
大食いの花嫁
何年かぶりに結婚式に招待されました。
未知のウイルスのせいで、結婚式を挙げるかどうか、というところから悩んだのだと思うのですが、せっかく招待していただいたので楽しんで来ようと思います。
昔私も結婚式を挙げたのですが、思い出してみるとこれがまたワガママに、異例尽くしの式を挙げたなぁと思い出しました。
「こだわった」「自分らしさ溢れる」と言えば聞こえは良いでしょうか。
そりゃ一生に一度のつもりで挙げるのですから、ワガママにもなります。
・新郎新婦同じ趣味だから、それをテーマにした結婚式
・新婚旅行も兼ねたリゾート婚
・子どもと一緒の結婚式
などなど
憧れの結婚式の例はググるとたくさん出て来ます。どれも素敵。
みんな違ってみんないい。(みすゞ)
私が一番こだわったのは、
「新郎新婦もゲストと同じ料理を完食すること。」
ここから偏見ありありの完全なる私の主観でお話しします。
私が結婚式に参加するたびにいつも思ってたことが、
「新郎新婦、こんな美味しい料理ゼンゼン食べられてないじゃん」
「食べられなくてすごいかわいそうだなー」と。
新郎新婦は大抵ゲストの対応に忙しく、新婦は特にお色直しがあったりで、私が見た限りではゆっくり料理を食べられていなかったんです。
私が花嫁だったなら「そんなのヤダ」といつも思っていました。
結婚式はゲストと戯れる時間を大切にしたいと考える人が多いと思うんです。そりゃそうです。
だから自分が食べる時間よりもゲストとのこの素敵な時間を共有したい、と。
いや、でも、目の前の美味しそうな料理はどうするの。
残っているのどうするの。
美味しそうな料理が目の前にあるのに、それに手を付けられないなんて、私には拷問のようで、絶対に考えられませんでした。
そして出来れば温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに、料理がベストコンディションのうちに食べてしまいたい。
料理を残す前提なら、むしろ用意してもらわない方が精神的にも金銭的にもSDGs的にも優しい。
ということで、前置きが長くなりましたが
私の結婚式は「私、料理は全て食べきる」をテーマにしました。
料理は全て食べきるのだから、料理は極上に美味しいのを選ばねば、と考え様々な会場で試食し、極上の料理と会場を選びました。
フランス料理だったのですが、両親は居酒屋料理が好きなので、ナイフとフォークを使うあまりなじみのない料理を喜んでくれるか不安でした。
(とは思ったものの、一生に1度くらいこんな経験してみたいだろう、という安易な想いもあったりして)
しかし良い意味でゴリゴリのフランス料理ではなく、さすが新鮮な食材の宝庫北海道、素材を活かした料理だったため、年配のゲストの皆さんにも楽しんで貰えたということを後々聞いて、ほっとしました。
料理と会場を選んだあとは、私が料理を食べきれるような結婚式の段取りを考えなければなりません。
私もゲストも料理を楽しめるように、一般的な結婚式の常識をとっぱらいました。
花嫁が料理を食べきるための3か条+1
①お色直しなし
着替える時間があるのなら、その時間はゆっくり食べる時間にまわしたい。
その代わり前撮りで、ウェディングドレス・カクテルドレス・綿帽子の白無垢・色打掛で思う存分撮影しました。
(結婚式当日はバタバタするので、素敵な衣装を堪能するために敢えて前撮りに時間をかける方々も多いようですよ)
式当日はウェディングドレスのみ着ることにしました。
②見た目より胃袋重視
ドレスを着る時には特殊な下着をつけます。「ウェストニッパー」といって、お腹を引っ込めて補正してくれ、ウエストを細く見せてくれるありがたいものなのですが、
これがとても苦しい。
お色直しはしなかったものの、披露宴の前には髪型を整える時間を設けていて、そのタイミングでウエストニッパーを外しました。
もう後は食べるだけですし、これでおなかいっぱい美味しい料理が食べられます。胃袋の準備も完璧に。
③余興なし
ゲストの皆さんにも料理を堪能してもらい、新郎新婦やゲスト同士の思い出話と料理の感想に花を咲かせて頂きたいと思ったので。
しかし私の父の故郷におめでたい時に歌われる民謡があるのですが、それを歌ってもらうのが我が家に代々伝わる伝統だったので、それはありがたく歌っていただきました。
あと、結婚式にはつきもののウェディングケーキはやめました。
ケーキ(甘いもの)を好まない方が多かったので。
その代わりに鯛の塩釜焼きを用意しました。
塩でできた釜の中に鯛が入っています。
この塩釜を木槌でバシバシ叩いて割って焼かれた鯛を取り出す、ケーキ入刀ならぬ「鯛の塩釜開き」を実施。そしてファーストバイトをその鯛で行ないました。
会場のすぐ横で料理を作っていたようで、塩釜が焼けるいい匂いが会場中に漂ってきていていました。
塩釜開きをしたいと提案してきたのは、そこの会場では私が初めてだったらしく、本番で上手く行くかどうか・・・というところだったようで、普段は絶対に表舞台に出てこないという総料理長が直々に塩釜を運び、取り分けてくれたというとても貴重な体験もしました。
そして全ての料理は・・・
計画通り私の胃袋へ全て納めることが出来ました。
極上に美味しかったです。
夫は最後のデザートのみ食いそびれ(有名なデザートで、甘いものが苦手な私の母親も絶賛してたやつ)、悔しがっていました。
ということで、私のワガママにこだわった結婚式でした。
本当のところを言うと、食べることだけ考えた結婚式だったわけではないですが、美味しい料理を好きな人たちと食べる時間って素敵じゃありませんか(誰)
私の考えに同調していただける、未来の花嫁・花婿候補のみなさま、どうぞ参考になさってください。
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