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Blueskyのススメ

一番えらい人が変わったことで えらい事になってしまったのがX(旧Twitter)ですが、誰しもTwitterに代わる新たなSNSは無いものかと考えたことがあると思います。

そこで僕がここで取り上げるのがBlueskyというSNSです。
Twitterで妙なアップデートが入るたびにそこそこ話題になるので、聞いたことがあるかもしれません。

Blueskyって何だと思ったらwikipediaやニュース記事を調べてしまえばだいたい分かるんですが、実際に1年住んでみた身として、ユーザー目線で居心地とかTwitterとの違いとか良いところ悪いところ等を整理して見やすく並べてみようかなというのが本記事の目的です。

なお、ここでは技術的な話はほぼしません。あくまで一般の人がTwitterと同じような使い方をしようとしたらどうなるかな、という目線で書きます。
分散型SNSとかActivityPubとかそういう話題が気になる人は、きっと専門的に扱ってる記事があるので探してみてください。


●Blueskyの歴史

Bluesky誕生

Blueskyの発展の歴史についてです。SNSとしての使い勝手だけが知りたいんだという人は読み飛ばしてください。

Blueskyは元々Twitter社内で2019年に発案されたプロジェクトです。のちにTwitterから完全に独立します。

2023年初期にiOSとAndroid向けのアプリが配信されました。
ただし、この頃は誰でも登録できるわけではなく、招待制をとっていました。
つまり、登録するにはBlueskyの既存ユーザーから招待コードをもらう必要があったのです。

別の方法として、運営から招待コードをメールで送ってもらえる待機列に並ぶという手もありました。
僕も2023年4月に並び始めましたが、すでに待機列はかなり長く、結局コードが送られてきたのは半年後です。
僕は運よく、半年待つより先に既存ユーザーから招待コードをもらうことができました。

半年後に来た招待メール

僕が公式サーバーに登録できたのは2023年8月頃です。
当時のレビューでは「最低限の機能を備えたTwitter」とか言われてましたが、その通りだと思います。
投稿にはいろいろ制限があり、いじれる設定はほぼゼロで、本当に運営開始直後のSNSという感じがして新鮮でした。

Blueskyの発展

アップデートを何度も挟み、2023年12月23日に現在の公式ロゴマークが誕生します。
(↓公式によるロゴ発表の投稿。回線が悪いと見れないかもしれない。)

Twitterは青い鳥でしたが、ここでは青の蝶のマークです。
これに伴ってアプリ起動時にも蝶のロゴが出るようになりました。
これより前はアニメーションも何もない青空の画像が表示されるだけだったので、ついにSNSとして動き始めたなという雰囲気がありました。

2024年2月7日、blueskyは招待制から自由登録制に移行します。
ユーザー数300万人に届いたばかりだったのが、招待制を取っ払ってからわずか2日で400万人を突破しました。
各種ネットニュースでも取り上げられ、Twitterでも大きな話題になりました。
人気VTuberや有名イラストレーター、さらにはアニメの公式アカウントなども流れ込みます。

その後もアップデートを頻繁に繰り返し、多くの機能を追加、修正して現在に至ります。
この記事を書いている段階で公式サーバーの登録者数は624万人です。

※追記
2024年9月20日現在、登録者数が1000万人に到達しました。



●Blueskyでできること

タイムライン

お待たせしました。仕様の話です。
これがPCで見るタイムライン。

タイムライン

左のバーはTwitterとほぼ同じです。タイムラインがあり、検索や通知やDM(チャット)などが並びます。現状ブックマークはありません。
フィードという項目だけが新しいですね。次節で説明します。
中央がTLです。見て分かるようにTwitterとほぼ同じです。
いいね、RT(引用も可)、リプ、投稿の共有やミュートなどの操作ができます。
左下の青い丸がある矢印マークはTLの最上部へ飛んで更新してくれるものです。青丸は「TLに更新があったよ」という印です。誤タップに注意。

いわゆる公式マークはありません。AIと対話できる機能もショッピング機能もテレビ通話機能もありません。
課金して解放される機能もありません。

フィードとリスト

フィードというのは、簡単に言えば誰かが作った公開TLです。
特定のハッシュタグや文字列を含む投稿だけが流れてくるもの、特定の言語の投稿だけが流れるもの、いま人気の投稿だけが流れてくるもの等があります。
技術があれば自分で作ることもできます。

下に貼る画像がフィードタブです。誰かが作ったフィードを探して保存することができます。
保存したものはマイフィードに並びます。Twitterのリストと同じで、特定のフィードを選んでTLに固定することもできます。

