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【読書感想文】生きるべきように生きれば、いつの日かかならず花は咲くものです/辰巳 芳子(料理をするという事)

この年代の方は本当に芯があって美しい方がいらっしゃいますね。
何と言うか生きる姿勢が全く違う。心身ともに背筋が伸びているとでも言いましょうか。育ちなのでしょうか、ご本人の性格なのでしょうか。いやいや日々の心掛けにあるのでしょう。

この方の本を読んで、「1食1食作るのにこんなに集中して五感を研ぎ澄ませている人がいるのか!」とびっくりしました。もう私なんか本当にすみません。という感じです。

しかしふと、ああこの方は「プロ」なのだ。と気付きました。
料理は素人でも普通に作るのでつい同じようにできないかと思ってしまいがちですが、それは私がプロ野球選手みたいに野球ができないのと同じ事、と思ったら少し気が楽になりました。

けれども料理というのは料理をする者が心血を注ぐほど美味しくなる、という事は確かだと思っています(そして心血を注ぐととても疲れます)。

昔よく行っていた美味しいイタリア料理店のシェフに「どうしてこんなに美味しく作れるのですか?」と聞いたら「心を込める事です」と言われて、その時はいやいやもっと出汁がどうのとかが聞きたいのに、と思ったのですが、今になるとこの言葉が正しい事がわかります。

子供が乳幼児の頃、子供が意識の片隅にある状態で作った料理はちっとも美味しくできませんでした。レシピ通りに作ってもどうやっても美味しくならないのです。ずーっと何故だかわからなかったのですが、集中力が足りなかったのですね。(もしかしたらホルモンの関係とかもあるのかもしれませが、その辺りはよくわかりません)

子供が小学校後半ぐらいになってきて、ようやくまともな料理が作れるようになってきました。
出産前はそこそこの料理を作っていたつもりだったので、料理が下手になった時は絶望しましたが、時が解決してくれました。

料理は片手間でもできますが、心を込めてもできます。もう集中できないのであれば、買ってきたご飯をニコニコと食べるのもありだと思いますし、たまには集中して料理を作る時間を取る事もありだと思います。そして家で食べる料理が「美味しい!」と思えるのはかなり幸せな事だと私は思います。




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