な連結を構築するのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?