プレゼンテーション2

いざ!霜田体制3年目のシーズンへ 〜2020年J2予習 「レノファ山口FC」編〜

ついに最終日です。最後はレノファ山口FCを予習します。早速いきましょう!


レノファ山口FCの基本情報と移籍まとめ

レノファ山口FCの基本情報」

昨シーズンの成績 リーグ戦15位(13勝8分21敗勝点47 得点54失点70)
監督・・・霜田正浩(2018〜)


「移籍情報まとめ」

今回もFootball-LABさんのサイト(https://www.football-lab.jp/r-ya/transfer/)より画像をキャプチャしております。

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退団した選手はこちらです。期限付き移籍加入選手の保有元への復帰も含めて、主力選手の退団が多いです。まずは、J1への個人昇格を果たした選手です。湘南へ移籍した三幸秀稔は、昨シーズンはほぼ全試合フルタイム出場であり、霜田レノファに欠かせないキャプテンでした(1試合だけ89分に交代しています)。山口では4年間で122試合に出場、霜田体制では2年間で欠場したのは1試合のみとチームの中心選手でした。
マリノスへ移籍した前貴之も欠かすことのできない選手でした。昨シーズンは37試合に出場、山口での3年間で101試合に出場しました。彼が欠場する試合では勝率が極端に下がるぐらい、ピッチ内での影響力は計り知れないものでした(ちなみに、霜田体制では前貴之が欠場した7試合で勝利はなく、勝点は2しか取れていません)。
神戸へ移籍した菊池流帆は、在籍は1年間だけでしたが山口のファン・サポーターに強烈なインパクトを残しました。ルーキーイヤーで35試合に出場しました。彼の良さは、その向上心の高さだと思います。身体能力の高さがあり対人に強く、裏を取られてもスピードで追いつくこともできます。シーズン序盤はおっかなびっくりのところが攻守両面にあり、不安定な印象でしたが、シーズン終盤になるにつれて彼がいれば大丈夫という安心感が出てきました。本当に頼もしかったです。
また、J1への個人昇格ではありませんが、山下敬大の千葉への移籍もありました。昨シーズンのチーム得点王で37試合に出場し11ゴールを挙げました。千葉を昇格に導く活躍を見せて欲しいです。
それから、期限付きで加入した選手の退団も仕方がありませんが、かなりありました。特に夏に加入した石田宮代は出場機会も多かったので、できればもう1年山口で見たかったなという思いです。

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こちらが新加入選手です。全員に注目です。期限付き移籍で将来有望な若手を獲得し、完全移籍で経験豊富な選手を獲得するという方針は、ぼんやりと伺うことができます。

全体的には、また新しいチームになりそうだという印象を受けます。それだけチームの中心選手が退団しましたので、2020年版のレノファ山口に期待しましょう。


今季のレノファ山口FCの注目ポイント

①霜田体制3年目のアドバンテージを生かせるか


①霜田体制3年目のアドバンテージを生かせるか

山口以外の21チームを予習して気づいたことなのですが、3シーズン目の監督は今年のJ2リーグを戦うチームにいません。最長は徳島のロドリゲス監督と金沢の柳下監督の4シーズン目であり、3シーズン目は霜田レノファだけなのです(愛媛の川井監督は2018シーズンの途中に監督に就任しています。それを入れると2人になります)。

これだけ監督の入れ替わりが激しいJ2で同じ監督で3年目となる山口は、継続性の部分でアドバンテージを握りたいところだと思います。もちろん、選手の入れ替わりはありますが霜田監督の目指すサッカーのコンセプトは、誰がいようといなかろうと変わることがありません。当然、霜田監督のやりたいことを理解している在籍3年以上の選手もいますし、新加入選手も霜田監督のサッカーをイメージして入ってきているはずです。

他のチームと比べた時に、監督が継続していることによる戦術の浸透度の早さというアドバンテージはぜひ取っておきたいところです。まさに開幕戦で当たる京都は、新監督になって選手も入れ替わりチームを構築している段階のチームだと思います。そういった相手に対してアドバンテージの部分で良い戦いをしてほしいと思います。


②山口のサッカーの表現方法の変化を捉える

継続性をアドバンテージにして欲しいとは言え、霜田監督のサッカーを表現する上で特に重要な2人の選手が抜けたことは、間違いなく痛手です。三幸前貴之の2人は、チームのサッカーを作る土台を担っていた2人ですから小野瀬や高木大輔などが抜けた時とは、また違った影響があると思います。

今季のサッカーを見る上での1つのポイントは、コンセプトは変わらない中でそれを表現する方法に違いが出るはずなので、2020年版の山口はどういった手段でコンセプトを表現しようとするのかだと思っています。

コンセプトの1つには、常に相手のゴールを目指すというものがあるはずです。これは、選手が抜けた抜けないに関係なく変わらないコンセプトです。ただ、このコンセプトをピッチ上でどのように表現するのかには、選手が変わる影響が出てくるはずなので、そこに注目しようという意味です。

