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08_母の野菜スープ

今年1月の年明け、会社で心身ともにボロボロ、適応障害になり、何もかもどうしていいか分からなかった。仕事、一人暮らしの生活ともに破綻してしまう強烈な不安が押し寄せ、そんな中週末実家から母が来てくれた。

疲労で泣き疲れ、異常な精神状態だった私は、その日は寝ることしかできず、その間母は洗濯や掃除をしてくれており、ご飯も作ってくれた。昔から好きだった具沢山の野菜スープはボロボロの身体に沁みる美味しさだった。

ただただ、情けなかった。自分の意思で転職し、実家を出て一人暮らしを始めたかと思えばこんな形で遠い中母に来てもらい、迷惑をかける結果になってしまったこと。好きな仕事で生計を立て、キャリアを積み、好きな人やものに囲まれた生活を望んでいた自分。数年前HSPだと気付いたことなのか、会社のせいなのか、たまたま時期的なものなのか、運気の問題なのか、何かをきっかけにピースが欠け、仕事・生活すべてがうまくいかなくなった。そんな私の事情も母はすべて話さなくても理解してくれていた。子供の頃から何があってもいつも私の味方だった。健康だった娘がまさかこんなに弱っているなんて、親からしたら一番悲しいはずだ。自分のために仕事をして幸せになるはずが、いつからか何のために働いているか見失い、劣悪な環境の職場に毎日捧げ、これから先もっとつらい条件の中残りの20代を過ごしていくことへの恐怖心が止まらない。

先日精神科での先生からの「早急に現場から離れること」という診断を母にも話し、退職することを決意した。

日曜の夕方、実家に戻る母を見送った。大人になってから初めてだったかもしれない。「無理せんと頑張りよ」とハグしてくれた。小さい頃はとても大きく見えた母も年々歳を重ねて私の方が大きくなったけど、働き始めて改めて気付いた母の偉大さと温かさ。そしてあの野菜スープの味はこれからもずっと忘れない。お母さん、ありがとう。


#HSP #適応障害 #アラサー独身

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