フィードタブ

Discover」と「フォロー中」は初めからあるフィードです。「Discover」はいわゆるオススメ投稿のフィードで、マイフィードから削除することもできます。
「Discover」に流れる投稿は「こういう投稿をもっと表示する/しない」を選択することができ、ある程度おすすめを制御できます。(下画像参照。)
「フォロー中」はフォローしているアカウントの投稿が時系列順に並び、これだけは消すことができません。
TLに並ぶフィードは「フォロー中」や「Discover」を含めて自由に並べ替えができます。
アプリを開いて表示されるTLは、閉じるときに表示していたTLと同じです。たとえば「フォロー中」を開いた状態でアプリを閉じた場合、次に開くときに表示されるのは「フォロー中」のTLです。

このような投稿の表示を増やす/減らす

フィードは特定の性質を持つTLであるのに対し、リストは単に特定のアカウントの投稿だけが流れてくるTLです。
フィードの作成は技術的なハードルが高いですが、リストはTwitterとほぼ同じで入れたいアカウントを選択するだけなので、誰でも作ることができます。
画像では「愉快な仲間たち」が僕の作ったリストです。フォローしているアカウントのうち公式アカウント等を抜いたものだけを突っ込んでいます。

リストに関する注意として、鍵リストは実装されていません。プロフィールから本人が作成したリストは全て見えます。
またリストに誰かのアカウントを突っ込んでも本人に通知等は届きません。

プロフィール

プロフィール画面は以下のようになります。

プロフィール

これもTwitterとほぼ同じです。違う点は、所在地やリンク、誕生日を書く欄が無いところです。
これは自分のアカウントなので色々タブが見えてますが、他人からは「投稿」「返信」「メディア」「リスト」の4つしか見えません。
はい、他人のいいね欄を見ることはできません。

プロフィールはだいぶ書ける

プロフィールの文字数制限はあるようですが、結構たくさん書けます。
表示名の下にある「bshl.bsky.social」がハンドル(ユーザー名)です。「bshl」の部分を自分で設定できます。
条件がそろえば全体を変えることもできます(企業アカウントに多い。詳細は割愛。)

そしてこれが最も大事なのですが、鍵アカウントは実装されていません。
Blueskyからログアウトしている人に投稿が見えないようにする設定はありますが、あくまで公式アプリやサイト上での動作であって、サードパーティ製のアプリ等では貫通するかもしれません。
いずれにせよ鍵垢とは言えないです。

投稿

投稿(ポスト)画面は以下の通りです。

投稿画面

右下の数字を見て察するように、1つのポストの文字数制限は300文字までです。投稿の言語も選択できるみたいですね(今知った。)
ハッシュタグも使えます。
右上の「投稿」の横のマークからセンシティブ設定ができます。

投稿できるメディアについてですが、画像は4枚、動くGIFは運営が用意したものの中から1枚投稿できます。動画や自前の動くGIFは投稿できません。

※追記
2024年9月12日、動画の投稿が可能になりました!

運営が海外なので、用意されたGIFはあまり日本で見るタイプではない気がします。というか日本でGIFでのやり取りをあまり見ない気がする。

投稿にリプできる人は制限することができます。
投稿内にURLを貼った場合、リンクカードを表示する/しないを選択できます。
それから、僕は使ったことがないのであまり詳しくないですが、外部のサービス(?)を利用して投票やスペース(通話のやつ)もできるようです。

その他の仕様

最後に設定項目や細かい仕様について。

ダークモードがあります。
・GIFを自動再生しない設定があります。
・ワードミュート、タグミュート、アカウントのミュート、アカウントのブロックができます。ただしブロックすると外部から見えるとかいう話が出ているので、ミュートに留めるのが吉かなと思います。
・リプの表示についてかなり細かく設定できます。TLにリプを表示するか、何件表示するか、どの優先順位で表示するか等。
・DMは「受け取らない」「フォローしているユーザーのみ」「全員」を設定できます。
・ハンドルの変更は可能です。ただし被りはダメ。
・アカウントの無効化(誰からもプロフィールや投稿などが見えなくなる)とアカウントの削除が可能です。
・アカウントの切り替えが可能です。1アカウント1メールアドレス。
・現状、通知の設定がありません。いいね、RT、リプなど全ての通知が来ます。スマホの設定からBlueskyアプリの通知を有効/無効化するしかないです。
・センシティブな投稿の制限については、かなり細かく設定できます。逆にセンシティブな投稿をする際はセンシティブ設定をしないと高確率でBANされます。
・フィードバックという項目があり、Blueskyのバグ報告や改善した方がいい点などを運営に伝えることができます。
・全体を通して英語が多いです。頑張りましょう。翻訳機能は付いています。

