Jリーグって面白い!:最速レビュー 横浜Fマリノス対川崎フロンターレ(12月4日)
今日は日産スタジアムで横浜Fマリノス対川崎フロンターレを観戦。これが今季のリーグ戦最終戦。
結果的には消化試合だが、展開によってはこの試合で優勝が決まる可能性もあった。上限5000人で行われる可能性も考慮して、10月の段階でマリノスのFCに入り、その場合でも何とか現地観戦できるよう準備してきていた。
結果的には上限50パーセント、アウェイ席も解放ということでここまでの準備をしておく必要はなかったが。
ただ、この試合は二階席から見たかったのと、どうせならFC特典の招待券を使いたかったのでマリノス側の席で観戦した。
もうフロンターレの優勝は決まっているからこれは消化試合。しかし、フロンターレのレアンドロ・ダミアンとマリノスの前田大然が並んでいた得点王争いの決着をつける試合であり、
また、家本審判のリーグ戦最後の試合となった。試合後にはセレモニーも行われた。
マリノスの工夫と優位
最終スコアは1-1の引き分け。戦術的にもプレーの面でも、消化試合とは程遠い素晴らしい試合だった。
フォーメーションはフロンターレがいつもの4-1-2-3、マリノスもいつもの4-2-3-1ないし4-2-1-3。この噛み合わせ、中盤のポジショニングがきれいにかみ合うのでフロンターレとマリノスの試合は中盤の潰し合いになることが多い。
ただこの試合についてはマリノスの工夫がフロンターレを上回っていた。まずボランチの2人がフロンターレの2人のインサイドハーフをきっちりマークしてパスを通させない。
最終ラインも、幅いっぱいを守り、左サイドに開くマルシーニョを自由にさせない。それどころかマルシーニョをねらったパスを再三カットした。
ビルドアップ時は、フロンターレがダミアンのワントップでセンターバックの片方が空くことを見越して、そこからビルドアップ。
フロンターレはうまくプレスがかからない感じになった。また、前線が裏に抜ける動きを見せた瞬間に最終ラインが下がり、その瞬間に生まれるスペースにボールを通して前進するなど、前半立ち上がりはマリノスのペース。
フロンターレの対応策
展開が変わるのは飲水タイム後。
マルシーニョの立ち位置を内側に修正してセンターバックにきちんとプレッシャーをかけ、またインサイドハーフの脇坂泰斗がやや下がり目のポジショニングを取ってボランチのマークを外して浮いたポジションを取る。
さらにフロンターレはハーフタイムにマルシーニョを大島僚太に交代。旗手がインサイドハーフから左ウイングにポジショニングチェンジ。
フォーメーションは変えないが、マリノスのビルドアップ時は旗手がセンターバックにプレスをかけるようになりディフェンスの強度が向上。
そこから敵陣でのプレスがうまくはまるようにしばらくフロンターレペースに。
即時奪回がうまく機能している時間にダミアンのゴールで先制した。
Jリーグ最高峰の中盤の攻防。
このまま終わるかと思いたかったがそうも行かず。マリノスも選手を入れ替えて強度を上げていく。
激しい中盤の攻防の中、ちょっとしたトラップミスやバウンドから優位が変わるスリリングな展開。
フリーキックからの乱戦からマリノスは前田大然がゴール。試合も、得点王争いもタイに持ち込んだ。
それからはフロンターレやや優勢ながらも、お互いに決定機を作る展開。フロンターレは二度ほど決定機を逃し、マリノスもチョン・ソンリョンのスーパーセーブに二度ほど阻まれた。
最後までスリリングな展開の中でタイムアップ。
注目の得点王も二人で分け合うことに。
最高の後味。ありがとうございました。
Jリーグっておもしろいなって心の底から思える、リーグ戦最後を締めくくるにふさわしい素晴らしい試合だった。
やはりマリノスとフロンターレの試合にはハズレはない。とてもいい後味を残して今シーズンを終えられることに、今はただ感謝したい。
上限5000人から始まった今シーズン。最後に大観衆の中のこの風景。Jリーグのみなさま、ありがとうございました。レ・ミゼラブルをBGMにこの風景、本当に涙ぐんで
しまいました。