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3月11日。

忘れもしない2011年3月11日。午後。
その日はまだ4歳だった息子と実家の父がショッピングモール内の映画館で映画を見る約束をしていた。
ドラえもん「新のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち~」である。
父と息子が映画を一緒に見るのは恒例イベント。ポップコーンとジュースを父から買ってもらえるのが当時の息子にとってはたまらなく嬉しいことだったらしい。

軽く昼食を済ませ、いつも通りドラえもんを堪能。
映画を見終わった息子と父、モール内で用事を足していた私と母も合流し「どこが面白かった?」「来年もまた来ようね」などと話ながらショッピングモール内を散策していたその時だった。

午後2時46分。

突然、立っていられないほどの揺れがモール内全体を襲った。
東日本大震災である。
停電した館内。
まるでジェットコースターの頂上から一気にかけ落ちるかのような重力体感。
私は息子を本能的に抱き寄せ揺れが収まるのを待った。
「ママ、怖いよ」
小さく細い腕で私の体にしがみつきガタガタ震える息子の感触は今でも私の体に残っている。揺れがひとまず収まり、私達は館内からなるべく早めに出る事を決めた。

実家の車での帰り道。
すべての信号機と電灯が停電していた。幹線道路も収集がつかず渋滞がおき大パニック状態。車からラジオをつけ情報収集していると、津波が襲っているらしいとの話が。幸いにも住居は山あいの場所だったため、被災は免れたが停電のため暖を取るための燃料確保に苦労した記憶は忘れることはないだろう。

それから13年。
息子と父の映画デートはもう無くなってしまったが、ドラえもんの映画の番宣を見る度にこの事を思い出してしまう。

震災で亡くなられた方々への祈りは一生続くだろう。

3月11日、午後2時46分は1年で今でも最も忘れない日となっている。


#映画にまつわる思い出


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