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書評_メロスはなぜ走り抜けたのか_︎大人になったからわかること__走れメロス

【書評】メロスはなぜ走り抜けたのか⁉︎大人になったからわかること。『走れメロス』
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太宰治による友情を描いた短編小説。サクッと小説を読みたい時にオススメな一冊。

話の内容もわかりやすい。

王様に逆らい捕らわれたメロス。妹の結婚式の為に、友人を身代わりにするから外に出して欲しいとお願いする。

王様は3日目の日没までに帰って来なければ、友人を死刑にする条件で解放する。メロスは友人に必ず戻ってくると約束をする。

結婚式を見届けた後に、メロスは友の下へ走る。道中に起こる困難を乗り越え、友人との約束を守るのだった。


子供の頃に読んだ感想は、友達の約束を守るのって大事やな。それくらいの感想しかなかった。

今読み返すと子供の頃には気づかなかった発見がある。それはメロスの心の描写に深く共感できること。

疲れ果てたメロスは、自らに問いかける。自分は精一杯に努めてきた。友を欺くつもりはなかった。もう約束なんてどうでもいい。

しかし、偶然みつけた泉の水を飲み正気に返る。そしてまた力強く走り始めるのでした。もっと恐しく大きなものの為に。


弱気になり自己弁護をしてしまう気持ち、また何かのきっかけで力強く踏み出していく様子に共感できる。

メロスの言葉が染みてくるこの感覚を味わって欲しい。何かに行き詰まった時にサクッと読んでみるのもオススメ。



走れメロス (新潮文庫)
作者: 太宰治
発売日: 2005/02
メディア: 文庫

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