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【伊藤和子・AV制作会社社長名誉棄損事件】

 伊藤和子氏は人権団体を称するNGO「HumanRightsNow」事務局長をつとめる弁護士であり、【AV出演強要問題】などで名前を売っている人物。
 その伊藤氏が2018年1月にしたツイートの件で提訴された損害賠償請求事件である。
「伊藤和子弁護士の裁判を応援する会」なるものも結成されたりしたが一審・控訴審とも伊藤氏の敗訴。損害賠償金は一審で5万円から控訴審では20万円に膨れ上がり、最終的に2021年5月11日、伊藤氏の上告が棄却され裁判決着となった。

 元ツイートはこれである。

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 これは同日に報道された、AV制作会社「ビエント」社長の中野斉氏とAVプロダクション「ディクレア」従業員2名が、【淫行勧誘罪】という聞きなれない罪名で逮捕されたニュースを受けてのものである。

第百八十二条(淫行勧誘)
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦かん淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

刑法

 この3名が逮捕されたことでフェミニスト達は沸き立ったものの、不起訴。
 自由の身となったビエント社長が一転、自らを「鬼畜」呼ばわりした伊藤弁護士を名誉棄損で訴えたもの。

 伊藤氏の反論は「鬼畜というのは原告を指したものではなく一般論だ」という、いかにも苦しいものであった(そもそも特定の人ではなくAV制作会社の従業員一般をして鬼畜呼ばわりしたのであればかえって差別発言そのものである)。
 第一審の東京地裁は伊藤氏の弁解を受け入れず、鬼畜とは原告を指す言葉と読めると認め、最後までこの認定は覆らなかった。

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 そもそも中野氏らは強要で逮捕されたわけではない。淫行勧誘罪の要件に「強要」の要素はなく、淫行勧誘罪では仮に冤罪で無かったとしてもイコール強要にはならない。
 つまり強要などという要素は逮捕を報じる元々のニュースにさえ影も形もなく、伊藤和子氏が勝手に加えた捏造に過ぎないのである。
 しかもその冤罪の被疑者に過ぎない人たちを「嫌がる女性たちに出演強要し、顔や体、最も知られたくない屈辱的なことを晒されて拡散しズタズタに傷つけ、自分たちは陰に隠れて巨額の利益を得る」「鬼畜のような人たち」と口を極めて罵ったわけである。

 伊藤和子氏は弁護士であり、中学校の公民でも習う「推定無罪」の原則を最も心得ているべき法曹の人間である。
 もしも「だってニュースで逮捕されたっていうからぁ~、てっきり犯人だと信じましたぁ~」などと言ったら、その時点で弁護士失格と言い切って良い。

 だからこそ「原告のことを言ったのではない」という苦しい言い訳しかできなかったのだろうが、もちろんこの言い分が裁判所で通ることはなかった。

 ところで伊藤弁護士はこのようなツイートもしている。

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 何が「ひどい」のかというと、この元ツイートのリンク先は【卍GROUP】製作による、フェミニスト女性とセックスする設定の企画物AVである。
 エロ本排撃を唱えわめきちらすフェミニストおばさんに出したお茶に媚薬を混ぜ、色情に狂ったおばさんと行為に及ぶという内容だ。
 それが「声をあげている女性に対する侮辱」なのだという。

 伊藤氏は自分のツイートを「原告のことを直接指してない、だから構わない」と主張した。だがそれなら卍GROUPのAVだって実在の誰をも直接指していないはずである。
 なのに自分のツイートはOKで、AVは「ひどい」「侮辱」なのだろうか。
 それはあまりに都合がよすぎるというものだろう。

参考リンク・資料:

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