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むこう側にあるものを想像できる人になりたい、と思った日。

8月8日(土)の島田高志郎選手とステファン・ランビエルさんとのオンライントーク、ご参加の皆さまありがとうございました!

このオンライントークを企画したのは数ヶ月前のことでした。
ちょうど、コロナ禍で閉鎖されていたスイスのリンクが再オープンする時期と重なったことから、急激に忙しくなったステファンに負担にならないように、と、まずは状況が落ち着くのを待っていました。

そしてある日、「8月8日のこの時間ならできる」との連絡をいただき、わー、よかったーと、ほっと胸をなでおろすことに。

リハーサルの前には、スタッフと一緒に、通訳方法についてさまざまなパターンで実験、検証しました。
「出演がお2人で1時間、しかも通訳が入る」となると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
通訳の時間を何とか短めにしたいとはいっても、ステファンの英語に、同時通訳の声を重ねてしまうのは、残念ですよね。

ということから、「島田選手と私のやり取りは全部日本語。ただし、別チャンネルで、ステファンに同時通訳する」方法をとることにしました。
またステファンの英語については、「すべて英語を活かし、彼が話し終わってから通訳が日本語にする(逐次通訳)」ということに。

(※)「同時通訳」は、話者が話し始めた途端、その声にかぶせて通訳するもの。「逐次通訳」は、話者の話がひと段落したところで、通訳がそこまでのすべてを一気に訳すもの。

さて、リハーサル当日です。
島田選手もステファンもそれぞれのPCからアクセスして、無事に全員でご対面!
この時、スイスのお2人は、3メートルくらい離れて向き合った状況で、それぞれのPCでアクセスしてくれていました。
この状況でトライしてみたのちに、2人とも日々健康管理をしていて安全だから2人一緒の画面から登場しよう、とステファンからご提案いただきました。
お2人が1つの画面に入ったこと、とてもよかったと思います。

通訳方式についてもリハーサルしました。
結論から言うと、本番では、上述したような「別チャンネルでの同時通訳」を入れませんでした。

というのは、リハーサルで試したステファンが、「色々な音が聞こえてしまって混乱してしまうかもしれないし、コウシロウが話しているのを見れば、だいたい何を聞かれているのかわかる(!)から、同時通訳しなくていいよ」とのことだったのです。
さらに、「できそうだったら僕がステファンに説明しますね(小声で英語で)」という島田選手。
そうした、みなさまのご好意に甘えさせていただいたことで、通訳にかかる時間が半分ほどカットできました。

オンライントーク後のアンケートにもいくつか、「島田選手の日本語でのやりとりが英語にされておらず、ステファンはわからなかったのでは?」とのご心配もいただいていましたが、こういう経緯があったのです。

そして、本番です。
冒頭、諸注意や出演者の紹介などをしていると、スタッフから「(スイスの)2人の画面が落ちた」という情報が。
え、まさか、と思っていると、ちょうどZoom上でご紹介した通訳の平井さんが「いまちょっとスイスの回線が切れてしまったようで……」とコメントしてくださり、本当のことだと確認。
あらら、どうしましょう、と思っていると、スタッフから「戻ってきました」との連絡。
ということで、ちょっとドキドキしながらお2人の名前を呼ぶと、あああよかったー、お2人ともちゃんと回線に戻っていましたー。

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トーク内容は、充実でしたね。
お2人、周りの方々やスタッフに、感謝です。

島田選手があんなに自然に英語でやりとりしている姿にはなんだか感激しましたし、前向きに、心のうちが真摯に伝わってくるお話をうかがえて、胸打たれました。

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ステファンのお話には、何度も豊かな気持ちにしてもらいました。

振り返ってみると、ステファンに初めてインタビューしたのは、2006年5月のジャパンオープン(当時は5月だったのです)。
それから何十回かのインタビュー……げらげら笑ったり、ちょっとしんみりするようなお話を聞くことはあったけれど、こんなにハートフルで深いお話を聞かせていただけたのは、ほぼ初めてだったように思います。
島田選手へ100%で向き合う師としての愛情と、PCの向こうで熱心にお話を聞いてくださっている皆さまへの感謝の思いからなのかな、とも感じました。

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少しだけ、トークの内容を。

ヨーロッパでコロナウイルスが蔓延してきた時期に日本のご実家に戻っていた島田選手は、約2か月後の5月に、日本からスイスに戻ったそうです。
そのとき、「ステファンが空港まで迎えにきてくれて」と話す島田選手の、嬉しそうもであり、どこかしらゆるぎない自信のようなものも感じられた雰囲気に、頼もしい思いを抱きました。

それを補足したステファンの、「コウシロウが無事に来られるか心配だったし、実際に戻ってこられると思ったら嬉しく思えたけど、そうなったら今度は、飛行機も大丈夫かなと心配で……」との言葉からは、生徒である島田選手をとても大切に思っている様子が伝わってきました。
トーク中何度か涙腺を刺激されるお話があったのですが、最後、ステファンのチームから感じられるあたたかさや愛情深い感じというものが、彼のご両親の愛情に起因しているというお話に、またまた涙腺が……というようなことも。
ステファンのお話はいずれも、彼の人生哲学を聞いているような思いにさせられ、人としてのあり方のようなものを自問するいい時間にもなったように感じています。

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ということで、島田選手とランビエルさんのオンライントークについては、このくらいです。

このオンライントークの模様(抜粋になると思います)は、後日、雑誌に掲載される予定ですので、しばしお待ちくださいませ。
詳細が決まり次第、お知らせします。

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今回もありがとうございました! 
第4回フィギュアスケーターオンライントークは、9月6日(日)お昼前後くらいに開催されます。


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