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2021年5月の記事一覧

うらにわにびわ、たわわにみのり。

うらにわにびわ、たわわにみのり。

たわわに実った裏庭の枇杷

去年は完熟狙ってからすの餌食

一気にほとんど食べ尽くされて

涙ながらに食べくず掃除

踏まえて今年は早めの収穫

ちらほら青い実も混じるけど

この際仕方あるまいと自己弁護

もぎたてをひとつふたつ摘めば

美味、絶品!

どこぞのフルーツパーラーの

高級品とはまではいかないが

したたる果汁 甘やかな果肉は

商売品にも負けない美味さ

枝打ち以外はほとんど世話

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雨の森に

雨の森に

今日は雨が降っています。

風が強い日の雨は心をざわつかせるけれど

今日の雨はなんとも穏やかで

雨垂れの音が微睡みを誘います。

こんなお天気の日でも

もの憂げに感じないのは

気持ちが落ち着いているからでしょうか。

そういえばもう何日も

羊を数える間も無く深い眠りに落ちています。

いろんなことに区切りをつけて

多少無理矢理にでも行動し

最後は導かれるようにして

ここに来れてよか

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戦いの日々

戦いの日々

夏野菜たちの植え付けが一段落

葉物野菜の収穫とともに

地道に続く育成作業の日々の中

展開される陸空2つの防衛戦

ひとつは蔓延る野の草との地上戦

むしってもむしってもあっという間に成長し

際限なく生えてくる

まるでここは俺たちの土地だといいたげに

もうひとつは葉茎を喰らう虫との空中戦

目下の敵はウリハムシとカメムシ

そっと近づき捕殺を狙うが

敵もさる者も羽根を持つ者

気配を感

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走り梅雨

走り梅雨

あまりにも早い走り梅雨に降り込められて家の中

気になるのは畑の様子 やりかけのあれやこれや

植え付けたばかりの苗 適期を迎えた青菜たち

窓を叩く横殴りの雨 轟々と鳴る森の樹々

強い風を受け流して太い幹までもが右に左に大きくしなる

耐えかねたのか枝葉がひとかたまりドサリと落ちてくる

恵みの雨も晴耕雨読も程度の問題

まだまだ五月だ梅雨には早い

今少し皐月の澄んだ青空を

我がはらからに

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言葉の在処ー5月の星々ー

言葉の在処ー5月の星々ー

彼は本を借りに来なくなった。

気むずかしそうな顔をして

詩集や哲学や宗教の分厚い本ばかり

毎週借りに来てたのに。

ある日、森に向かう道でばったり。

来なくなった理由を尋ねたら、彼は答えた。

「探していた言葉は、本の中じゃなく、森の中にあったんです」

一本の木の苗を大切そうに抱え、満面の笑みで。

夏本番への予行演習

夏本番への予行演習

去年の秋、森の古屋に住むことになった時

夏にはこいつをそばに置こうと決めていた

日本の家屋もだんだん機密性が良くなって

殺虫剤の性能もあれこれいろいろ進化して

無臭や微香や無煙が好まれるようになって

久しくこいつを見かけていなかったけれど

この古家にしっくり来るのはこいつだろう

暑かった今日も暮れて、

畑終わりのひとっ風呂そして冷えたビール

大好きな森に続くガラス戸を全開にしたら

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春の夜の侵入者

春の夜の侵入者

湯船にお湯を張ろうとしたら

ステンレスの浴槽に大きな百足

一体どこから侵入したのか

六寸ほどある立派な躯体

驚いたのはおたがいさまで

登れぬ壁面に四苦八苦

行き場を失い右往左往

森の古家に住むということは

こんなことにも慣れること

慌てず騒がず軍手をはめて

そっと掴んで窓から放る

あくまでこちらが新参者

したてにそして丁寧に

ついでにひとつお願いです

お互いびっくりしま

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ゴージャスな収穫祭

ゴージャスな収穫祭

ゴールデンなウィークだということで

ちょっとゴージャスな若菜の収穫祭

順調に育った小蕪、小松菜、ほうれん草

ここまでこればそれぞれの個性がくっきり

素材の味を楽しみながらいただきます。

ワインもステーキも生ハムも

今宵は脇役に追いやって。

ああ、うまし。

幸せ。感謝。

そしてもう一杯。

くじら雲

くじら雲

新しいクルマのCMソングの軽快なリズム

「連れてって どこまでも」とリフレイン

強い風が木々をひらりと大きく揺らして

緑の葉陰に世界がさらりと見え隠れする

わずかな隙間がさあっと広がった瞬間

突然現れたくじら雲 ふわりと浮かんで

五月の澄み渡った空を悠然と泳いでいく

流れる曲が風のように心地よく響いてる

どこにいたの どこにいくの

連れてって どこまでも

森の黒子・クロジ

森の黒子・クロジ

森の入り口に開店した小鳥のレストランは

連日たくさんの小鳥たちが訪れて

品切れ続出の人気ぶり

この度新しいお客さまが仲間入りされました

スズメ目スズメ亜目ホオジロ科ホオジロ属の

クロジくん(多分オス)です

グーグル先生によれば

警戒心が大変強く、薄暗い場所にお住まいで

なかなか出会うことのない鳥のようです

マナーのなってないスズメたちが食い散らかして

餌台の周りに落ちている雑穀

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