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ロックバンドがバズるために必要なこと

こんにちはヒロシDEATHです。

突然だけど、ロックバンドが今シーンの中でどのポジションにいるか、今後どんな活動するべきかとか思いを巡らせる時参考にするものがある。

それは名著「キャズム」の中にある。

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名著なので読んだことある人も多いとは思うけど、超簡単に言っちゃうとこれは
マーケティング理論の本。
新しい製品やサービスが世に出る時、最初の小さな市場と大きな市場との間に溝(みぞ)が存在して、これを超えないと決して世に広まることはないという考え方。

そのベースとなるのが「イノベーター理論」
消費者の行動を5段階に分けられる。
図で表すと以下みたいな感じ。
アーリーアダプターとアーリーマジョリティとの間に大きなキャズムが存在する。

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あくまでも自分の解釈だけど、音楽市場に当てはめると以下みたいに思ってる。
(あくまでも私の勝手な解釈ということをご了承ください。)
また、この表に記載されているパーセンテージは、イノーベーティブな製品などの場合で、音楽市場に当てはめると同様な数字であるかは不明。

【分類対象】
ここにある5分類される人達は、何らかの形で音楽にお金を払う人達。
音楽にお金を払う人達はマイノリティなため、ここの総数は全人口の半数にも届かない、かなり小さいものだと考える。

【音楽への接し方】
キャズムより左に分類される人達(イノベーター、アーリーアダプター)は、「音楽を能動的に聴いている人達」、右に分類される人達(アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)は、「音楽を受け身に聴いている人達」
音楽を受け身に聴いている人の方が圧倒的に多いと考える。

【具体的ロックバンド消費者像】
(イノベーター)
・常に音楽関連情報へアンテナを張っている人達。大量の情報をリアルタイムでキャッチし、まめに現場に足を運ぶ。ほぼ毎日ライブハウスに足を運ぶ。
(アーリーアダプター)
・ライブハウスにまめに通い、現場やSNSなどで、対バンも含めて貪欲に音楽を吸収する。良いと思ったら音源を惜しみなく手に入れ、そのライブにも通ったりする。
(アーリーマジョリティ)
・有名フェスや特定のバンドを目当てにライブハウスにも足を運ぶ。フェスの場合、当日どう見て回るかなどはガッチリ決めず、話題になっているバンドがいるとそのステージに足を運ぶこともある。そこで気に入ったバンドは、後日ライブハウスに行くこともある。
(レイトマジョリティ)
・年に数回友達と有名フェスに行ったり、お目当てのバンドのワンマンライブに行ったりする。フェスでは、どのステージを見て回るか事前に決めて楽しんだりしてる。
(ラガード)
・誰もが知っているような、地上波でも聴けるようなアーティストの音楽を楽しんでいる。

【ロックバンドにおけるキャズムとは】
・キャズムを超える=ブレイクする。バズる。でもバイトを辞めれるとは限らない。
・多くのバンドはキャズムを超えることを目指すが、全ての人がそうあるわけでもない。
・以前は、キャズムの左はインディーズバンド、右はメジャーバンドと分けられたが、現在はその限りではない。
・音楽を能動的に聴いている人だけに刺さったとしても、音楽で食っていけるレベルにならない。それほどこの層の消費者は少ない。
ライブハウスのみバンドは、キャズムの左に位置する消費者のみにしか自分達の音楽を届けられない。
・キャズムの右に位置する消費者は圧倒的に多いが、純粋な音楽ファンの絶対数は少ないため、自分達のやりたいことが続けられるポジションなのか慎重に考える必要がある。

【キャズムの超え方】
・古くはメジャー契約をし、広くメディアに露出することだったりしたけど、最近はその限りではない。
・ここ数年の流れとしては、有名ロックフェスへの出演だったり自主イベントの開催などがそれにあたる。
ただし、有名ロックフェスに出演できたとしても、即キャズムを超えるわけではない。そこで少しでも爪痕残さないとチャンスを逃すことになる。
・ライブハウスで実績を積み、音源をサブスクに公開し、イノベーター、アーリーアダプターに評価されたとしても、決してそれだけではキャズムを超えることはできない。
キャズムの向こうの人達に音楽を届けることは決してできない。
そのためには、多数の高評価がSNS等で拡散され、「アーリーマジョリティ以降の層にも受け入れられるという期待や幻想をイベンターに与え、フェスへのオファーを受けることが必須。」

【キャズムの超え方(ハルカミライの場合)】
2016年にナインスアポロに加入。
全国のライブハウスやサーキットにも多数出演し、レーベル企画ライブではトリを務める代表バンドになっていく。
SNSにハルカミライのライブはやばい、というワードが溢れ、その評判がどんどん高まっていった。
ただ、それまではキャズムの左側の層に受け入れられていただけ。
その評価を聞きつけ、巨大ロックフェス「VIVA LA ROCK2018」への出演を掴みキャズム超えの大きなきっかけとする。
もう一つは、幕張でのワンマン。
そのライブは、ハルカミライを見たいけど「ライブハウスのハードルを高く感じている人」や、仲の良い友達に「一度ハルカミライのライブを見せたい人」に向けたショーケース的ライブ。大半の人が初めてライブを見る人で占められていた。
それらにより、ハルカミライは完全にキャズムを超えたと感じてる。

ありがとうございます。アーティスト支援に使わせていただきます。