レポート;牡羊座の作家−−アンデルセン

「ハクチョウのたまごからかえったのだったら、、たとえアヒルの巣から生まれたにしても、そんなことがなんでしょう!」H・C・アンデルセン、『みにくいアヒルの子』より

占星術の12サインで、一番目は牡羊座である。春分点はここに置かれ、春の始まりを意味する。エレメントは火、クオリティは活動。ルーラーは火星。性別は男性星座。

牡羊座の特徴として「主観的、情熱的、勢い、リーダーシップ、パワフル」という単語がよく用いられる。一般的に明るくて熱く、時に自己中心的で喧嘩っぱやくて乱暴な面もある…とされる。

が、筆者はこの説明にしっくり来た試しがない。牡羊座の人で穏やかな人や喧嘩が苦手な人もたくさんいるし、大人しくて内気で暗い性格の人もけっこういる。主観的だから気にしないというのは、しっくりこない。

筆者としては牡羊座の特徴は「素直でストレート」と表されるのだと思う。暗くて内気でも、それを恥じたり、隠したり、直そうとしたりはあまりしないような感じがする。それを指摘しても「自分は実際こういう性格なのだから、なぜそれを直さなければならないのか?」と逆に言われる気がする。自我が強い、と言ってもいい。他人とぶつかることがあるのは自分が間違ってると思っていないからではないか。

牡羊座の特徴がとてもわかりやすい作家の例として、デンマークの童話作家であるアンデルセンについて考えてみる。

ハンス・クリスチャン・アンデルセンは1805年にデンマークのオーデンセに生まれた。(ちなみに、この名字は英語では「アンダーソン」に相当する、日本の小林並みにありふれたものなので、童話作家の、など付けなければデンマークでは通じないので注意)

正式な出生時間は1805/4/2  1:00    太陽牡羊座の牡牛座の月です。

彼は貧しい靴屋の子供として生まれたが、もちろん一生を地方都市の靴屋で終わらせる気はなかった。父親を早くに亡くし、お母さんっ子で恥ずかしがり屋と同時に目立ちたがり屋だったアンデルセンは14歳で単身首都のコペンハーゲンへと旅立つ。声に自信のあった彼は役者になるため、最愛の母親を置いて。

慣れ親しんだ土地を離れて、自分自身の力を試すために、広い世界へと出て行くというのは、まさに牡羊座の性質である「自我の強さ」であると思う。ホロスコープを出してみればすぐわかるが、牡羊座で太陽と水星がかなりタイトに合している。自分の力を試したい、広い世界を見たいという好奇心の強さがよく表れている。(他の星の影響もあるけれど)

冒頭に示したセリフは代表作である『みにくいアヒルの子』のラスト近くのものだが、生まれや境遇がどうあれ、自分自身は別物、という牡羊座らしい姿勢が見られる。筆者としては少し傲慢にも思えるけれど、そこもまた牡羊座らしいなあと思うのである。

ところで、役者を目指して一人で都会に出てきたアンデルセンだったが、数年後に声変わりして、あっさりと夢破れてしまう。そういう後先を考えていないあたりも牡羊座らしい。

今回はアンデルセンの牡羊座らしい面を考察したけれど、他の要素も強いので、また今度改めて考察したいと思う。

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ちなみに、個別の話としては、『人魚姫』『みにくいアヒルの子』『もみの木』『ちょう』『父さんのすることに間違いはない』辺りは人間性がよく出ていて大変おもしろいと筆者は思っている。ホロスコープと合わせて見ると、どういう人かがよくわかる。

2020/04/14改定


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