【UWC卒業生インタビュー#1】 UWC Adriatic(イタリア校)卒業 難波拓人さん
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【UWC卒業生インタビュー#1】 UWC Adriatic(イタリア校)卒業 難波拓人さん

この記事は、2021年9月からPearson College UWCに進学予定の16歳が、現在SHIMOKITA COLLEGEに居住しているUWC Adriatic卒業生の難波拓人さんにインタビューをしたものです。

今回のカレッジ生

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難波拓人
兵庫県出身。
2018年にUWC Adriaticを卒業。現在は、アメリカにあるColorado Collegeに進学。コンピューター・サイエンス(以下、CS)専攻。SHIMOKITA COLLEGEには昨年の12月から居住する0期生。

そもそもUWCとは?

UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ、本部:ロンドン)は、世界各国から選抜された高校生を受入れ、教育を通じて国際感覚豊かな人材を養成することを目的とする国際的な民間教育機関です。UWCの最初のカレッジは1962年に開校したイギリス校で、現在までに世界で18のカレッジが開校されています。UWC日本協会からは毎年、イギリス校、カナダ校、イタリア校、アメリカ校、香港校、ノルウェー校、オランダ校、ドイツ校、日本校などへ奨学生が派遣されています。(※1)日本協会から派遣される生徒は高校2年生の夏から2年間を派遣先のカレッジで過ごします。

各カレッジでは国際バカロレア(以下、IB)のカリキュラムが導入されており、生徒は6分野の中からそれぞれ好きな科目を選択します。それぞれの授業を標準レベル(以下、SL)か上級レベル(以下、HL)のどちらかで受講し、合計で3つのHLと3つのSLを取ることになります。その他にも、TOK(Theory of Knowledge)と呼ばれる知の理論を学習したり、好きなテーマについて課題論文を執筆したりします。
また、IBのカリキュラムでは、授業外の活動も大切にされています。CASと呼ばれる3種類の活動(Creativity, Activity, Service)が必須になっており、生徒はそれぞれから好きなものを選んで活動します。

※1)派遣先は派遣年度によって変動します。

インタビュー

早速ですが、UWCに行きたいと思ったきっかけを教えてください!

少し関係ないところから話を始めるけど、中3の時に、模擬国連で最優秀賞をとった学校の先輩に声をかけてもらった友達と一緒に初めて模擬国連に参加したんだよね。そこで経験を積んだ他の生徒に圧倒されて、悔しいと思うと同時に、たくさんのすごい同世代がいることに驚いたのね。それで必死に練習した結果、模擬国連が面白いと感じるようになったんだよね。国際問題を調べていく中で、もともと国際関係の仕事に就きたいと漠然としていた思いが明確になっていった。それから留学に行きたいという気持ちが強くなったね。
そんな高1の8月に、模擬国連の会議で出会ったうちの1人の高校生が2週間後にUWCに行くと言っているのを聞いて、UWCの存在を知ったんだよね。聞いた途端に「あ、これだ。」って思って、9月の説明会参加後に親を説得して12月の1次選考に臨んだよ。

短期間の間に決められたんですね!どのような想像や期待をしてUWCに行きましたか?

模擬国連をやっていたこともあって、個々のバックグラウンドを背負いながら国際問題について話し合うことはとても面白く、有意義だろうと思っていた。それから、自分は海外の人と会ったこともあまりなかったし、色んな国の人が一緒に勉強して生活したらどんな環境になるんだろうと興味があったかな。

そうなんですね。元々異なる価値観を持つ人と話すことが好きだったのですか?

そうだね、中3から高1にかけて模擬国連やその他の課外活動に参加するようになってコミュニケーション能力が身についたし、色々な人の話を聞くのが面白いと感じた。お世話になっていた先輩からたくさんの知識を吸収したかったし、かわいがってほしいという思いもあったから、その先輩と会う時にはどんな話をするか準備をしていたりもしたしね。

なるほど。でも、模擬国連は結局1年でやめてしまったんでしたっけ?

「俺がやらなくてもいいや」と思ったんだよね。模擬国連はみんなの同意を取るものなんだけど、UWCで模擬国連をやっているとずっと自分の意見を主張する人や話が通じない人ばかり。とにかくみんなの意見がまとまらなくて、正直面倒くさく感じて、俺がやることではないのではと思った。
それで国際関係に興味がなくなっちゃったから1年生が終わった後の夏はすごく迷走していたけどね。アメリカのリベラルアーツ・カレッジに行きたいと思っていたんだけど、「それってそもそも必要なんだっけ?」「こんなに苦労するくらいなら日本に戻ってきてもいいかな」と思ったりもしたよ。

その夏にどんなことをしたんですか?

