かまだかいと

苦しさを抱え続けない為に出来ること

こちらの記事に色々反響を頂いたので、もう少し話をしたいと思います。
hiyoriさんの考えがどうしてそうなるのかわからないと言われたので、補足的な意味合いもあります。

好きだから辛い

今回吃驚したのが例の公式ツイートに対する反応でした。


公式から出した情報は、今度重大発表をするよ!というプレ発表です。
しかしタグと写真から、MEIKOの単体での御祝いはないってこと?KAITOもないの?またセットにされるの?という不安が伝染していく。
私の観測範囲では、主にKAITOくんファンに多かったと思います。
最初公式からそういうアナウンスが出たのかなと思いましたが、違う。
そうじゃない…!!これは単なる重大発表のプレ案内!

でも不安を抱える方は過去から来る不信感があるのだと思います。
今度こそと期待しては裏切られの繰り返しですね。だから怖い。
馬鹿にされたくない。軽んじられたくない。わかります。

過去と現在と視点の話

これは視点の問題かなと思ったんですが。
(全員好きですが)あえてMEIKOファンの立場からいうなら、KAITOくんはめっちゃ嬉しいことが多いです。

マジカルミライだけでも、あったかいと、Drファンクビートなど新曲は入る。デュエットでレン、MEIKO、ミクと絡むことが出来る。
モジュールも、V3はあるし、格好良い系のレクイエムさんがいて、今回日本曲の大江戸ジュリアナイトとあわせてパカくんもある。
15周年を前に昨年のマジミラで新モジュ実装されたので、15周年は新曲確定なのでは?それに大江戸は海外展開曲になるでしょう(実際EXPOで演奏された)
しかも実装されたのは制服モチーフです。つまり、日本モチーフ。
今年のマジミラと合わせての方向性です。

売れるからグッズも出る。本体ソフトの本数もMEIKOより出ている。
MEIKOさんの15周年をやると、14周年で既にKAITOくんも露出している。
(MEIKOの14周年はここまで無かった)

KAITOくんの15周年はMEIKOさんで足りなかった部分の要望を事前に出しておけば、企画段階なら汲んで貰えるかもしれない。
(MEIKOさんは先がけなのでどうしても足りない部分が出るし、企画公表され始まったあとではその足りない部分はもうどうにもならない)

これら全部、KAITOくんファンが支えてきたお陰なんだと思いますし、そうやって応援してきた方々のことを尊敬しています。

今回のツイートを良く見ると

個人的なことですが、動揺が拡がっていくのを見て少し悲しかったです。
ツイートのお写真、担当者めっちゃ頑張ってるんですよ。

背後見てみてください。KAITOとMEIKOのチラシをわざわざ用意(チラシスタンドも会議室に持って来たんじゃなかな)
MEIKOを先頭にした全員のポスター貼って、スタッフさんはKAITOパーカーで、ダヨさん達の椅子の色も、その前に置いた椅子の色も合わせて。

全部これ、ファンに喜んで欲しくてしてるのだと思います。
ちなみにこのKAITOパーカー来てるスタッフさん、去年のマジミラ特番でもKAITOパカ着ておりました。毎回身につけてくれています。
他のスタッフさんは、別にミクT着てるとかではないので、恐らく彼女自身がKAITOくんのファンでもあるのだと思います。

別に今回の告知、スタッフは出なくてもいいし、ダヨさんを無難な白壁の前に立たせてアップ写真でも良いんです。
でもわざわざ手間をかけた。雪祭り前で多忙なタイミングで。

ここからは私の想像でしかないんですけど。
恐らく去年のマジカルミライでKAITOファンがソロなくて辛い思いをしたのを、今年はちゃんとKAITOにも目を向けるからね、安心してね。
MEIKO15周年だけど、KAITOを軽んじないよ!というのを伝えたかったんだと思います。

それが伝わる形と順番で発信出来ているかはともかくとして
少なくとも、そう解釈は出来るんです。
だからなんだ!知らん!やだ!という気持ちも、わかります。
わかるんですけど、担当者、投稿して反応ワクワク見守ったんだろうなと思うと、やっぱりこの行き違いに悲しさも覚えます。

何をしても、努力しても、不信感1点に固執されるの、誰だってしんどくないですか。
悪い予想をして不安に押しつぶされるのファンもしんどくないですか。


クリプトン付き合いの特殊性

ボカロ文化において、公式(ここではクリプトンさん)との向き合い方は、特殊です。他のジャンルとは違う。
これはボカロ文化がファン主導でスタートし、それを公式が纏め、ある程度のルールを整備し、発展させたという過去からの、双方向性です。

今でもコンテンツの大半をファンが主導し、公式は公式にしか出来ないことをしていくという形です。
一方的に公式から供給されるジャンルに比べて、ファンと公式の距離がとても近い。

