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なんだろう、この切ないような気持ちは。

3連休の初日、夫と3歳児と、自転車に乗って家から少し離れたところにある公園へ行った。少し大きめの公園なので、3歳児は大喜びで遊具で遊びまくったり、「はしろう!」と公園のなかをぐるぐると走り回ったり。

そのうちに、ちょっと大きなお兄ちゃんが3歳児のところに来て、なんとなく一緒にいる感じになった。やみくもに駆け回る3歳児をなんとなく追いかけて追い抜いたり、また、3歳児が突如走るのに飽きて花壇のまわりを歩き始めると、お兄ちゃんも一緒に歩いたり。

次第に3歳児もお兄ちゃんの存在に気づきはじめ、10分くらいすると、3歳児からお兄ちゃんに手を差し出してつないでいた。遠目に見たその風景、ちょっといい感じ。名前も知らない、初めて会った年齢も全然ちがう子ども同士が、なんとなく仲良くなって一緒に遊ぶ様子って、いつ見ても温かな気持ちになる。

小学校1年生だというそのお兄ちゃん、どうやら1人で公園に来ていたよう。その後しばらく3歳児と遊んだのち、ちょっといなくなったなあと思っていたらまた戻ってきた。と思ったら、3歳児と向き合い、3歳児の両手をぐっと握りしめ、何かを言っている。最後に「・・・・バイバイ!」と言ったのだけが聞こえた。3歳児のほうは、ちょっと条件反射っぽい感じで「バイバイ」と答える。と、お兄ちゃんはがーっと駆け出し、置いてあったヘルメットをかぶり、キックボードを蹴って、振り向きもせずに公園から出て行きました。

あ、ちゃんと最後に挨拶してから帰っていったんだんだ、とちょっと神妙な気持ちになり、うちの子はどんな気持ちなんだろうかと3歳児を見やるも、もうすでにお兄ちゃんのことなどなかったかのように遊具で遊んでいた。

なんだろう、この切ないような気持ちは。

子どもと遊んでいると、こういうことが間々ある。言葉にできない感覚、って書くのは美しくないのだけれど、意味づけをしたくない、ただあの感覚や感触だけをそのまま残しておきたい、というようなことが、子どもと過ごしていると時々起こるのだ。しっかりしていた1年生の男の子を賞賛したいのでも、それに比べて3歳児はまだぼんやりしているものだなと言いたいのでもなくて、それを少し離れたところから見ていた私が、なんだか切ないような気持ちでした、というようなことが。

近所の公園ではないので、我々はそんなに頻繁に行くこともないのだけど、3連休の残り2日、あのお兄ちゃんが、もしかしたら3歳児のことを心のどこかで一瞬でも探したかもしれない、と思うと、その思いに応えられなかったことが、悔しいような寂しいような気持ちにもなる。もうあのお兄ちゃんは、3歳児と遊んだことも忘れちゃっているかもしれない。けれど、私は、覚えている。そして、多分しばらくは忘れられないでいると思う。


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