1999年生まれとビートルズ


1999年生まれの私は先日で21歳を迎えた。
そんな私はビートルズが好きで、恐らくこれは紛れもないだろう。

私くらいの年齢がビートルズを好きだと珍しがられることが多い。確かに、同世代にはビートルズを聴いたりする友人がいるかと言われたら居ない。同級生にビートルズの話をすると「えっ、ポールマッカートニーってビートルズだったんだ」って言われたことがあるくらい。これを言われたときはエッ、マジ?って思ったけれど別に今ビートルズの情報なんて自分から手に入れようとしない限り入ってこないから仕方がない。私たちの世代ではビートルズは既に歴史上の人物で「なんか超有名なクラシックバンド」くらいの認識なのだろう。

私がビートルズを好きだと言うと、「若いのに渋いねえ」とかよく言われるけれど、その中で一番多いものが「なんで好きになったの?」という質問だ。

なので今日は1999年生まれの私が、ビートルズを好きになったきっかけと私にとってのビートルズのお話をしたいと思う。先に言っておくと、感動的でも叙情的でもないただの凡なお話で、ほとんど記録である。

それまでの私は別にビートルズに特別興味がないというか、寧ろ嫌いな方だった。
嫌いだったのは多分、中学の音楽だか英語だかの授業で聴かされた「Hello, Goodbye」が原因だろう。9割も頭に入ってこない退屈な授業の中、英語の歌詞と共に教科書に載っていた丸メガネで髭モジャのはっきりとしない表情のジョン・レノンの写真が妙に気持ち悪く感じたのを覚えている。それからHello,Goodbyeの曲もなんだかぼやぼやグワングワンした曲調で、写真の印象を際立たせていた。だからなんとなく「ジョンレノン(の主に顔)無理だなあ」と思いながら授業で聴いていた。

まあ、あれポールの曲なんだけど。

そんな私がビートルズを好きになったのは恐らく高校一年生だった。そのきっかけは親の影響とかそんなんでもなく、周りに好きな人がいたからでもなく、いかにもデジタル・ネイティブ第2世代らしいもので。
ニコニコ動画をよく見ていた。ニコニコ動画で動画を投稿する人はクリエイティブな人が多いが、それを享受する私自身には全く生産性のないもので、けれどそれが好きだったし、自分がオタクであるという自覚もあった。そんな中で、ふと私が見たものはたろう16bitさんの洋楽メドレーであった。

この動画は今ではニコニコ動画で600万回、Youtubeでは800万回再生されているものである。これだけの再生回数なんだから、私以外にもたろうさんのこの動画から洋楽に興味が湧いた若い世代は一定数いるだろうなあ。

たろう16bitさんが有名どころのメドレーを全て一人で作ったというかなり手の込んだもので、本人による曲の説明や歌手の説明が載せられているため見ていても飽きない。原曲よりも比較的アップテンポな作りになっていて、速いテンポに慣れていたボカロ世代の自分でも新鮮な気分で聴けていた。

投稿は2013年で、投稿当初中学生だった私は何気なしに聴いていたが、この時期(2015年あたり?)にまた聴くのにハマってよく通学時間とかに聴いていた。

この20分間のメドレーの中で特に印象に残ったのは、「Lady Madonna」と最後の「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」だろうか(他にも好きなのいっぱいあります)。

前者は聴いた時に「あ、ドクターマリオだ!」と思って親近感が湧いたのと、後者はメドレーの最終曲にふさわしく、盛り上がる曲であることも勿論だが、何よりもビートルズの着ていた衣装がカラフルで可愛いなあと思ったのである。

こうした経緯からビートルズの存在が気になり始めた私は、本家を聴いてみようと同じくニコニコ動画でビートルズのメドレーを聴き始めた。ニコニコ動画にはたくさんあるので……。

そんな中で一番よく聴いていたビートルズメドレーがこれ。一曲目が「Getting Better」という今聴くとその「コアさ」とそれに盛り上がるコメントに笑ってしまったが、ビートルズを1mmも知らなければ、音楽のことも全く知らない、況してや周りに共有する人もいないという自分にはただ「Getting Betterのイントロが聴いていて心地が良いな〜」くらいの気持ちで聴いていた。

そしてこの年のクリスマス、丁度良くApple Music にビートルズの曲がリリースされた。無事に私はApple Music(ファミリープラン)の登録を果たして存分にビートルズのアルバムを網羅し始めることとなる。こうやって曲を聴いていたから私はビートルズのCDをちゃんと全部持っていないのだ。

あとは映画とかアニメを一通り見たり「1」のブルーレイBOXを購入して狂うようにMVを視聴しながら「あ〜〜ジョンの顔良い〜〜(髭の無いジョンレノンを見て衝撃を受けた後)」とか「ポール〜〜〜リンゴ〜〜〜」とか言っていた。

こんな風にハマった人間なので、ビートルズが好きというと珍しがられるのは少々違和感があった。確かに私はビートルズが好きだが、ハマった経緯も相まってボカロが好きとか米津玄師が好きと言っている感覚とあんまり変わらず、ハマり方も所詮オタクのものなのだ。(因みにビートルズにハマる前は米津玄師が好きだった)

こうしてインターネットのオタクとしてビートルズにハマった私ですが、おかげで普段あまり関わらないような人たちとの人付き合いも増えた(いわゆるオタクではない人)。ありがたい話です。

ビートルズ好きの人と会っても私はそんなに話ができる訳では無いけれど、話すとなると、好きな曲は「And Your Bird Can Sing」好きなアルバムは「ラバーソウル」と答えている。

もしどこかでビートルズ好きの娘がこう言っていたらその時は私かもしれないので、その時はよろしくお願いします。


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