ゲームデザイナー目線から考えるモチベーション設計
モチベーション設計について、ゲームをやる側の視点で書かれたものは見受けますが、作った側の視点で書かれたものはあまりないですよね。
今日はデザイナーさんの視点で考えたときに、どういったことが物事を続けるきっかけになるかについて語っていきます。
参考にしたのはこの本です。
この本は実在のゲームを例に、なぜ人はついついゲームを辞めずにつづけてしまうのか、その仕組みを作り手側の視点で説明してくれています。
デザイナー側が、これでもか、というぐらい仕掛けをゲーム内に張り巡らせているのがよく分かる1冊です。
1.難易度の低いものを連続で用意する
人は、難易度のかなり低いタスクは無意識に解いてしまう習性があるようです。
それが続いていると、楽しく続けられるようです。
確かにゲームも説明書はあったりしますが、一つひとつの操作を詳しく解説はしていないですよね。
ゲームではユーザーのモチベーションを喚起するため、美しさよりも一目で見て分かるデザインを優先して採用しているそうです。
2.敢えて裏切りを設ける
難易度の低いものが続くと、しばらくは楽しく続けられものの飽きが来てしまいます。
そこで必要なのが「裏切り」です。
予定調和の作業を続けてきたところで、今まで見せていなかった前提を見せ、「アレ!?」と感じさせることです。
ゲームでも急に武器が無効になったり、ルールがあるとき突然変わったりすること、ありますよね。
仕事なら例えば、作り手視点で作業を進めてきたところに「ユーザーのことを考えたらこうしてあげた方がいいよね?」と、新しく視野を広げさせることもこれに当てはまるかと思います。
3.当事者意識を産む
楽しく取り組んでいても、それが他人事では本腰にはなれません。
そこで、共通の「敵」を認識させます。
このとき重要なのは、特定の誰かを敵視しないこと。
社会課題であったり、構造であったりと、解決すべき対象に目を向けて関わるメンバーが視点を揃えるようにすることが大切です。
これにより、気持ちのベクトルが揃い、当事者意識を産むことができるようになります。
セルフマネジメントに活かすには?
1.-3.でポイントを説明しましたが、これはセルフマネジメントに活かすこともできます。
1.難易度の低いものを連続で用意する
なら、いきなり難易度の高いものに取り組もうとすると心が折れやすいですので(最初は大丈夫でも)、とにかくハードルを下げることです。
2.敢えて裏切りを設ける
なら、取り組む最初は1つのポイントに絞り、敢えて他のポイントは全て捨てることです。
1つのポイントができて飽きそうになったら、他のポイントに目を向け、新しい発見をしていくのが良いでしょう。
3.当事者意識を産む
なら、自分が取り組んでいる作業を必要としている人のことを考えます。
このとき、その人との距離が遠かったり、あるいは考えが受け入れられなかったりで、なかなか共感ができないことがあると思います。
そういった場合は一旦メタ視点に立ち、作業を阻む「認知の歪み」等に問題があると考え、取り組んでいくと良いでしょう。
このように、セルフマネジメントに活かすことも可能です。
以上、デザイナー目線でのモチベーション設計について解説しました。
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文: よしだ
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