これは良い面もあれば、悪い面もあります。
ファンの創作が公式に取り上げられることも多い、参加型のコラボや企画もあり、担当者はマジカルミライなどイベントで直接見ることが出来る。
ただ距離が近いがゆえに、どうしても期待はしてしまうという面も大きいのです。

特にクリプトンは株式非公開のベンチャー企業です
いわゆる中小企業。通常ジャンルと同じように、企業だからこれくらいして当たり前!を求めると辛いです。
そして絶対視や神聖視するのもまた、期待が大きくなりすぎて辛い。

公式には絶対に不備があります。あのペースで仕事をしていて、全てに気が回るというはあり得ないのです。

不信感と負のループ

不安な気持ちから「どうせ」と思うことで、後からもし良い情報がきても、もう楽しめない。
イベントに出るかわからないから疑心暗鬼になることで、イベントのことを考えるとストレスで辛い。
過去のネットミームから馬鹿にされた。公式が過去にこんな酷いことをした。グッズ買い支えてるのに。ずっと応援してるのに。

わかります。わかるんですけども、その公式って本当に公式でしょうか
例えばDIVAはクリプトンではありません。あれはあくまでも、SEGAさんが出してるキャラですし、他のコラボやグッズもそうです。

グッズを買っていても、主に収益が入るのはそのグッズを出している企業です(クリプトンにはライセンス料が入るので無関係ではない)。
ファンや界隈にどんなに影響力が大きいものでも、発信企業ごとに区別して考えていかないと、矛先を間違えます。もちろん意見の伝え先も違います。

そして過去のことを繰り返し持ち出すことで、なるほどこのキャラクターは公式から冷遇されているんだなと新規が入りにくい悪循環です。
不信感を世代を超えて連鎖させていくの、将来が閉じていってしまうのです。

ファンに歴史あり

これも言われないと気がつかなかったと意見を貰ったので。
初音ミク文化はファンも歴史があります。長い人で15年。10年くらいの方も結構見かけます。

翻って、クリプトンさんはベンチャー企業であり、それなりに人の入れ替わりがあり、もちろん内部流動もあります。
つまり担当者よりもファンの方がキャラクターに接して長いことがあるのです。

これを担当者の立場から見ると、結構辛いものがあります。
考えてみてください。
ファンに入社前ことを根に持たれたり、持ち出される。
ごめんなさいしか言えません。入社前のことだったりしますのでどうしようも出来ないから、今から出来る限りを頑張る。

でも過去の積み重ねがあるから信用されない。担当権限で出来る範囲にも限りがある。予算も限りある中での分配式です。
学生さんで例えると、お前らの先輩が酷かったからそこの生徒は信用しないってことです。辛い。

お前の先祖が冷たかったからお前にも不信感って、あまりに辛くないですか。
逆に自分がいなかった頃のことを褒められたりして、前任者は凄かったんだなと誇りに思う機会もあるのでしょう。
それは救いにもなりますから、どちらを重視していくかです。

公式を知ることで見える視点

これ色んな方にお勧めしてるんですけど、クリプトンさんが許せない。やだやだ!という人ほど、求人情報系や紹介コラム見ると良いですよ。
これとかこれとか沢山あります

クリプトンさんに対して『企業として受け止める』のと別に、『人』の集まりであるという視点を持つと冷静になれます。
店員さんも人間
だというのと同じです。

新卒向けに社内を紹介していたり、お仕事のやりがいを語っていたり、ボカロ以外の事業部の話もあったり。
クリプトンさんは社内に部活あるだとか。ここの担当者は入社何年目だとか、そういう情報を知ることが出来ます。
(募集給与も知ることが出来ます)

正直、クリプトンさんは主に多忙なせいで、完璧な顧客対応からは遠い位置にいます。そういう企業です。
先に進む、とりあえずやってみる、挑戦する、長期目標があり邁進する。地方自治体振興に積極的に協力していく。
良い悪いはおいておいて、そういう企業です。
今後方針が大きく変わることはないでしょう。
ベンチャー企業なのでそれが出来るし、それでいい。
出資もしていない人間がそれに口を出す権利はありません。

だからそういう「ちっとも完璧でない相手」と付き合うのに、自分が赦せる理由、まぁでも仕方無いなと思える心理を自分に作るのです。

そういう意味でも、マジミラ特番でスタッフさんが顔出しして喋ってくれたのは嬉しかったです。
人が作っているものだ(しかも驚く程少人数で)というの、少しでも伝われば違うかもしれませんしね。

通常の企業とクリプトンの違い

大体SEGA(DIVA)とクリプトンの違いがわかりやすいです。
企業は従業員の生活があり経済活動なので、儲かる事業や製品に注力して、人も予算もつぎ込むのが普通です。
赤字部門は閉鎖しますし、見捨てます