日本に帰国して1ヶ月間のプログラミングのキャンプに参加した。本当はSATとかTOEFLの勉強をする必要があったんだけど、プログラミングばかりしていたかな。

そのキャンプが、大学でCSを専攻しようと思ったきっかけですか?

そうなるのかな。でも、その時は「自分はプログラミングに全く向いていない」と思っていたね。好きではあったのかもしれないけど。大学に入るときにはキャリアに関して漠然とした不安があったからCSをやっていたら安心という思いもあったかもしれないね。でも、大学に入った時は他にもやりたいことがたくさんあったし、大学に入ってからも特に哲学とCSのどちらを専攻にするか迷っていたんだよね。
CSに決めた理由としては、大学で授業を受けていたときに、Perfumeの演出がプログラミングで作られていることを知ったからかな。元々自分が好きだった表現と結びついて、表現技術にすごく興味を持ったんだよね。

そうなんですね。専攻にするかどうか悩んでいた哲学はIBの科目の一つとして選択していたんですよね。どうして哲学を選択しようと思ったんですか?

元々高1の時に、「他者から見た自分」や「第三者視点」に興味があったんだよね。それまでの人生では数学みたいにはっきり答えが出るものが好きだったんだけど、その一方で社会の曖昧なことについて考えることもやってみたかったんだよね。

哲学のどんな部分が1番面白いですか?

やっぱり一つの答えがないことだね。Readingの課題をやって、授業で他の生徒とディスカッションを終えたあと、もう一度自分でふりかえって考える過程が一番好きかな。

そうなんですね、哲学をやっていたことで何か自分の行動に変化はありましたか?

特定のトピックについて考える機会は増えたかも。でも、元々人についてを含め考えることが好きだった、変化というよりは前からやっていたことが今も続いている感じかな。

なるほど。ありがとうございます!UWC時代に話を戻しますが、まず最初に1番印象に残っていることを教えていただけますか。

日常の場面で1番記憶に残っていることは、月に1度のアドバイザーとのディナーかな。アドバイザーが担当している生徒6人と一緒に集まるんだけど、俺の担当だったアドバイザーがボートを持っていて、ボートの上に飲み物と食べ物を持ちこんで食べるのがすごい楽しかった!日が沈んだり、月が昇る景色が見られて本当にきれいなんだよね。みんなで山の上でピザを食べたり、車で美味しいピザ屋さんに行ったりもしたよ。

非日常の場面ではPeace One Dayというイタリア校特有のイベントのリハーサルの時かな。180人くらいが一気に集まるとても大きなイベントだった。俺はオーガナイザーだったんだけど、みんなが好き勝手に喋るし叫ぶし、全く収集がつかなくて。日本みたいに「じゃあ、みんな黙ります」と空気を読んだりしないから、本当にまとめるのが大変だった。
でも、結果的に上手くできたし、それが「どれだけ本番で予想外のことが起きても、それまでにきちんと詰めていればうまくいく」っていう今のマインドにつながっているのかも。同時に、人に期待をしすぎないことも学んだし、自分ができることをするしかないということを学んだね。それから、他人の行動についての想像力が広がったかな。「この人がこうしたのは、もしかしたらこういう理由があるかもしれないな」と考えることが増えた。

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Peace One Dayでの集合写真

オーガナイザーをやったことで得るものは多かったんですね。ちなみに、どうしてオーガナイザーをやろうと思ったんですか?

日本の高校で委員会などの活動をたくさんやっていたから、せっかくならUWCでもやろうかなと思った。自分がどれだけプレゼンスを出せるのか気になったし、挑戦してみたかった。あとは、人とたくさん関わる役割を担うことで友達が作りたかったからかな。

友達を作るのは大変でしたか?

めちゃくちゃ大変だった。そもそも高1の時は英語が本当に喋れなかったから、コミュニケーションを取るのも一苦労だったし、欧米の子達の価値観に全くついていけない時もあったし。日本にいたときには、完全に生活を共にすることはなかったけど、UWCでは常に仲間が身近にいるから、その感覚も掴めなかった。

2年目になると、英語も上達したし、みんなに「たくとはこういう人」という認識を持ってもらえたから、自分に合う人を見つけられたけどね。発言しないと誰にもわかってもらえないから、オーガナイザーのように公の場で活動する役割を担ったことによって、徐々に自分のことを理解してもらえるようになったんだと思う。

やはり国も文化も全く異なる人が集まるとお互いに理解し合うのは難しいですか?

