Character Media アンバー インタビュー全文和訳

2019年12月16日にCharacter Mediaで公開されたアンバーさんのインタビュー記事を和訳しました。意訳したり、日本語で意味が通りやすくなるように多少付け足したりしています。

↑元記事こちら


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「もしもし」「こんにちは」「聞こえますか?」電話回線を通じて、息をつく間もなく響いてくる。タイムラグのせいで、どちらが先に話し始めたのか判別するのが困難だったが、そんな慌ただしい始まりの中でも、アンバー・リウは「インタビューしてくださってありがとうございます!」と明るく言った。アンバーは自分が疲れていると認めたが、彼女の声は意気込みに満ちて、電話越しに鳴り響いていた。

アンバーは台湾系だが、今日ではK-POPを代表する人物の一人である。ロサンゼルスで生まれ育ったアンバーは、15歳で韓国の芸能事務所、SMエンターテインメントの練習生としてキャスティングされ、アーティスト、パフォーマーになる夢を追うために、韓国への長い道のりを旅した。2009年にガールズグループf(x)のラッパーとしてデビューし、早々に世界的な名声を手にしたが、それだけでなくほんの数年前、彼女はソロアーティストとして最初のシングルとEPをリリースした。そのため今年、彼女がSMを去り、ロサンゼルスを拠点とするスチールウールエンターテインメントに移籍するという報道があった時も、ファンの多くは驚かなかった。

それから数か月経った今、アンバーは2020年に予定されているUSツアー”X”に向けて準備を進めており、また同じく”X”と名付けられた、6曲から成るEPの制作にも取り組んでいる。様々なプロジェクトを進める中で経験したことについて話すとき、彼女は感謝の気持ちを露にした。「チームのメンバーは、私がすること全てにすごく協力してくれます」アンバーは言った。「技量があるだけでなく、気持ちの面でも本当によくサポートしてくれる人たちです。だからこそより良いものを作ることができるんです」

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アンバーは創作活動の初心者ではない。彼女はf(x)としてデビューした時から、歌手やソングライター、プロデューサーや監督としても、様々な才能を発揮してきた。
アンバーは先日、新しいEPのために自ら作曲した曲「Other People」の制作にあたって、それらのスキル全ての腕試しをした。破局した相手の気を引くために、向こう見ずなことばかりしてしまうきっかけとなった、激動の別れについて描いた曲だと彼女は語った。
「自分を悲しませ、ひどく傷つけた人の好意と感謝を得るために躍起になっていることについて気づいてほしいです」アンバーは重々しい声で言った。「私自身、柄にもないようなことばかりしていた時があります。『別れ』は人それぞれです、なので皆さんには、各々の境遇にもとづいて、思い思いにこのミュージックビデオを解釈してほしいです」
アンバーが監督、プロデュースしたこの曲のミュージックビデオは、世界中のファンと視聴者からのたくさんの注目を集めた——その多くが、アンバーと、彼女の友達である俳優のマイク・ボウとの激しいキスシーンに驚きの声を上げたが、それよりもっとたくさんの人々が、彼女の音楽性とイメージにおける新たな方向性への支持を示した。
f(x)としてのアンバーの過去の活動と比較して、新しいミュージックビデオはダークで官能的であり、また彼女が愛するファンのため、アーティストとしてだけでなく、一人の人間としてのアンバー自身の姿により近いものを描いている。

R&Bミュージシャンのジャスティン・パークは、アンバーの古くからの友達かつ彼女の自称「弟」として、彼女のこの新しい、より真剣な一面についても、他と部分と同様に認めている。
「アンバーが監督の仕事をする時、まあなんてこった、すごく怖いんです(笑)」彼は言った。「アンバーは本当に怖い。彼女はすごく集中力があって、自分がやりたいことが何なのかよく分かっています」

