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ひとりで楽しむひとときは、自分を大事にする時間。『ひとりあそびの教科書』:フェア本の紹介

ひとひら books『まだ見ぬ世界とあなたを繋ぐ窓』フェアの選書本を紹介していきます!

まずは書籍情報を

たくさん「ひとりあそび」の方法を知ってから大人になる人こそが、世界を面白くできる――他人の見方や他人からの評価などを気にせず、純粋に、自分が触れたものに喜びを感じる方法を学ぶ。

他の人の反応なんか気にならないくらい、「あそび」に夢中になっていい。
ランニング、虫採り、旅、コレクション、模型、ゲーム、映画……
「みんな」ですることじゃ「ない」楽しいことが、この世界にはたくさんある。
そのことを覚えよう。

ページ数:224
判型:四六判

《著者》
宇野 常寛 (ウノ ツネヒロ)
1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』ほか。

河出書房新社

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店主のおすすめポイント

個人的には遊び方を忘れてしまった大人にこそ読んでほしい一冊です。
大人になって「遊び」がイコールで飲みに行くばかりで、子供の頃「遊び」に感じていたわくわく感を見失ってしまったへの処方箋...。私にはそんな本に感じられました。
こちら河出書房新社の「14歳の世渡り術」という本来は中高生向けシリーズなのですが、中身を読むと「大人だから刺さる」部分も多いなぁと感じたので、大人におすすめさせてください。

本書の構成は教科書と言いつつ体系だった作りではありません。
(実は教科書という言葉を使っているとある理由がありますが、そこは手にとって確かめてみてください)
この本は著者である宇野常寛さんの実体験を追いかけながら、その考えを綴ったエッセイとなっています。
ランニング、虫採り、模型など著者自身の遊びと、それをどう楽しんでいるか?遊びを忘れた大人だった著者がどう自分の遊びを取り戻していったのか。そんな人生を楽しみ続ける姿勢みたいなものを十代に向けて”親戚のおじちゃん”くらいのスタンスで軽妙に語っています。

本書の「ひとりあそび」という言葉の裏には、みんな=他人の視線や価値観に振り回されずに自分の気持ちを大事にした時間を過ごそうという意味が込められているように感じます。
実際に膨大なみんなが可視化されたSNSについても触れており、その付き合い方への見解が記されています。
ポケットの中から手軽に膨大な「みんな」と繋がれる時代においては、きっとひとりの時間を見つめ直すことこそが豊かな毎日への手がかりとなるはずです。

あなたには、ひとりで楽しんでいる遊びはありますか?もし思い浮かばなければ本書を通じて先人の足跡を辿ってみるのもいいかもしれません。

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