うん、本当に色んな人がいるし、多様すぎて、人ってこんなに違うんだって思ったよ。気づかずに「日本人」の中で共有してるものもたくさんあったから、「当たり前」という概念が全く通じなかった。色々な人がいて色々な関わりがあるからね。そこでも、人の価値観やバックグラウンドを想像しながら関わることが大事だなと改めて気づけたね。人と自分は違うという認識をしたし、諦めることも学んだ。もうほとんどのことには驚かなくなったしね(笑)

そんな生活の中で日々楽しかったことはなんですか?

毎月定例のハウス(寮)の食料を買い出しに行く日!飲んで食べて踊って遊んで、ただただ楽しかったね。あとは授業後にバーに行ってパニーニを買って友達と二人で食べる瞬間!

それは素敵ですね!逆に辛かったことはありますか?

1番はさっきも言ったように友達ができなかったことだね。他にあるとすれば、1年目の学校全体の模擬国連のチェア(議長)の準備かな。俺の他の2人はすごく頭が良いスペイン人とリサーチがすごく速いアフガニスタンの子とチームを組んで、事前に提出する議題に関する資料を作っていたんだけど、俺は英語に全然慣れていなかったし、決してリサーチが速くはなかったから、なんにもできなかった。そしたら、2人から「役立たずだな」とすごく怒られて。やっぱり自分ができないことを感じる瞬間は多かった。でも、負けず嫌いだったからもっと頑張ろうって思えたから良かったけどね。

ありがとうございます。ちなみにもう何にも驚かなくなったとおっしゃっていましたが、SHIMOKITA COLLEGEでの生活では何か驚くことはありましたか。

いや、全然なかった。SHIMOKITA COLLEGEは多様とはいえどたかが知れているし、快適であることを分かった上で住んだかな。カレッジに来た理由としては、CSで作ったもののアウトプットもしたかったし、東京でのインターンなど、より社会に関わりたかったから。

でも、カレッジに来てから想像していたよりも自分について再認識することが多かったかも。やっぱり、生活を一緒にすると相手の性格の末端まで見る時間があるし、自分のことについて指摘をされることが多かった。また、今までは会話をしている時に、自分のように、相手のリアクションの意味を考える人にはあまり会ったことがなかったんだよね。だけど、ここに来て、自分に似ている人にたくさん出会った。

人の行動を観察・分析している人が多いのはSHIMOKITA COLLEGEの特徴なのかもしれませんね。それらの経験を踏まえてこれからはどのような環境に身を置きたいですか?

正直どこのコミュニティにいても合わない人が大半で、心の底から気が合う人は数人しかいないから、どこでもいいな。強いて言うとしたら、オープンマインドな人が多くて、思想が偏っていないところ。
例えば、今俺はアメリカの大学にいて、日本にいても気がついたら海外大生とばかり関わりがちなんだよね。だからそうならないようにすごく気をつけて、面白かった昔の友達には定期的に連絡をとって会うようにしている。

出来るだけ偏らない環境に身を置くことは大事ですよね。私も心がけていきたいです。
最後に、UWC Adriaticならではの魅力を教えてください!

1番は美術へのアクセス!ベネチアにも近いし、宗教画の美術館がたくさんあった。授業でもVisual ArtsやWorld Arts and Culturesがあって、興味がなくても美術に触れる機会がたくさんあったね。後は、校舎が村の中にあること!地元の人と一緒に住んでいる感覚だから、やる気があればいくらでもイタリア語で村の人と話せるし、他の校舎みたいに隔離もされていないよ(笑)

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UWC Adriaticのキャンパス

村の中にある校舎はすごく魅力的ですね!最後の質問になりますが、もし今、同じような環境に行ける機会があるとしたら行きたいですか?

そうだね、今の英語力があるなら行きたい!やっぱり楽しかったから。

聞いててこちらもわくわくしてきました!今日はありがとうございました!

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インタビューにご協力いただいた難波拓人さん、本当にありがとうございました。

SHIMOKITA COLLEGEでは、高校生向け・大学生向けの募集をしています。

SHIMOKITA COLLEGEについてご興味を持ってくださった方は、以下の記事より詳細をご参照いただけます。


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