採算が見込めなければ予算規模は縮小されていくのが当たり前なのです。

パン屋さんは売れるパンを作って、売れないパンは消えていきます。
それはどうしようもないことです。
パンの仕入れ費用、廃棄代、人件費、時間、そういったものを全部提供して初めて、売れないパンを作り続けてくれと言えます。
それですら売れるはずのパンの機会やスペースを奪っていることになるので難しいかもしれません。

クリプトンも採算だけを重視するなら、KAITOもMEIKOも出さなくて良いんです。何もせず沈黙して既存曲だけライブでやって、そっと存在を薄くしていけばいい。ファンの規模が違うというのはそういうことです。
でも、そうはしない。

特にあの会社は忙しい。人や時間を割きたいことはいくらでもある。
今年は輪を掛けてです。雪ミク、桜ミクは自治体がらみなので消えませんし、クールジャパンに絡んでのコラボ、オリンピックの年で諸々があり海外展開も多く、社長もですし、スタッフはどれだけの仕事を抱えているかわかりません。

そんな中で将来を見込んで、ファンに応える目的で、自社のキャラ全員を大切にしたいから、MEIKOの15周年をやってくれて。
そしてKAITOだけが取り残されないように心を砕いてくれている。

会社内だって、黒字が見込めないならやるべきではないという議論はあるでしょう。コラボ先の企業だって、売れる方に注力したい。
それでもやってくれることを、当たり前だと思いたくないんです。

ともかく楽しむ

何よりも大切なのは、ファン活動や推しを楽しむことです。
公式を許せないなら許せないでOK。
誰にだって譲れない一線はあります。許そうとする、理解しようとするほどストレスで苛々することもあります。

合わないなと思ったら、距離を置けば良いのです。
嫌なものを見続けて苦しくなる必要はなくて、あ、今回は合わない回避!回避回避~!で楽しんでる人は邪魔をしない。暴言は吐かない。

そうでないと、自分が楽しい時も「他の人が嫌がってるから」を理由に楽しめなくなってしまいます。
(自分だけの基準で世界の楽しんで良い、いけないを判断すべきだと思ってる人は流石にいないと思うので)

嫌なものは嫌でOK。
信じられないなら信じなくてもOK。
私だってモヤモヤする時も、悔しい時ももちろんあります。

その場合は、期待しない、距離をおく、楽しめるところだけするっと近寄って、推しと公式を見て憎まず、幸せになれる形を探しましょう。

感謝しなくても良い

クリプトンさんに感謝をする義務はありません。むしろ神聖視はしない方がいいし、またダメだなぁくらいに思えたら心が楽です。
でも相手に感謝せず事情を汲まないのであれば、相手も自分の事情や気持ちを汲んでくれるとは期待しない。

自分も配慮するから相手にも配慮して欲しいのか、自分は配慮しないから相手にも配慮を求めないのか。どちらかです。

無意識でしょうが、クリプトンさんをお母さんみたいに見てる人がいます。推しを生み出した親だからというのもあるのでしょうが、公式は全ての願いを叶えることはありません。ファン全員には寄り添えない。
全許容はどうしたって出来ないんです。

その中で相手が寄り添いたいと思う層はどこなのか。
企業としてはお金になる層。もしくは将来買い支えてくれる層。
じゃあ中の人が採算を度外視した時に、なるべく応えたいなと思うファンはどこなのか。

文句を言えば叶えてくれる、暴言を吐けば思い通りになる相手だと、私は思わないし、公式をそう扱いたくはないのです。
ヒートアップしそうな時、立ち止まって考えてみて欲しいです。
好きからスタートした気持ちですからねヽ(´▽`)/

文句を言い続けるメリット

そもそも自分は何故不満があるんでしょう。どこが嫌ですか?どうなって欲しい。それを考えたことはありますか。
パッと言葉に出来るくらい、自分の中で明確でしょうか。

推しを中心に置いて欲しい。もっと大規模に取り扱って欲しい。
だとしたら、それは消費者の数を増やす、ファンの母数を増やすしかありません。だからその為に動いた方がいい。
どんなに好きでも需要がなければ、展開は厳しい。
赤字展開をしろというのは、無償奉仕しろと言っているのと同じです。

コンビニで友達と珈琲を頻繁に買っていても、新珈琲出せという権利はないし、落としている金額に対して新商品を展開するコストは大きすぎる。

でもこれが個人商店なら、お得意さんがいるから珈琲は残そう。新しく出せば他の人も買ってくれるかな、となるかもしれない。
そこで文句だけを言い続けるのは、珈琲を無くそうとしてるようなものです。