アンバーの集中力と積極性は、彼女の芸術性と物事に取り組む姿勢の、あらゆる側面に滲み出ている。困難をチャンスに変え、人々を勇気づけるために、彼女は先日インスタグラムで、「#OtherPeopleChallange」と名付けた運動を起こした。人々に、自分の人生に喜びと生きがいをもたらしてくれるような何かを1日1回することを勧める運動である。これは彼女のフォロワー達に、他人のためではなく、自分のための人生を生きることを促すための呼びかけだ。アンバーは、自分自身のSNSでのあり方を通して、その手本を見せた。彼女はSNS上の自分のプラットフォームに感謝しているし、恵まれているとも語ったが、時としてそれが重荷に感じられることもあるようだ。「何もかも全部シェアしなくちゃいけないんだと思っていました。でも、なにも人生のすべての瞬間を公開する必要なんてなくて——自分がシェアしたいものだけでいいんだ、とわかり始めました」彼女もまた、人のためでなく、自分自身のために生きようとしているのである。

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そのためにアンバーは必ず、自分を支えてくれる人たちの中に身を置くようにした。彼女は新しいチームを、固い絆で結ばれた家族のようだと表現する。たとえマネージャーのことを、愛情をこめて「偽のお父さん」と呼んでいてもだ。そんな家族に支えられ、彼女はより良いアーティストになるために邁進している。「自分に自信を持つこと、自らを受け入れることを学んでいます」アンバーは言った。「前よりもリラックスしていて、舞台の上では隙だらけになっていたりもしますが、自分自身の神経質な部分や恐れも持っています。私は本当に、ただ自分のベストを尽くそうとしているだけです。それがどんな出来栄えになっているのか私にはまだわかりませんが、うまくはいっています。なんだか変わったような気持ちです」

ツアー”X”に参加予定のジャスティンは、彼が18歳の時、自らの人気YouTubeブログ「What the Pineapple」への出演を依頼するために彼のレコーディングスタジオを訪れた時から彼女を知っている。「彼女を形容する言葉を一つ選ぶとしたら、『粘り強さ』です」彼は言った。「アンバーにはいつもフレンドリーなオーラがあって、うまく言葉で説明できないエネルギーを持っています。ほんの少ししか寝ていない時でさえ、彼女にはそんなエネルギーがあります」アンバーの根気強さは、彼女の仕事に対する姿勢によく表れていて、それは周りにも伝染するようだ。ジャスティンは2018年に、デビューアルバム「Places Like Home」をリリースしたが、既に次のリリースに向けた取り組みを始めている。「一日中考えています。『僕に何ができるだろう』って」ジャスティンは言った。「『何が足りないんだろうか、どうやったらもっとよくできるだろうか』。全部アンバーのせいです(笑)」

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アンバー、ジャスティン、そして姉妹デュオのメグ・フランプトンとディア・フランプトンは、”X”を通じて20以上の都市を訪れる予定であり、K-POPアーティストが北アメリカで行ったツアーの中でも最長のものになるだろう。ツアーの前にはEPの6曲全てが、それぞれのミュージックビデオとともに公開される。多くのアーティストにとって、全ての曲のミュージックビデオを作るのはハードな仕事であるようだが、これを実際に提案したのはアンバーである。「『アンバー、本当に6つミュージックビデオを作るつもりか。2つだけじゃだめなのか』。マネージャーたちはこんな感じでした」アンバーは笑いながら話した。「嫌だって言いました。私は6つやる、6つやりたいんだって。彼らはまるでお父さんみたいに『わかったよ、でも痛い目にあうぞ。めちゃくちゃ疲れるぞ』と言っていましたけど、最初から最後までずっとサポートしてくれました」

しかし、アンバーが自分の楽曲を視覚的に表現しようとする、その粘り強さには理由がある。アーティストとして彼女は絶えず、自分が伝えたいメッセージについて考えている。また、ジャスティン、そして彼女の全てのSNS上のプラットフォームに存在する1000万人近いフォロワー達のロールモデルとして、周りの人々の助けになれるよう意識している。「何かを伝えたいんです」と、アンバーは言う。「ただ聴くだけの音楽とか、ただ見るだけのミュージックビデオだとか、そう思ってほしくない。私が音楽を聴いて慰められるのと同じように、私の音楽もまた誰かにとってそんな存在になれればと、ただ願っています。もし私の音楽が誰かを救うことができれば、その人の慰めの過程の一部になれたことを、私は本当に嬉しく光栄に思います」






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