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SHIMOKITA COLLEGEのプログラム「リベラルアーツ・セミナー編」


SHIMOKITA COLLEGEでは、偶発的な学びが生まれる仕組み・多様性豊かなコミュニティ・学びや成長へのサポートの3つの特色に基づいた、様々なプログラムを提供しています。今回は、その一つ「リベラルアーツ・セミナー」をご紹介させていただきます。

*プログラムの全体像についてはこちらの記事をご覧ください。

リベラルアーツ・セミナーとは

カレッジ生それぞれが大学で学んでいる、あるいは興味関心のあるテーマを講座形式で皆に共有するプログラムです。座学だけではなく、ディスカッションを通して他者の意見を聞くことや、自身の手を実際に動かすことを重要視しているため、双方向のコミュニケーションを通して、より学びを深めることができます。

国内外を問わず、多様な学問を修める大学生、そして様々な職種で活躍する社会人によるリベラルアーツ・セミナーは、多様な学問や専門性に触れることができ、カレッジでの学びの核となっています。

カレッジ生は、担当者が作成した「セミナーシラバス」を見て、自身が受けたいセミナーを選択することができます。

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セミナーシラバスの例

ここからは、カレッジにて実際に行われているリベラルアーツ・セミナーをいくつかご紹介していきます。

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1. 教育を切り口に、人との関わり方について考えよう!

担当者:中野かりん(Swarthmore College)

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【概要】
先学期、私が大学で受講した「Teaching Diverse Young Learners」という授業をもとに、「教育」という観点から、周囲の人をより深く理解するために大切なことについて考えます。
多様な背景をもつ子供たちがいる環境で教育者として意識できることは、実はどんな人間関係においても役立つ視点なはず!

教育に興味がある人はもちろん、過去に対人関係やチームワークで難しさやもどかしさを感じた人は、必見です。

【目的とゴール】
多様な背景をもつ子供たちがいる環境で、教育者(先生、親、子供にかかわるすべての人)として、意識できること、大切なことについて学び、ともに考えます。上記の視点をもって、自らの教育体験を振り返ります。
後半では、より視野を広げて、上記の視点や考え方が、自らの過去の対人関係にどのようにつながり、これからの日常生活に活きてくるのか、考えます。

【スケジュール:週間シラバス】
1週目:「教育」の観点に重きをおいて、多様性についてや、教育者としてできることについて学び、自らの教育体験を振り返ります。
2週目:教育を切り口に、対人関係や人との関わり方について考えます。


2. プログラミングをやってみよう

担当者:井上晶雄(社会人)

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【概要】
プログラミングがどのようにして行われるのか。コードを書くというのはどういうことなのか。今回はPythonを通して、プログラミングの基礎を学びます。

あるお店のアクセス情報をみると、GoogleMapsが埋め込まれていることがありますよね。あれはGoogleがGoogleMapsの情報を外でも使えるように、APIという仕組みを使って提供しています。GoogleMapsだけでなく、書籍情報、乗換情報、国際宇宙ステーションといった多くの情報がAPIで公開されており、世の中のアプリやサービスはこうしたAPIを利用しているものが少なくありません。

今回はGoogleが提供している画像解析のAPIを使用して画像解析を行うセミナーをやります。

【目的とゴール】
目的:Pythonを通して、プログラミングの基礎を学ぶ。APIを利用したアプリの仕組みを学ぶ
ゴール:PythonでAPIを利用して画像解析ができる。この経験を通して、様々なAPIを利用することができる


【スケジュール:週間シラバス】
第1回目:プログラミング言語の種類と用途
四則演算、変数、関数、クラス等の、APIを利用するために必要なPythonの基礎を学ぶ
第2回目:APIとは?Google Vision APIを利用して画像解析をしてみる

3. 日本語ラップの世界 〜韻の話、ちっとばかり、知っとかない?〜

担当者:服部祐史(University of Edinburgh)

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【概要】
日本語ラップは、まだまだマイナーな音楽のジャンルでありながらも、最近メディアなどで注目を浴び始めつつあります。このセミナーでは、日本語ラップの世界への入り口として、ラップにおける重要な要素の一つである「韻」という概念への理解を深めましょう。

【目的とゴール】
日本語で韻を踏む、とはどういうことなのかを理解して、日本語という言語を韻というメガネを通して見ることができるようになることを目指します。
韻という概念を理解したのち、日本語ラップの知的かつ芸術的な韻に触れることで、日本語ラップを韻で楽しむ、ということができるようになることを目指します。

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【スケジュール:週間シラバス】
一コマ完結です。
韻ってなに?韻の固さとは?日常に隠れている韻を見つけてみよう!実際に韻を踏んでみよう!日本語ラップの韻を聴いてみよう!


