だから今日もメイクする

なんでやねん③「#だから今日もメイクする。」どうしてあたしは、メイクする?

鏡をのぞき込む直前まで、私が想像している私の顔は、28歳のままだ。

目の下のクマも、くすみもそんなに気にならない。昔からあるそばかすも、見る人によっては、チャームポイントに見える気がする。しみと同化なんかしていない。

深酒で朝帰りしても、一晩眠れば疲れ顔なんて飛んでいく。28歳の私は、若くて美しい肌をまだ保っている。頭の中の私は、いつもこのコンディションだ。

でも鏡をのぞき込んだ途端に、気づく。

そうか、頭の中の若々しい私は現実にはもういない。

私は、想像の中の自分より10年近く年を重ねたのだ、と。

目の下のクマは想像以上に深みとすごみを持ち、内側からピンク色の光を放っていた肌は、今やくすんで鈍色だ。飲んで帰った翌日は、早く寝たのにも関わらず、むくみと疲れをそのまま残したままだ。

「いつまでも28歳の自分を追うな。」とスタイリストの大草直子さんが、ファッションについて格言を言っていたが、顔についても本当にそうだと思う。

いつまでも、28歳の自分を追ってはいけない。わかってはいる。でも、なぜか私の頭の中には、いつも28歳の私がこびりついている。

年齢を重ねること。

それ自体、全く悪いことではない。28歳のころより自由だし、つらいことはあるけれど、仕事も楽しい。今あの頃に戻れと言われても、全く戻りたくはない。重ねた経験の分、人生の深みも面白みも増しているはずだ。

だけど、30半ばを超えて、目に見えて老い枯れ始めた自分の顔を、しわもシミも、くすみもをも直視し、「年齢を重ねてきた勲章みたいなものよね!」とは、簡単に開き直れない。

直視したくなければ、見なければいいのだけど、毎日鏡を見る機会はやってくる。

メイクの時間は必ず鏡の中の自分と向き合わなければいけない。

だから、その時間も含めて「メイクって少し億劫だな。」と思うようになっていた。

「#だから今日もメイクする」

そんなとき、会社の美容チームの企画で美容の投稿キャンペーンが行われた。「だから今日もメイクする」。「美容で自信がついて幸せが溢れる世界」を体現するビジョンにあわせた第一弾の企画。

このキャンペーンをきかっけに、こんなに億劫なのになんでメイクをするんだろう、と考え始めた。そして、同僚のみっちゃんが、自分の変化と向き合ってメイクの素晴らしさを語っているnoteをみた。泣けた。

みっちゃんはママになり、時間もなくぼろぼろになってしまったという。急激に自分の変化と向き合わなければならなくなり、自信を失ってしまっていた時、メイクの力、資生堂の美容部員さんの力に助けられた感動のエピソードだった。(とってもいい、エッセイです!)

みっちゃんとは違って、私はママではないけれど、日々潤いと色味を失っていく不安な気持ちには本当に共感する。

これから、年齢を重ねるにつれて、もっともっと若さという色を失っていくと思う。そして、苦しいがそこに向き合っていかなくてはいけない。

そんな時、私を助けて自信をつけてくれるのがメイクなんだと思う。   そういえばメイクの最後に、きゅっと口紅を引く瞬間が好きだったな。  顔が急に華やかに色を帯びて、気持ちを引き締めさせてくれる瞬間。


改めて考えると、メイクともう20年近くメイクと付き合ってきた。

初めてメイクした時、自分が違う人になったようなあの気持ち。

眉毛を海苔みたいに書きすぎて、海苔まゆとあだ名をつけられた時。

大切なプレゼンの日のメイクの仕上げに、口紅を引くあの気が引き締まる瞬間も。

たくさんの思い出にメイクがよりそっていたように、これからも当たり前のように私のそばにあって、その時々の私に色を添えてくれるのだろう。


資生堂のコーポレートスローガン。

一瞬も一生も美しく。

本当に素晴らしいコピーだと思う。                  このメッセージが年を重ねるごとに染みてくる。            一生美しくあることの難しさを知り、だからこそ美しくあろうとすることが大切なのだと気づかせてくれる。

だから、今日もメイクする。そして、明日もメイクする。

きっと、一生メイクする

どんな年齢になっても、その時の自分に、明るい差し色を添えるために。 ふふん、今日も1日楽しみますかと、明るい気分で鏡の中の自分に笑いかけられるように。

#1000日チャレンジ

※みんなの「だから今日のメイクする」話、とても面白いです^^かわいいてらまいちゃんも、こんなコンプレックスがあったとは。










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