褒められず、信用されず、認められず、過去のことを持ち出され、出来る範囲をしてもダメ。時に強い言葉で叱責される。
そういう状態でモチベーションが続くでしょうか。

残念ながら、やることに文句をいい続けるメリットは何もないのです。
その瞬間の心は救われるでしょうが、将来同じ思いをする可能性を広げて行くことになります。

もちろん不満点は伝えないと伝わらない。
だから直接、言葉を選んで、褒め言葉と一緒に伝えたいのです。

公平について

他キャラと公平にして欲しいというのとてもわかります。
ただ、どの視点から見ての公平でしょう
ファン数に対して?売り上げに対して?ファンアートの数に対して?
多数決をして、やって欲しい人数が多い方から並べたら、曲もグッズもイベントも全部ミクさんになるかもしれません。

その方がファンに対して公平ですよね。でもそうしたいわけじゃない。

それぞれ経済規模が違う存在を公平にというのは、棚に並ぶ全製品に同量の仕入れを強制しているようなものです。
残念ながらそれは出来ない。本当に口惜しいですけど無理です。

背の違うキャラクターを完全に同じ高さに並べるというのは、調整用の台を用意することなのです。
クリプトンさんは、出来る範囲でそれをなるべくしようとしてくれている。その原資は他キャラクターの売り上げがあるから出来ることです。

もっといえば、クリプトンさんのボカロ以外の事業売上のおかげでもあります。(クリプトンさんはボカロ事業だけをやっているわけではありません)

セット扱いの意味

推しを単体で欲しい!!というのはわかります。
私も欲しい。全員単体で欲しい。
ただKAITOとMEIKOがセットで出るしかない事情、わかってる人も多いとは思うんですよ。

慈善事業で会社は継続出来ないですし、単体で予算組めないのでしょうし。ただ今年特にMEIKOとセットにするのは、KAITOだけ取り残したくないのが大きいんじゃないでしょうか。

等身大立像のクラウドファンディング、あれ1体200万くらいと言われています。複雑だと300万くらいかもしれません。
輸送費や保管場所だってタダではありません。
当然、費用対効果を求められます。その後の集客や話題に使えるか、広告費として処理できるだけの効果があるか。

その関係で予算が取れないけど作ってあげたい。マジミラ協賛企業がそこに予算割くのに、良い顔をしなかった可能性もあります。
それでクラウドファンディングにしたんじゃないでしょうか。

クラファンでも、もう作ってる過程なんですよ。でないとマジミラまでに完成間に合わないですし、話は進めている。
描き下ろしも金銭が発生しています。打ち合わせには時間が割かれている。

でもMEIKOだけを企画して万が一お金が集まらなかったら、来年のKAITOはクラウドファンディングでも企画は通らないでしょう。
だからセットにすることで、絶対に作ることにした。

差別だ→営利企業なので仕方無い。効果が見込めない200万を無償で出せというのは上を説得出来ない。
クラウドファンディング→集まれば具体的な数字が出せるので次回から他の企画をしやすくなる。社内、社外的にも説得がしやすい。
セットにした→万が一でもKAITOを作れなくなる可能性を潰した。

こういう風にも解釈出来ます。今後の為の布石でもあるのだと。
全部を悪意や差別、推しが貶められていると受け止める必要はないです。
内情はけしてわからない、それなら好意的に受け止めた方が楽です。

14周年なのに色々して貰えるKAITOくん、とても羨ましいですし、いいなぁって思います。


最後に

長々と書きましたが、これは私の意見で解釈です。
私は好きなものを好きでいたくて、憎んだり苦しんでいると好きでいられないので、なるべく好意的な見方をしています。

全員がそうでなくても良いですし、好きだからこそ苦しんでいたい方もいて良いのです。
ただ楽に過ごしたいなら、自分が求める目標を具体化して、どう行動したらそうなっていくのかを考えてみても良いかもしれません。

推しはいつ無くなるかわからないものです
何度もいいますが、クリプトンさんは特殊で、ベンチャーで。中小企業で。
だからこそ他の営利企業と違って、長期目線でファンに向き合おうとしてくれています。
あり得ないですが利益重視の他社がクリプトンを買収したり、内部が採算目的で会社を運営するようになったり、ファンが何をしても喜んでくれないからもういいやと思われたら、それだけで今の環境は終わります。

だからこそ、私は今ある推しを楽しみたいですし、感謝も伝えていきたい。

『見ていて苦しいです。なんでそんな風に考えられるんですか?』と聞かれた方に、少しでも答えになっていたら良いのですが。

相手が変わらないなら、変えたいと思うように働きかける。
自分の受け止め方を変えていく。
無理はしない。辛いなら離れる。
推しと一緒に自分も成長して行きたいのです。

おわり。



紅茶代、最近ハマりだしたコーヒー代、あとはカカオティ代になります。 大体お茶です。誘惑に負けるとお茶菓子になります。