登山用レインウェアについて
登山に必須なレインウェア。それについてつらつらと...
個人的に三層構造(3レイヤー)のレインウェアを好んで使っています。3レイヤーの利点は肌触りの良さ。2.5レイヤーのコーティング面や2レイヤーのメッシュと比べると三層構造は汗をかいていてもペタペタしにくく、着心地が良いです
2レイヤーの裏地はメッシュタイプ
3レイヤーによく使われるトリコット生地(写真はmont-bell サンダーパスジャケット)
なんでもこの三層目は蒸れを一時的に吸収し、効果的に防水透湿層の働きを助けるのだとか。レインウェアの肝である防水透湿層が露出していないため劣化も緩やかです。パタゴニアのレインジャケットであるトレントシェルジャケットも長期使用を想定して3レイヤーに変わりました。
ファイントラックのエバーブレスフォトンの裏地はニット。トリコットより柔らかで着心地が良いです。蒸れの吸収も良いとされます。
登山に使う上で重要なのは、ドローコードや袖のベルクロの有無。各所を締め込むことで強風下の大雨でもレインウェアの内側へ浸水を防ぎます。トムラウシの遭難事故では生還者の1人はレインウェアの各ドローコードを締め込んで着装することでほとんど体が濡れることはなかったそうです
サンダーパスは肩付近と腰部分にドローコード。袖には当然ベルクロあり
ミズノのベルグテックもドローコードを肩、腰に実装。袖にはベルクロもあります
また、レインウェアのパンツでは登山靴を履いたままレインウェアを着ることができるようになっているかが重要です。過酷な環境に対応できる機能があるかどうか、は購入する上で注意したいところです。
ファイントラックのエバーブレスフォトンパンツはガバッと開けるので登山靴履いたままでも着やすい
ポケットの位置も。ザックを背負いながら歩くので腰ベルトに干渉しないような位置に設定されているかも注意したいところ
防水透湿素材について。少し前はゴアテックスが抜けた存在でしたが、今は様々な防水透湿素材が高い性能を持ち存在します。そのため、ゴアテックスに拘る必要はないと思います
防水性や透湿性を図る数値はインフレ気味。透湿性が高い方が当然快適ですが、各メーカーで検査の方法が違うため、あまり参考になりません。素材の透湿性能以外にも表の生地も透湿に影響するので、そこまで気にすることではないと思います
エバーブレスフォトンは数値でいうとA-1法で10000g/m2・24h。数値にすると他社より見劣りしますが、使ってみるとまったく劣りません。
防水性に関してはゴアテックスは安定の高さ。過去に大雨続きの縦走登山でもまったく浸水がなかったので、個人的にとても信頼しています。
購入してから20年近く経ちますが、いまだに浸水しないゴアテックス。強い!この頃はゴアテックスの表記も控えめだったなー
個人的にあると嬉しい機能は、ベンチレーション。素材によって透湿性能に差はありますが、結局は物理的に蒸れを排出する、が最も効果があります。レインウェアにベンチレーションをつけると防水性が低下してしまうため省略されることが多いのですが、やはりあると便利
ミズノのベルグテックはポケットがベンチレーションを兼用。これはちょっと使い辛い
mont-bellのレインウェアはどのモデルにもベンチレーションがなかったり(最強のストームクルーザーにもない!)。なんでだろう
ファイントラックのエバーブレスフォトンは少し珍しい場所に大きなベンチレーション。これがなかなか使いやすい!
街中での使用を想定したレインウェアを登山に使うことは可能ではありますが、やはり登山用に作られたレインウェアは各部分が山で使うことを考えられて作られており、登山をするのならば登山用のレインウェアを使うこがベターなのではないでしょうか。
以上、レインウェアについて書いてみました。参考になれば!
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