親友との別れ


数年ぶりに、地元の友達と数日間共に過ごした。

田舎の小学校、中学校に通う中で唯一気が合う人で、それぞれ校内での境遇も似ていて、よく二人で取り巻く環境や人の文句を話し合った。
私にとっては、私の価値観をさらけ出すことができる、たった一人の親友だった。

だけれど、彼女は変わった。
いや、私が変わったのだろうか。

「良くない」と思うことの価値観が合わない。
付き合う友達のタイプが私と真反対。
向上心がない。昔はあんなに燃えてたのに。

私は、中学校のときの情熱を持ったまま、県内の進学校に進み、切磋琢磨する高校3年間を過ごした。

彼女は最初目指した高校が肌に合わずに退学し、地元の高校に編入した。

我々が精神的にも別れ道を歩き出し始めたのは、その頃なのだろうか。

彼女のことが友人として好きだった。
面白いと思うことが同じで、嫌なことの価値観も同じで、どれだけ話しても話題が尽きなかったのに。今では何を話せばお互い気持ちよく話せるのか分からない。苦し紛れの話題をふっても、彼女の今の友達と話すことのほうが楽しいんだろうなと思うと、辛くなる。

重ねて来た思い出が多いから、彼女を嫌いになれない。だけれど、今は、彼女のやる気のない感じ、失礼なことへの妥協を許容することができない。関係を切ることも、状況的に厳しい。

相反する気持ちを抱えながら、私は彼女をどう受け止めるべきなのだろうか。私のつまらない思い出話ももうすぐ尽きる。地元にいない私は、新しい共通の話題がない。私はかつての親友を、「気まずい人」と認識し、当たり障りない会話を展開しなければいけない。

私がよそ者になったのが悪かったのだろうか。

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