
周りを巻き込む力
こんにちは!
私は北海道のドラッグストア「サツドラ」でビューティ部門の教育を担当しています。
自己紹介記事はこちらから↓
こちらでもサツドラの教育を語っています↓
今でこそサツドラの教育はある程度確立されていますが、昔は先輩が自分のやり方を後輩に代々教えていくというのが当たり前で、むしろそれしか新しいことを学ぶ手段がありませんでした。
ただ、「教える」という行為は技術の一つで、苦手な人もいると思いますし、その仕事を知っている人がいなければ、教えてもらえる術もないことになってしまいます。
今回はまだサツドラに教育システムがない時代、私がある店舗に異動した時のお話をしようと思います。
私が教育というものに目覚めた、きっかけのエピソードです。
大型店舗への配属
ある時私は大型店舗に異動になりました。
入社してからビューティ担当として勤務しており、それまではビューティのことはほぼ自分だけで対処できていたのですが、異動した店舗は規模も大きいだけあって、作業量は多いし、従業員はたくさんいるし、予算も高いし、こんなの初めてだしで…
「タスケテ~…」
と心の中で悲鳴をあげたことが教育に目覚めるきっかけだったと思います。
自分だけでは到底処理できない作業量と予算について、一緒に取り組んでいける仲間が必要だと考え、その時の新入社員をはじめとした後輩たちに様々なことを「教える」日々が始まりました。
振り返るとそれはもう…その時一緒に働いていた皆さんに謝りたいくらいに、私の教え方は雑で、私が伝えたかったことが本当に全て伝わったとは思えないくらい拙いものだったと思います。
「教える」ということは、自分が行なうよりも時間が掛かったり、自分が思い描いていた通りになっていなかったりと、簡単なことではありませんでした。特にその当時の私は教育のノウハウ等は何も持ち合わせてはいませんでしたのでなお更です。
周りから
「あんなに仕事やらされて、後輩ちゃんたちかわいそう」
なんて批判の声も私の耳に入ってくるくらいでした。
しかしそうしなければ時間がいくらあっても足りなく、猫の手も借りたい状況でしたので、とにかくやるしかなかったです。必死でした。
後輩たちの言葉
何日か新しいメンバーと働いて、一緒にビューティを担当してた後輩たちから言われたのが
「教えてもらえて嬉しいです」
周りからの批判とは裏腹に、やらされていた本人たちはそうは思っていなかったことがわかった瞬間でした。
今思えば、新しいこと・知らないことを教えてもらえること、そして教えてもらったおかげで何かを達成できることって嬉しいですよね!
教える時間とか、労力とか、効率とか、周りからどう見られるかとか、色々考えてしまうとその当時の私も行動に移せなかったと思います。
(逆にあまり考えずに行動していたので、かなり荒々しかったとは思いますが笑)
私は後輩たちを苦しめようと思って仕事を与えていわけではないです。
「私を助けて欲しい」という想いからでした。
最初は(悪く言えば)私の都合・店舗の都合で仕事を割り振りしていたのですが、仕事を「任せる」ことによって、私は後輩たちに「あなたたちを信頼・信用していますよ」と知らず知らずのうちに伝えていたのだと思います。
本当に信頼して仕事を任せていましたし、逆に信頼できないと大切な仕事は任せられません。
その後皆それぞれ力をつけて、コンクールで一丸となって賞を獲得した時の喜びと言ったら、例えようのないほどの素晴らしい思い出です。
そこから私はこう考えるようになります。
「この後輩たちを他の店舗に異動しても立派にやっていける化粧品担当者に育てよう」
周りを巻き込む力
話は少し変わりますが、2021年11月に当社で、化粧品担当者向け研修の中でも上級者向けの研修を開講しました。

受講者は、ビューティに関しての応対力・技術力に関しては申し分ない方々です。
ただ、店舗という組織に身を置いている以上、「個」の力だけで活動するよりも、他の従業員と協力して目標達成を目指す方が良いですよね。
この研修では、目標(店舗ビューティ予算等)達成のために、自分以外の人に自分から働きかける力を養う研修です。

私は研修を運営していたわけなのですが、受講生の皆さんが四苦八苦しながら研修を受けている姿を見て、私は昔の私と重ね合わせていました。
「周りを巻き込むって、ホントに大変だよなぁ…大変だったもんなぁ…」
「あの時この研修を受けていれば、もっときちんと教えてあげられたのかなぁ」
なんて。
それぞれの旅立ち
化粧品担当者の頃に話は戻りますが、
私は荒々しい自己流で、正解なんかも分からずに、無我夢中で、結局のところ周りを巻き込んでいたのだと思います。
その成果と言っていいのかはわかりませんが、コンクールでいくつか賞をいただき、その店舗が過去最高の売上を記録したのもその頃でした。
この結果は、自分ひとりの力だけでは無理だったと思うのです。
記事では割愛していますが、店長をはじめとしたビューティ担当ではない従業員の皆さんの協力もなくてはならないものでした。
後輩たちは私と活動することを少しは楽しんでくれていたと思いますし、私もとても楽しかったです。
どちらかというと私は単独で活動するタイプだったのですが、この経験を通して周りを巻き込む難しさと、みんなで協力して達成する喜びを知りました。
後に後輩たちはそれぞれ化粧品担当者となって、別々の店舗へ異動していき、先程述べた私の「後輩たちを化粧品担当者に育てる」という目標も達成することになりました。
そして私はこの店舗で何年か勤務した後、化粧品担当者の教育をする「ビューティトレーナー」として活動していくこととなります。
そのお話しはまた別の機会に。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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