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『ナイトメア・アリー』(2022/アメリカ)

ダークファンタジーに定評のあるギレルモ・デル・トロ監督の最新作です。本作はアカデミー作品賞にもノミネートされましたし、過去にも『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー作品賞も受賞してますから期待値は高めです。

何よりも通勤中の電車で延々『ナイトメア・アリー』の予告が流れていて、ケイト・ブランシェットがめっちゃ格好良かったので、これは観なきゃなあと盛り上がりました!

ーーというふうに自分の中ではかなり期待値の高い映画だったのですが、、、、、、、、

150分もかけて何が言いたいのか不明な映画

面白いか面白くないかいえば、面白いです。退屈せずに全部観ました。特にクライマックスのシーンは「どうなるんだ!?」とかなりドキドキしましたよ。

ですが、、結局何が言いたい映画なんでしょう。
150分もあるんですが、それだけ時間かけて作るような映画には到底見えなかったです。さらにはアカデミー作品賞にノミネートされる理由は少しも感じ取れなかったです。面白いんだけど何が言いたいか分からない映画ですね。

ちょっと面白かったところといえば、獣人(ギーク)の扱いでしょうか。

冒頭は3流見世物小屋のシーンから始まるのですが、そこで獣人(ギーク)が登場するんです。3流見世物小屋なので障がいのある人を見世物にしてお金取ったりするような商売です。
そこに人か獣か分からない扱いをされいている生き物が見世物になってるんですが、司会者は「これでも人として認められたんです」とさらっと言います。
そのときはへーって流したんですが、このセリフが最後に効いてきたんです。このあたりは巧みでしたね。

申し訳程度のダークファンタジー映像と俳優力で最後まで押し切った!

ようやくあらすじ紹介です。

主人公はオクラホマの田舎者でケチな詐欺師です。でもこの詐欺師、カリスマ性のあるイケメンで口が達者で、人を惹きつける魅力があります。

3流見世物小屋で人を騙して金を儲けるスキルを身につけて、一番若くて美人のモリーと一緒に都会で一旗あげるためにショービジネスを手掛けます。

うまいことショービジネスに成功した主人公ですが、人を騙しすぎて、ウソ霊媒師の仕事もやることになります。そこでヤバイ案件がやってきて・・・

あらすじはこんな感じ。

ギレルモといえば『パンズ・ラビリンス』のようなダークファンタジー映像ですが、3流見世物小屋がそれに当たるかなと。でも冒頭だけなのでメインではないです。獣人(ギーク)も別にクリーチャーってわけでもないですしね。

あとこの映画の魅力は、後半で登場するケイト・ブランシェットでしょうか。心理カウンセラー的な仕事をしているのですが、詐欺師の主人公の心理に迫ったり、悪事に手を貸したり、一筋縄ではいかないクールビューティー俳優として十分に魅力が溢れて出ていました。ケイト・ブランシェットじゃなかったら退屈に感じていたかもしれません。

長々と書いてますが、一言は形容しにくい映画でしたね。

「面白いといえば面白いけど、それは映像と俳優の力で魅せてるだけで、結局150分かけて何がしたいのかよく分からない映画」ですね。

最後は落語的なオチを見せてくれますが、うーん。アカデミー作品賞にノミネートされるものかね、、、、というは最後まで納得はできない映画でした。

(面白さ:★★★★★★☆☆☆☆)


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