プレゼンテーション2

ヴェルディ再建の礎を築く 〜2020年J2予習 「東京ヴェルディ」編〜

遂に、他チームの予習は本日で最後になります。本日の東京ヴェルディが最後になります。後は、明日のレノファを残すのみとなります。そういえば、J1は今日から開幕ですね笑。では、参りましょう!

東京ヴェルディの基本情報と移籍まとめ

「東京ヴェルディの基本情報」

昨シーズンの成績 リーグ戦13位(14勝13分15敗勝点55 得点59失点59)
今シーズンの山口との対戦
第21節 6月20日(土) 19:00 in維新みらいふスタジアム 
第37節 10月18日(日) 未定 in味の素スタジアム
監督・・・永井秀樹(2019途中〜)


「移籍情報まとめ」

今回もFootball-LABさんのサイト(https://www.football-lab.jp/tk-v/transfer/)より画像をキャプチャしております。

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こちらが退団選手です。他のチームに比べると、その数は平均かやや少ないぐらいかと思います。昨シーズンは、シーズン途中で監督交代があったために1年を通して試合に出続けたどうかが、主力だったかどうかと関係がないと思います。それでも、上福元の退団は大きなトピックでしょう。ここ2年間、参入プレーオフも含めてヴェルディのゴールマウスを守り続けた選手でした。2年連続フルタイム出場だったキーパーの退団がどのように影響するのかは、注目していく必要があると思います。
次に挙げるとすると、梶川諒太でしょうか。昨シーズンは32試合2239分に出場しました。ロティーナ体制でも重要な選手として、多く起用されていた選手でした。また、田村の引退や内田李栄直の退団などもありましたが、「主力が流出!」という状況ではなさそうな印象を受けます。
ちなみに、我らのトラウマであるジャイルトンパライバは退団となっていますね。リベンジの機会がどこかで与えられることを願っています笑。

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こちらが新加入選手です。退団選手よりもその数は多くなっています。まず目につくのが、ユースから昇格の選手が5人いるという事実でしょうか。これは、ユースを率いていた永井監督がトップチームの監督であることも関係しているのでしょうか。その中でも藤田譲瑠チマには注目らしいです。昨シーズンの最終節、岐阜との試合に先発フル出場しており、良いプレーを見せたようです。もちろん、彼だけではないでしょうが、山本理仁も含めこの代の選手たちには注目です。
そして、移籍加入組では井出遥也、大久保嘉人、高橋祥平あたりに注目でしょうか。井出は昨シーズン32試合に出場し2ゴールという結果に止まりました。プレーオフでは先発出場となりましたが、シーズン終盤はベンチからの出場が多かったです。大久保、高橋はフベロ体制では出場機会が限られていました。大久保はベンチからが多く、高橋は怪我もあったのかもしれませんが、一度も出場がありませんでした。そういった意味では、試合に出場し活躍をするために移籍してきた選手と言えると思います。彼らの残す結果に期待です。
最後に注目したい選手がマテウスです。上福元の抜けた正ゴールキーパーの座を担うべく獲得してきた選手だと思います。彼の活躍が今年のヴェルディの結果に影響を与える部分は大きいと思うので、そのプレーに注目したいです。

全体的には、特別良いわけでも悪いわけでもないといった印象でしょうか。永井監督が求める選手を揃えたと言えるオフだったと思います。永井色が相当に強まっていることは間違い無いと思いますので、監督がうまくプレーさせられるかにかかっている部分が大きいと思います。


今季の東京ヴェルディの注目ポイント

①永井監督続投を私のひねくれた視点を参考に追いかける
②永井監督とともにヴェルディの礎を築けるか


①永井監督続投を私のひねくれた視点を参考に追いかける

永井監督は昨年の7月17日にトップチームの監督に就任し、20試合で指揮を取りました。成績は7勝5分8敗の勝点26でした。これは、1試合平均1.3で勝点を積んでいるペースとなり、1年で54.6の勝点を獲得する計算となります。つまり、監督交代で成績が良化した訳でも悪化した訳でもないだろうという結論になります。

今季のJ2で言えば、昨シーズンの途中で監督交代があり、その監督が今シーズンも続投するケースはヴェルディとジュビロの2チームです。フベロ監督は就任後成績を良化させたことを調べているので、そこと比較すると「永井監督は良化させたわけでもないのに続投でいいの?」自分の中で疑問のままになってしまいます。

そこで、J1チームも対象としてその疑問を検証してみようと思います。J1だと浦和、湘南、鳥栖、名古屋、神戸の5チームがそのケースです。改めて、何を比較するかというと、シーズン途中から監督に就任して結果をどのくらい残したのかという点です。

