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【ニュータイプの時代】問題解決でなく、問題提起して自然にイノベーションを起こそう!

コロナ禍前に出版された本をあまり読む気になりませんでした。今回紹介する『ニュータイプの時代』(山口周)は未来予測系の本であり2019年出版なんですが、本書の予言内容がコロナ禍によって加速して向かっていると聞いたので手に取りました。そしたらとっても面白かったです。

ニュータイプの働き方とは?

簡単にいうと時代の変化により、これまで良しとされていた行動様式が変わるよ、それをオールドタイプとニュータイプに分けて解説するね、という本です。(きっと元ネタはガンダムです)
では両者の違いを見ていきましょう。

オールドタイプ  ニュータイプ
・正解を探す >・問題を探す
・予測する >・構想する
・KPIで管理する >・意味を与える
・生産性を上げる >・遊びを盛り込む
・ルールに従う >・自らの道徳観に従う
・一つの組織に留まる >・組織間を越境する
・綿密に計画して実行する >・とりあえず試す
・奪い、独占する >・与え、共有する
・経験に頼る >・学習能力に頼る

オールドタイプを見ると今までの働き方で良しとされてきたことばかりです、また組織の構造上、それに従わないと不利益になるようなことも書かれています。

一方でニュータイプですが、組織にごく少数こういう人がいるなという印象を受けます。浮いていて叩かれがちですが、新しい風を吹かせるのもその人だと思います。私はどちらかといえばオールドタイプ側だなと思ったので耳の痛いところもありました。

問題解決できる人ばかりの日本

明治維新以降、日本は欧米諸国と比べて足りないモノを作れば良かったのです。問題はたくさんあったので探さなくてもよかったのです。やることは明確だったので正解を探せばよかった。しかし1980年頃から欧米諸国との差分が見つけにくくなった。これが日本が頭打ちになってきた要因の一つであったと著者は述べています。つまり日本には「問題解決する人」はたくさんいましたけど「問題を自ら提起する人」はあまりいなかったということです。イノベーションを起こそうとする企業もあるようですが、多くの場合、「イノベーションを起こす」ことが目的化してしまい、うまくいっていないようです。
イノベーションとは「結果として形成される認識」なので、初めからそこを目指して頑張るものではないのですね。
オールドタイプのままで頑張るのではなく、ニュータイプの思考で「自ら問題を提起していく」ことで、自然にイノベーションが起きるではないでしょうか。

「生きる意味」をどうやって見出すか

オールドタイプの時代は社会にないものだらけだったそうです。かつて豊かな生活の象徴として、テレビ、洗濯機、冷蔵庫は三種の神器と呼ばれた時代がありました。現代においてこの三つを持っていない家庭を探す方が難しいと思います(テレビを持たない人は結構いそうですが)。

不足したモノを作り続ければ良い時代があったのです。現代はモノで飽和した恵まれた時代にいるにも関わらず、私は欠乏感を抱えて生きてはいないでしょうか。モノがない時代はモノを手に入れることを目的にしていましたが、モノに満たされた今、私たちはどのようにして「生きる意味」を見出せばいいのか。

リクルートキャリアが行なった調査では「自分の仕事をどうでもいい」と思う人は8割から9割いるそうです。つまりモチベーションが希少化しているということが言えます。このような思考でKPI=経営管理指標の数値を高めようとするのは典型的なオールドタイプの思考です。それよりは仕事に「意味」を与え、モチベーションを作ることが大切であり、それがニュータイプとして求められることです。

VUCA化する社会

本書では社会がVUCA化していると書かれています。
VUCAとはVolatile(不安定)、Uncertain(不確実)、Complex(複雑)、Anbiguous(曖昧)の頭文字でアメリカ陸軍が昨今の世界情勢を説明するために用いた言葉だそうです。残念ながら社会のVUCA化ははコロナ禍で一層加速したと思います。
つまり過去の成功した経験が使えなくなるということです。古い成功例は捨てて、新しいやり方にアップデートしなければいけないということですね。
ニュータイプは過去の経験に頼らず、学習能力に頼ります。VUCA化する社会では常識がどんどん変わります。過去の経験則に固執せず、抵抗なく自らの学習能力に頼って行動することが大切なのです。

他にもたくさん目から鱗なことが書かれてたいので一気読みしてしまいました。
オールドタイプだなと思う人は、近くにニュータイプだなと思う人がいたらそれはラッキー。真似できるところを真似して新しい時代をサバイブしたいですね!

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