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新潟ビルドアップ対策のセオリー:2021 J2 第14節 FC町田ゼルビア×アルビレックス新潟

新潟の無敗記録が止まった。

べ、別に気にしてないし!川崎みたいに圧倒的な強さを持っているなんて思ってないし!アルベルト監督は大都市に負けたくないっていう気持ちを前面に出してるし!ゴメスのニア上弾丸シュート超凄かったし!

さて、町田と言えば4-4-2というくらいに伝統の4-4-2だし、Jリーグ公式サイトの予想フォーメーションも4-4-2だった。

当然ワタクシも4-4-2を予想して、高がボールを出し入れしながら町田の前線2人の脇をスルスルと上がるマイケルの姿が見える... 見えるゾっ!と思っていたら町田は松本と同じく前線3人で対応してくるという新潟シフト。

結果としてこれが当たった。10分でフワフワ2失点しなければ拮抗した試合だったもんね!というのは負け惜しみにかならないので言わない。言わない... 言わ... ない...

雑に書くと下の絵みたいな感じ。実質5対3の数的不利でも大事に至らないやり方で松本も同じことをやっていた。とにかく高と島田にボールは絶対入れさせず前を向かせず、かつボールが新潟の右サイドに流れるようにプレスを掛ける。

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実際には町田のライン間はもっと圧縮されているし、中盤3人の距離もコンパクトかつ横に美しくスライドする。

もうね、新潟のビルドアップ対策はこれ!これを徹底できれば絶対合格間違いなし!という雰囲気が漂うくらいな新潟対策。新潟のビルドアップに対して前線を3人にするというのは今のところセオリーと言っても良いのではないだろうか。

前線を3人にする方法はチームの基本フォーメーションなんかで変わってくると思うが、町田がやってきたのは4-4-2のサイドハーフのどちらかを1列上げるという方式。欠けたサイドは中盤がスライドして埋めたり、そもそも空けたスペースにボールを入れさせないプレスの掛け方で対応する。

上の絵だとフォワードの長谷川アーリアが右にスライドして左サイドハーフ28番の太田が前線に上がっているが、ボールがどちらサイドにあるかで太田(28番)が上がるか吉尾(14番)が上がるか変わってくる。それに応じて長谷川アーリアと中島が右にスライドしたり左にスライドしたりする。

こうなると新潟はサイドにボールを散らすしかなくなるのだが、サイドにボールを散らそうとすると必然的にボールの距離が長くなるので、ボールの終着点を狩場に設定する町田。町田が意識していたかどうかは知らないけれど、盤面上は中盤の3人でレーンを埋めればハーフスペース受けへの対策もできる。高木にボールが入ったとしても中盤3人で網に掛けることができる。

現状、これが最も合理的な新潟ビルドアップ対策だと思う。至恩対策はまた別の話だけど、どのチームもあれこれ考えて実行しているが、基本的には「新潟の左サイドにボールを置かない置かせない」になる。スタッツで確認する限り町田戦も松本戦も新潟前半は左サイドのプレーが2〜3割で、右サイドでのプレーが5割とか6割になっているし町田選手のコメントとか。アーッ!

新潟ビルドアップ対策崩しを考える

ここまで攻略されることのなかった新潟のビルドアップだが、2試合連続同じやり方で攻略されたとあっては今後対戦するチームにもボコボコにされかねない俺たちの新潟である。そんなのは絶対イヤなのでアルベルト監督も次の手を考えるに決まっているが、素人なりに新潟対策の対策を考えてみる。

まず思いつくのは前線3人の間に高と島田に置いてボールの供給先を増やすパターン。

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これはジェフ戦や松本戦でやっていたが、ボールを出し入れ出来るようになるものの、出し入れするだけで終わってしまい前を向くことができない。前を向けない以上、人数を割いているだけ無駄じゃね?感が強い。

素人感覚ではボール受ける時に鮮やかにターンできるんじゃないの?とか思ったりもするが、実行できないということはプロレベルの守備相手にはなかなか難しいのかもしれないし、ターンしようとしてウッカリ守備に引っ掛かったらゴール前で大ピンチである。もしかしたら福田がこういうプレイをできるのかもしれない。

次に思いつくのは島田を最終ラインに落として4対3の状況を作る形。いわゆるサリーダと呼ばれるもの。連動して藤原が中に入ってくれば効果的だろうか。松本戦でやっていたような?

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これは可能性あるんじゃないかな?と思うけど阿部が空気になってしまう。どうせなら阿部も使いたいけど手段と目的を間違えないようにしなくてはならない。これは可能性あるような気がするが、2列目までボールが入っても盤面上は数的同数にしかならないからメリットはあるのか?という疑問はある。

あんまり想像できないけど、うまいこと前線の3人がキーパーまで突っ込んできてくれたら中盤とかそこを埋めようとした奥のスペースが空いて阿部からの低弾道キックが至恩直撃とかあるのかもしれない。

あとは千葉マイケルの両センターバックをメッチャ広げて相手前線もメッチャ広げさせてみんな大好きハーフスペース経由至恩行きとするやり方とかだろうか。千葉マイケルがサイドバックのポジションでトライアングルを形成するとかいうロマン。偽センターバック。

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などなどなどなど、アレコレ妄想するのも戦術的な視点によるサッカーの楽しみ方なので是非。ぼくのかんがえたさいきょうのアルビ。

ちなみに、これはあくまで相手が前線3人配置で新潟ビルドアップ対策をしてくる前提なので、そんなのお構いなしに自分たちのストロングで襲いかかってくるチームには全くもって無意味だということはお知らせしておきます。ジャンケンで相手がグーを出してくる前提で物事を考えちゃいけなかったりするので留意願います。

以上、今後ともよろしくお願い致します。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。