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永井監督を1番上にし、以降は試合の指揮が多かった順に並べてみました。それぞれの監督が残した成績を元に、1試合平均獲得勝点を算出し、それぞれの監督が1シーズン率いたと仮定した場合の勝点に換算しました(J1チームの場合→1シーズン換算=1試合平均勝点×34)。そして、チームが昨シーズン実際に積み上げた勝点(1番右のセル)と比較し、勝点を獲得したペースが上がったのかどうかを検討しています。

これを見ると、残した成績にはっきりとした明暗が分かれていることが分かります。

成績が良化した監督(赤色)
金明輝、フィンク、フベロ
成績が悪化した監督(青色)
大槻、フィッカデンティ、(浮嶋)

*湘南の浮嶋監督は、さすがに特殊すぎる状況だったこと、そして高橋健二コーチが暫定で率いていた時期よりは成績が良好だったことを考慮し、一応( )表記にしています。

赤色のセルの3名の成績の良さは見事です。フィンク監督は天皇杯の優勝という結果を残し、金明輝監督は2年連続でシーズン途中で監督を引き受けながら、残留という結果をもたらしています。フベロ監督は残留こそなりませんでしたが、今年の磐田を任せるに値する結果を残しています。

一方、青色セル組は、「残留という結果こそもたらしたが・・」というところでしょうか。フィッカデンティ監督は試合数の少なさが、大槻監督はACLの戦いとの並行がエクスキューズとなるかもしれませんが、結果だけを見ると続投の判断が妥当であるとは言い切れないと思います。

そこで永井監督はと言うと、唯一そのどちらでもないことが読み取れました。前体制と残した成績が同じで続投というケースは、今年のJで唯一のパターンです。悪化でも続投のパターンがあるのならば、永井監督の続投も良い判断なのかもしれません。

今季のヴェルディを見る時には、このことを頭の片隅に入れておくと、変わった楽しみ方ができるかもしれません。永井ヴェルディがどういった結果を残すのか、それは、ここに取り上げたチームがどのような結果を残すのかによって振り返り方が異なってくるかもしれないですよね・・。


②永井監督とともにヴェルディの礎を築けるか

もちろん、先ほどの話は結果だけを見て続投がどうなのかを検討したに過ぎません。結果以外の基準でその判断があってしかるべきだと思います。おそらく、ヴェルディは続投の判断に、結果以外の要素の影響が大きい気がします。

まず、サッカーのスタイルに対する評価が高いと思われます。例えば、大久保嘉人のコメントは様々な媒体の記事で出ています。永井監督のサッカーに魅力を感じてやってきた選手も多いのでしょう。新体制発表会見でも、社長を始めGMや強化部長などが昨シーズンの永井監督のサッカーを継続できることがアドバンテージになると語っています。もちろん、あの場で悪く言う人は誰もいませんが、チームとして一貫した考えがあることを感じるコメントでした。

そして、ユースからトップまでの一貫したチーム作りを目指した時に、永井監督が適任であるという考えもあると思います。クラブとして今季は、新しいヴェルディの仕組み作りに取り組んでいるように思います。GMのコメントにもありました。それは、おそらくピッチ上で表現されるサッカーも例外ではないのでしょう。そう考えた時に、ユースを率いていた時期の教え子が8人ほどにもなる永井監督に任せようとなったのだと思います。

これは、私の考えですが、今季のヴェルディを見ていくときには結果はもちろんですが、新しいヴェルディのサッカーの基礎を作る上で、永井監督のチームが表現するサッカーがそれに値するものなのかどうかに注目したいと思います。結果と同じくらいか、より内容を見ていく1年になるのではないかと感じる予習になりました。


今季のヴェルディの注目選手

ここは無難に贔屓選出にします。大久保嘉人に注目したいと思います。昨年はジュビロに在籍していましたが、フロンターレでの抜群の輝きがここ数年見られていません。まだまだできると思いますし、活躍している姿を単純に観たいです。彼のコメントを見るに、永井監督のサッカーで活躍できるという自信を感じます。だからやってくれるのではないでしょうか。もちろん、山口戦での活躍は程々にしてもらいたいのですが、暴れて欲しいです。
注目するポイントは、ピッチ内での仕事量をどれだけ少なくできているかだと思います。なんでもできる選手故に、多くの仕事をこなせるのですが、チームとしては彼にどれだけゴールの部分に専念させられるかがカギだと思います。(ヴェルディではゴールよりも作りの方を期待されているんですかね・・?そうなるとこの注目ポイントは見当違いになりそうですが。)


まとめ

ヴェルディの見方としては、ピッチ内で表現されるものを注意深く追っていくことが重要なのだろうと感じました。もちろん、結果も重要ですが、それだけに囚われない必要があるはずです。今後のヴェルディの飛躍のためにどのような礎を築いていけるのか、そんなシーズンになるのではないでしょうか。


*文中敬称略
*画像はFootball-LAB(https://www.football-lab.jp/tk-v/transfer/)のサイト内の物を使用しています。

*このnoteを書く上で参考にした記事はこちらです。


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