私の映画記録33

「ブラックスワン」
“Black Swan”

ダーレン・アロノフスキー監督 ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル

ナタリーポートマンという人をこの映画で初めて認識したけど、私がこれまでたくさん接してきていた人でした。だってあの「レオン」の超美少女だもの。大きくなってこんなにも有名女優になったってすごすぎ。やはり天才。この映画でもとってもかわいかった。しかもこの映画のために練習して8割のバレエのシーンは自分でやったんだって。すごく美しかったし。壊れていく演技がすごすぎた。現実と妄想の境界線がわからなくて、納得いかないところもあるけれど、それがこの映画の持ち味で、美しさなんだろうなと思った。結末はけっこう好きだよ。

 これを見ようと思ったきっかけは全く思い出せない。「ネオンデーモン」のようなものを節々に感じる映画でしたが、たぶん同じような世界観ということでクリップしたのだと思う。わかりにくい内容だったけど、世間の評価は高い。あまりクラシックバレエの知識がないからただただ美しいと思うばかりでしたね。これもユーネクストに登録したことによって見れた映画なのでよかったです。すっきりはっきりしない映画はあまり好きではないけれど、世界が独創的できれいな映画はそうであることが多いから、これはこれでいいんだと思うのです。

 内容は、
 ある大きなバレエ団に属する娘は、大スターが辞めることをきっかけに白鳥の湖の主役を狙う。彼女は技能はあるものの、優等生。黒鳥にはなれないと言われるが、コーチに接近し、見事主役の座を射止める。しかし、ライバルの妨害や夢破れた母の重圧、うまくできない自分へのいら立ちが相まって次第に主人公は追い詰められてゆく。そこで強調されるのが、幼いころからの背中をかきむしる癖。そこから黒鳥の羽がでてくるなど、本人でさえ、今の出来事が現実か夢か分からなくなってしまう。一度倒れるものの、意地でも舞台に出たい少女は心のままに演技をし、今までにないくらいのできでラストシーンを迎える。白鳥の湖のラストシーン、白鳥は命を絶つが…

 題材が白鳥の湖だということが良い。愛の物語でこの映画でかいつまんで説明されるまで知らなかったから、この演目だけでもいつか見てみたいと思った。作りとして、見ている私たちも本人のようによくわからない気持ちにさせられて、そこが昔の私は嫌だったけど、今の私はそれが技術としてすごいなと感じた。この感覚にさせられることがすごい。そして何より、ナタリーポートマンが美しすぎる。それもわかったうえでもう一度「レオン」を見たいですね。白鳥の湖の悲愴感と共鳴してとっても美しくて、苦しい気持ちになる映画だったと思います。私もどちらかというと完璧に生きたい人間だから追い込み過ぎないようにしようと思う。そういう時に本当にすごいものができるのかもしれないけど。

 ポスターはサムネイルでもあったこれが一番。表情がいいよね。モノクロ基調なのは全部一緒だけれど、もっと表情によったものとかこの話の恐怖シーンの1つである仮面をつけたシーンのものもあった。この羽が散っているのが個人的には良いの。タイトルは白鳥に対してブラックスワンでこの映画の暗いイメージともあっているし、邦題がそのまま訳してあるところも良い。しかし、もっとこの主人公の完璧主義的なところも押し出せたら良かったとも思う。なにか浮かぶわけではないけれど。とっても綺麗で芸術性の高い映画でした。

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