ミュートやブロック等のモデレーションに関してですが、おすすめフィードなんかを眺めていると海外の人が容赦なく全裸の画像を投稿しています。
センシティブ設定をしているので「表示する」をクリックしない限り画像は表示されないですが、事故を防ぐためにもミュートをおすすめします。
またAIイラストの投稿もかなり多いです。苦手な人は「AIイラスト」「AIart」あたりをワードミュート、タグミュート等するといいです。わりとちゃんとタグをつけて投稿してくれてるのでちゃんと消えます。



●Blueskyの良いところ、悪いところ

一通り仕様を説明したところで、Blueskyの良いところと悪いところを考えていきます。
僕の主観がだいぶ入る部分なので、いちいち本気にしなくてもいいですが参考までに。

良いところ

・広告がなくTLが見やすい。
運営からすれば広告収入がないということなので良いとは全く言えないんですが、とりあえず何も考えずユーザーの目線に立ってみればストレスがなくていいです。
(広告ポストを挟んでもいいから運営費に充ててくれというのが正直な意見です……)

・運営が非常に丁寧。
まともにリリースしてから1年ちょっとで、まだまだ発展途上のSNSなので頻繁にアップデートが入ります。
その都度アプデ内容は全て公式アカウントから投稿されます。フィードバックでバグ等を知らせるとすぐ対応してくれるようです。
また、今後のアプデ予定も示してくれています。今後のアプデ予定には動画の投稿が含まれています。
サイレントアプデもなくアプデ指針も示してくれているので、安心して利用できます。

※追記(2回目)
2024年9月12日、動画の投稿が可能になりました!

・URLが自由に貼れる。
よそのSNSのURLが自由に貼れます。失って初めて実感する自由の偉大さよ。

・知識と技術があればいろいろいじれる。
詳しく書きませんでしたが、知識と技術があれば自分の鯖を立てるとかフィードを作るといったことができます。
分散型SNSのおもしろさに直に触れることができるので、知識がある人は挑戦してみてもいいかもしれません。

・発展の様子が見れて楽しい。
何度も言うように発展途中のSNSです。リアルタイムで新機能が実装されてSNSが完成へと向かう様子を間近で見ることができるのは楽しいです。

悪いところ

・ユーザーが少ない。
これに尽きます。企業アカウントがほとんどなく、情報収集を目的として利用することはできません。大きなアカウントなら別ですが、基本的には仲間内でワイワイするしかありません。
逆に言えば日常の投稿に特化しているともとれます。情報収集は別でやるから日常を書き込みたい、身内で投稿し合いたいという人には向いている気がします。

・機能が少ない。
これも仕方ないことですが、動画投稿ができなかったり通知の設定ができなかったり鍵垢が無かったりして、不自由さはあります。
ただ動画投稿については今後できるようになると発表されており、逆にリリース1年でここまで作れたんだから今後すごいことになるぞと前向きに捉えるのが良いのかなと思います。
鍵垢についても求める声が大きいので、そう遠くないうちに実装されるんじゃないかなと予想しています。

※追記(3回目)
2024年9月12日、動画の投稿が可能になりました!

・トレンドがない。
人が少ないゆえに、トレンドという概念がないです。
1日あたり10万投稿ぐらいしかないので仕方ない。これも人が増えれば今後実装されるかもしれません。

・他人のいいね欄が見れない。
深くは立ち入りませんが、これは分散型という構造を取っている以上しかたないです。
今後の実装についても正直あまり期待できません。
唯一の結構な残念ポイントだと感じますが、気にしない人にとってはどうでもいい点です。



●おわりに

機能面を見て分かるように、BlueskyはTwitterの後継として最も完成度が高いSNSです。
文字を投稿してTLを眺めて……という分にはTwitterとあまり変わりない体験ができると思います。
インプレゾンビがいなかったり運営が丁寧だったりと、Twitterに勝る面もあります。

ただし機能面でいろいろ制限があり、Twitterのようにこれひとつで情報収集まで完結するSNSではありません。
総合的には、発展途上な雰囲気を楽しめる人におすすめするSNSです。

僕はTwitterでFFの人たちをフォローしていますが、知り合いが少ないこともありTLに10人もいない現状です。
少しでも定住する人が増えてくれると嬉しいな……と感じます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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