私の映画記録40

「ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから」
“The Half of It“

アリス・ウー監督 リア・ルイス ダニエル・ディーマー

 104分だって。結構面白かった。かなり私は良かった。すごいねNetflix。オリジナル作品でこのクオリティー。役者さんたちがけっこう無名なのがすごいと個人的には思った。こういう高校生のキラキラした青春も痛みも私はけっこう好きだな。中盤の掛け合いは本当におもしろかった。アジア系であることを実感させられたし、同性愛の事も考えられた。海外の同性愛は許容できても、日本では無理かもしれないという私の感覚が怖い。それよりも、途中で生まれる絆とかラストシーンが私は良いと思った。要所要所でオスカーワイルドの言葉とか出てくるのもはっとなる。こういう病んでる感じいいよね、自分に酔ってるとも言われそうだけど。

 ネットフリックスってどんな作品もでてきたばっかりの時はランキングが高い。当たり前だけど。アニメとか韓ドラはまた違うけどね。そんな中でこの映画はけっこう長くトップをはっていた。ネットフリックスオリジナル作品はあまりお金がかかってなくて、気持ちで見せる作品が多いと思っていて、そういうの私はけっこう好きだから見ました。かなりよかった。考えることがいっぱいあったし、私も色んな事を頑張らないとと思いました。オリジナル作品は私の中で、宣伝もないし、有名でもないし、どうしても優先度が低くなってしまうけれど、もっと見たいなと純粋に思いました。

 内容は、
 頭の良い主人公は、アジア系であること、根が暗く見えることからいじめられることもしばしば。ある時、そこにそこそこ人気があり、実家が肉屋の少年にラブレターを代筆してほしいと頼まれる。何とその相手は自分も好きなあの女の子。その知的で文学的な考えを思う存分に発揮して、彼女にアタックし、疑似デートをするものの、青年はその心優しく、ギターが弾けて、頭の良い主人公に惹かれ始めていた。青年が想いを告げたとき、真実がわかり、少年は激怒してしまうが…

 ストーリーがけっこう分割されているの。そこにオスカーワイルドとかの詩
が挟まれるから余計に考えちゃうし、詩的で、素敵に見える。普通のラブコメみたいに恋に気付くのではないけれど、きっとそれが現実だと思うし、それでいいと思う。それをこえて今回は友情が出来て、最後のあのシーンにつながった。あのシーンの伏線が張られていることが私はすごく好きだった。こういう友情が出来ていく話とか、この世代特有の不安定な心に私弱いよね。卒業という別れがあるとなおさら。

 ポスターはあの少女がぼかされているところが非常に良い。彼女にラブレターを書くことが目的だけど、それがこの話の真髄じゃないから。一人の少女の話で2人の少年少女の話だから。中盤から2人の会話のリズムがあってきて本当によかった。この昼なのか夜なのかわからない景色とか、ロンティーを着ている主人公の表情とか、髪型とか全部が彼女らしくていい。題名もこの世代の不安定さを表していると思うけれど、邦題をつけたくなるのも分かる。ちょっとわかりにくいもん。おもしろいのはここから。ずっとそう思えたらいいよね。まだまだこれからだよね。希望と痛みに満ち溢れている映画でした。

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