私の映画記録23

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「幸福(しあわせ)」
“LE BONHEUR“

アニエス・ヴァルダ監督 ジャン=クロード・ドルオ クレール・ドルオ

 本当にびっくりした。なんだこれ。これで幸福だと。びっくりしたの一言に尽きる。最近フランス映画に当たることが多いのだけど、単調っていうか映像と音楽が合わなすぎて、これは逆に怖かった。ずっと怖いって言ってた、この映画の後半。でも、こういう人っているんだろうなあと思う。フランス映画らしく、すっごく映像が可愛くて、1960年代に制作されたことも相まって本当に可愛らしかった。音楽もクラシックみたいで、晴れた日に聴いたら一日幸せな気分になりそうな音楽なのだけど、それが尚更恐怖を増すのですよね。

 きっかけは、たぶんフィルマークスだったと思う。トレンドの上の方に来ていてクリックしたのが始まり。ポスターが可愛らしくて、その頃ラブコメとか、感動のラブストーリーとかを見ていた時で、これも題名的にそんな感じかなと思って、あらすじを見てもあんまりわからなくって、でもとりあえず見ようと思ってクリップ。ユーネクストで見られるとわかったので、見ました。蓋を開けたらびっくりなのよ。他の人がどう思うのか知りたいからいろんな人に見て欲しい。こういうことって現代でもあるんじゃないかなと思う。映像もかわいいし。

 内容は
 主人公の青年は美しい奥さんとかわいい子供二人と幸せに暮らしていた。もちろん妻を愛している。仕事で電話をする機会があり、電話を取り次いでもらうと、そこの女性が美しく、自分のことも好いているようで、二人は危ない関係に陥る。男性は家族を愛し、幸せに過ごしながらも、女の部屋に行き、愛し合い、自分は幸せだとひしひしと感じていた。しかし、家族で野原に行った時、妻に最近幸せそうだと指摘され、男はさらりと言葉を口に出す…

 役者さんたちが美男美女なの。映像っていうか街とか丘とか象徴的な野原とか、もちろんお部屋とかがどんなシーンでも絵になる。フランスに憧れてしまうよな、これ。その中であの事件だからどうなんでしょうね。私は許せないし、意味わからないし、隠してて欲しいって思っちゃうし、恐怖すら感じてしまう。特にラストシーンが異様。音楽と映像とのギャップがありすぎていて怖い。服の色合いもビビットなものが多くてかわいい。後味悪いし、私の想像通りの話ではなかったけど、もう少し経ったらもう一度見たい。このギャップを作ることによって、幸福というタイトルが際立つし、それについても考えられると思うから。私も考えよう。ハッピーから事態が急転していくのが珍しかった。でも主人公にあんまり肩入れしない演出の仕方がされているからそこは好きだな。

 ポスターは、緑の枠で夫婦が見つめあったやつとか、下を向く奥さんとかあったんだけど、この人がボカされているのが一番でした。確かオープニングがこんな感じですごくワクワクするんです。これも蓋を開けたらびっくり現象に影響するんですけどね。オープニングとエンディングが一番異様で一番かわいいからそのシーンがポスターになっているのいいよね。この家族の服の色が揃っているのもいいよね。本当にそういう面では素敵な映画なんです。題名ー監督によって、っていう「フォレスト・ガンプ」のポスターみたいな情報付きのタイトルデザイン。このフォントも好きだから、言いたいことはデザインセンスがすごく私の好みということ。

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