具体的に、私が注目している点を1つ書いておきたいと思います。あるけんさんの2019年得点傾向分析記事によれば、昨シーズンの山口の攻撃は左サイドの攻撃指数が他のチームに比べても高いことが読み取れます。この数値の高さの要因の1つには、高井和馬の存在が挙げられるはずです。彼を左サイドに配置し、ボールを預ければ相手の守備をある程度突破してもらえることは、山口サポの皆さんはよく分かっていると思います。

ゴールへ向かうための方法の1つに、高井にどれだけ良い状態でボールを届けられるのかという要素があると思っています。

高井だけではなく、サイドの選手にどれだけ良い状態でボールを届けられるのか露という狙いはおそらく今年もあると思われます。高井は残留していますし、他にもパウロや新加入の村田や安在などサイドから突破を狙える選手が多くいるからです。

では、どうやってサイドまでボールを届けるのでしょうか。この方法に変化があると思っています。昨シーズンまでの山口で最も効果的だったのは、三幸から中長距離のパスを一発でサイドの選手に通す方法だったのではないでしょうか。彼がいて、彼のキックがあれば、余計なことはせずに彼に蹴ってもらうのが効果的だったはずです。この方法は、おそらく今年は使えません。彼のキックは唯一無二のものだからです。代わりはいないのです。

ということは、サイドの選手にボールを届ける方法に変化が生まれるはずです。もう少し、手数をかける必要が出てくるかもしれませんし、意図的にボールを奪って相手の最終ラインにスペースがある状態で素早く届ける必要もあるかもしれません。これが、コンセプトが変わらない中でその表現方法に違いが出るはずだという1つの具体例です。

ここに注目して観るのが良いと思います。霜田監督の山口は、間違いなくチームとして意図を持ってそれらを表現し続けるはずなので、それを考えながら観ましょう!分からなくても考えながら観ることでより楽しめるはずです。


今季の山口の注目選手

贔屓チームなので、複数人選出しても良いですかね・・お許しください笑。

まずは、新キャプテンに任命された池上丈二です。今季が山口在籍4シーズン目となり、キャプテン就任は妥当だったと思います。キックの質の高さがストロングポイントです。彼自身のゴールやアシストで多くのゴールを生み出してもらえることに期待します。何よりも怪我をしないで1年間試合に出続けて欲しいと思います。

そして、個人的に最も注目している選手がFWのイウリです。新外国籍選手としてポルティモネンセからやってきた選手です。権田選手も太鼓判を押していたようなので期待しているのですが、彼の獲得にレノファ山口というチーム、霜田監督の今年にかける思いを感じたために注目しています。霜田体制下では、前線ではなく最終ラインの外国籍選手を獲得していました。FWの選手は3年目で初めてです。これまでも「うちには1人で何とかできる外国人がいるわけではないからチームで点を取る」という旨のコメントがあったはずですし、昨シーズンの甲府戦後のコメントでも「お金で選手を取ってこれるようなチームではない」とあります。
別に外国籍のFWを絶対に獲得しないという意志があったわけではないと思いますが、結果的にここ2年間は獲得がありませんでした。それが、今回は獲得に踏み切ったわけです。それだけの選手であるということでしょうし、チームとしても彼を獲得するだけの覚悟があるはずです。ここに今年のチームの本気度を感じました。
ですから、彼には活躍をしてもらわなければなりません。そのプレーが楽しみです。

最後に眞鍋旭輝を挙げたいと思います。桐蔭横浜大学のキャプテンとしてリーグ戦2位、インカレ準優勝に貢献し、リーグ戦のベストイレブンにも選ばれたCBです。このレベルの選手を獲得できるところが、霜田レノファの価値を示していると思います。プレースタイルは菊池流帆や楠本卓海といった大卒組とは、また異なると思います。どちらかと言えば、堅実なタイプで「そこにいてくれる」のが強みだと感じています。昨シーズンは大卒ルーキーとして菊池がブレイクしましたから、眞鍋にも同様の活躍を期待します。


まとめ

また新たなシーズンが始まります。今シーズンは本気で昇格を目指していると感じるチームが多いです。山口は、チームの核となる選手の退団があり、また新たなチームの構築を目指しているところです。

Bリーグ川崎ブレイブサンダースに所属するニック・ファジーカスの言葉を借りれば、レノファは正直に言ってアンダードッグの立場だと思います。本命ではないということです。

それでも、レノファ山口というチームは、本気で上を目指しシーズンに挑みます。だとすれば、それを応援する立場の人間も本気でそれを信じ、後押しをするだけです。自分たちを信じて狂ったように応援したいと思います。やってやりましょう。


*文中敬称略
*画像はFootball-LAB(https://www.football-lab.jp/r-ya/transfer/)のサイト内の物を使用しています。

*このnoteを書く上で参考にした記事はこちらです。

http://www.renofa.com/archives/result/19kofu-h/


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