4. 俳句をつくろうWS 〜So you think you can 俳句?〜

担当:川口音晴(慶應義塾大学)

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【概要】
昨今「プレバト」などバラエティでも注目が高まってきた俳句について学びます。予備知識がなくても構いません。気に入った光景を写真を撮ってSNSに投稿したり、絵にスケッチしたりする感覚で、表現の道具として17音の詩を詠む感覚を身につけましょう。

【目的とゴール】
俳句とは、俳句らしさとは、を講義によって考えたあと、実際に俳
句をつくり、鑑賞することを目指します。

【スケジュール:週間シラバス】
第1週目:ゼロから始める俳句入門(よくある誤解、俳句の基礎知識、必要なもの、はじめの一句のつくり方)、はじめての席題句会
第2週目:俳句らしさについて考えよう(俳句らしくないものとは何か、歌・俳句・川柳の違い、俳句らしさとテクニック)、はじめての兼題句会

↑川口さんが、ご自身のセミナーの紹介をしているnote記事はこちら!


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これ以外にも、「ワークショップをまなぶワークショップ」「となりのクリスチャン」「『アレ(Period、生理、Menstruation、月経、Aunt Flo...)について話そう!」などなど、多才なカレッジのメンバーによる多様なテーマでのリベラルアーツ・セミナーが開催されています。

また、この「リベラルアーツ・セミナー」プログラムでは、受講者だけではなく、設計を担うセミナー担当者の大きな学びの機会にもなります。
ここからは、「教育を切り口に、人との関わり方について考えよう!」を担当した中野かりんさんの感想やリベラルアーツ・セミナーに込めた思いをご紹介します!

リベラルアーツ・セミナーを実施した感想
私にとって、Liberal Arts Seminar は自分の強みや得意なことを見つける機会になりました。90分×2ほどのセミナーをつくることははじめての経験だったため、はじめは自信もあまりなく、準備の段階では「これでいいのかな。」といった不安もありましたが、セミナーを通して、参加者してくれたカレッジ生に「グランドルールとか、何について話すべきかとかの説明も分かりやすくて、すごく心地の良い場づくりでした!」「人間って面白いな、人との関わり方について改めて考えるいいきっかけになりました」「声がよく通るね」「前に立って話すの上手...」「かりん、ありがとう!」などといったフィードバックをいただき、人前に立って話すことや自分の思いを人に伝えることなどに関して少し自信をもてるようになったと思います。

カレッジは様々な背景や経験をもった人たちが集まっている場所。このような場だからこそ、今回のようなセミナーを通して「多様性」のひとつの形について考えてもらい、日常生活で自分と違った考え方や視点をもった人に出会ったときに、総合的な視点をもってその人と向き合ってほしいと思ってセミナーを実施しました。
工夫した点
一番はじめに内容をブレストする時に、セミナーを行う目的を「自分視点」、「参加者視点」、「カレッジ視点」で設定し、セミナー終了後の「理想的な状態」もはっきりと言語化することでより明確な軸を作ることができました。
また、セミナーを設計する中で、内容だけでなく、当日はみんながわいわいしている場を作りたいのか、それとも一人一人が自分と向き合って振り返る時間にしたいのかなど、どういった場にしたいか、そのためにセミナーの中でどのようなことを心がけることができるのかなどを考えることができたと思います。

ただ知識を共有するだけでなく、活発な議論や、雰囲気を作るための設計までを担うセミナー作りは、SHIMOKITA COLLEGEでの学びの重要な要素の一つです。

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現在、SHIMOKITA COLLEGEでは、大学生・社会人対象のResidential Programと高校生対象のBoarding Programの募集をしています。
説明会も実施していますので、ご興味がある方は以下より詳細をご覧ください。

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