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催眠療法とは

催眠療法とは、催眠状態を利用して潜在意識に働きかけ、性格改善、悪癖矯正やうつ病などの抑うつ気分を和らげたり、心の病による様々な症状を改善したり、考え方、感じ方を変えていくための方法です。

 心は大脳新皮質の働きと言われており、旧皮質に記憶や潜在意識があると考えられています。この潜在意識は普通自分では気付かない心の働きで、覚醒状態では意識の下に隠れています。隠れていると言っても潜在意識はさかんに活動しているのです。

人が何かを考えたり決めたり勉強したりするときは意識(顕在意識)を働かせています。では潜在意識はどんな働きをしているのでしょう。潜在意識は無意識とも言われており、人が意識的に行っている事以外、すべて潜在意識によるものと考えられています。

例えば、コップに入れたジュースを飲むとき、そのコップを口に近づけて口を開き、ジュースを口の中へそそぐという一連の動きを考えながら行う人は少ないのではないでしょうか。飲もうと思った場合、コップを口に近づける動きも口を開く動きも無意識に行っていると思います。ふだん習慣的に行っている行動は、潜在意識がその行動を記憶していて、何も考えなくても無意識にその行動パターンを行えるわけです。

潜在意識は記憶の宝庫と言われており、生まれてから今現在に至るまでの体験してきたことが、すべて記憶されていると言われています。成功体験や楽しかったこと、逆に辛いことや失敗体験も記憶されています。

問題になるのは、この失敗体験や辛い出来事の記憶です。記憶には意識的に思い出せる"顕在的記憶"と思いだしていることを意識できない、あるいは思い出せない"潜在的記憶"があるということがわかっています。

ネガティブな考え方やイメージは、とても強いパワーを持っていますので、潜在意識に入っているネガティブなパターンが、やがてその人を苦しめてしまうことがあるのです。次々とネガティブな事が頭に浮かんできてしまうのは、そのためです。

潜在意識は意識でコントロールすることが難しいため、意識的にネガティブな事柄を頭に浮かべるのをやめようとしても、かえってそれにとらわれてしまい、更に気になってしまうというスパイラルに陥ってしまうことがあります。

この潜在意識を制御、コントロールする力を"暗示"と言います。その"暗示"の反応しやすい催眠状態を利用して心のケアを行っていくのが"催眠療法"です。現在では医療機関においても催眠療法を取り入れている施設もあるようです。

基本的に医療機関での治療は薬物療法が中心となりますが、薬物依存や副作用の問題があったり、何より薬物療法だけでは"こころ"そのもののケアができない所に限界を感じているドクターもいらっしゃるようです。もちろん薬物療法を否定しているのではなく、薬物療法でQOLの向上を図りながら、心そのもののケアも併せて行っていくことがベストではないかと考えています。

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