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アベプラやイベントでシャオミやLGを語った12月

■記事執筆情報はこちら【山根博士のモバイルネタ】■

◆◆◆山根博士の「スマホ取材の裏側」Vol.101◆◆◆
【1】シャオミ日本参入、Abema Primeに出演
【2】LGスマホについて熱く語ったEngadgetのイベント

【1】シャオミ日本参入、Abema Primeに出演

^Abema Primeのアーカイブはこちらから
https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1527https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1527

2019年を振り返ると、昨年以上に海外主張の多い1年でした。とはいえその海外の多くが日本と韓国。しかも日本は毎月で、5月、7月、8月、10月は1か月に2回も行っています。それだけ日本で中国・韓国メーカーの動きが活発化して取材や打ち合わせが多かったということです。とはいえ意外とOPPOのイベント参加は数回。すでに日本で(メディアの間で)十分知られたメーカーの取材はもう日本在住の方が十分カバーされますから、私が追いかけるのはこれから出てくる会社がメインですね。

さて例年ならば9月10月までにスマートフォンの新製品は出そろい、あとは年明けのMWCを待つという状況でしたが、今年はそれ以降も大きな動きがありました。中でもシャオミの日本参入は大ニュース。2年前にいろいろ動向を見ていたころは「これからはインドだ」と、スマートフォンの成長率の高い国にフォーカスし、日本のような「規模も大きくなく、コストも高く、手厚いサポートが必要」な国は相手にしていないという感覚でした。

しかし2019年2月に5Gスマートフォンを発表してスイスに参入、その反応は悪くなかったのでしょうね。シャオミは2020年に5G端末へフォーカスしますし(まあこれは他のメーカーも同じですが)、先進国への参入はこれから積極的に行いたいところ。さらに日本は特定メーカーだけをキャリアが優遇できなくなりましたから、外部参入もしやすくなります。割引2万円までは韓国より厳しく、アップルがクレーム出すのもわかります。高い端末が売れなくなるわけですから。

ということで2019年12月9日に行われたシャオミの発表会は、それほど広くない会場にキャパ以上のメディアが訪れやや混乱した状態でした。私は幸運にも前の席に行けたのでよかったものの、後ろの方々はプレゼンの写真も全然撮れない状況。これが中国ならメーカーからプレス向け写真を渡し、それを使うから何も問題ないのでしょうが、日本はそれやりませんからね。

さらに発表会が始まっても情報解禁はNGで、終了時間に解禁OK。ところが発表会をオフィシャルがTwitterで実況。そしてそれをYouTuberの方がやられたってことで取材していたほぼ全メディアの人が「今日のイベント、なんのためにやってるの?」と不満爆発になってしまったわけ。製品がいいのに発表会の仕切りが悪すぎたのが残念です。

まあ発表会は次回から改善してもらうとして、製品そのものは悪くありません。一緒に発表された炊飯器についても私はマイナビニュースでやや熱く語らせてもらいました。日本にあえて、日本人がかかわった家電を出す、しかも日本人の心ともいえる炊飯器を。これ大きなメッセージだと思うんですよね。

ということで日本での話題性も高く、発表会が終わったあとでAbema Primeに呼んでいただきそこで話をしてきました。軽い打合せはあったものの、実際にに現場に出てみると出演者の方々からの質問もいろいろあって、状況に応じて受け答えしてきました。その中でどうしてもいいたかったのが、

・シャオミはアップルでも無印でもなく、両者を足して2で割ったのでもなく、両者ができないこともやっている

でした。両者の真似をやっているというのなら、なぜアップルはスマートホームをやらないのか(HomeKit失敗してる)。2020年を前にして無印良品にIoT製品がないのはなぜなのか。やってない会社はさておき、シャオミは先を見ています。しかもシャオミは「誰にでもIoT」。あ、これってノキアの「誰もを結びつける」と同じ考えですね。特定の、お金のある人だけのものをシャオミは作っているわけじゃないのですよ。

シャオミが理解できないひとほど「中国のアップル」って一言で片づけたがるのですが、シャオミCEOの雷軍はジョブズの精神は持ってませんよ。繰り返しますがシャオミのターゲットは「すべての人」。アップルの製品は子供でもすぐに使えるでしょうが、だからといってアップルのターゲットは「すべての人」じゃないですよ。一定の所得がなければアップル製品は買えませんから、インドやアフリカの子供の多くは使うことすらできません(これがいいか悪いかではありません。企業の考え方の違いです)。

ちなみにジョブズを崇拝して同じ思想でスマートフォンを作ったのは羅永浩だけです。

さてシャオミの日本での販売はまずはアマゾンでの通販のみ。かなり無理して始めたんでしょうね。店舗で実機が触れないとなるとマニア層にしかリーチできないでしょうし。1月は旧正月(2020年1月25日)があるので中国本社側から日本への指示も滞ってしまいますし、量販店に置かれるようになるまでにはまだ数か月かかりそう。

とはいえ日本の量販店も独特のビジネス習慣があるので(聞くところによるとメーカー側が圧倒的に弱い)、自社販売の店、すなわち「小米之家」をどこかに開いちゃったほうがいいような気もします。まあいずれにせよ販売コストがかかる国でマーケティングもゼロから始めていかねばならず、これからの動きは大きく気になります。

【2】LGスマホについて熱く語ったEngadgetのイベント

* Engadgetによるイベントレポートはこちら
https://japanese.engadget.com/pr/lg-g8x-thinq-2/https://japanese.engadget.com/pr/lg-g8x-thinq-2/

海外のスマートフォンメーカーのうち、日本ではLGの存在感がここのところ中途半端な状況でした。isaiをKDDIから出していたうちはよかったのですが、最近はミッドレンジモデルに特化して機能よりも価格重視、キャリアにとって売りやすい製品ばかりを出していたからです。

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