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音楽の力的なこと

おとといついに
Spotifyという音楽アプリを手にした。
サブスクは増やしたくないけど
CMなしに楽しみたい。

昨日初めて聴いた曲はRCサクセションの
「雨上がりの夜空に」
10代が蘇ってウキウキする。

今朝はお菓子を焼く時宇多田ヒカルを。
「First Love」
流れた途端蘇るのはある洋菓子店での日々。
30代中盤。勤めていた店にいる1年間の間に衝撃デビューした宇多田ヒカル。新しい物好きの店長(息子)が工房でいつもCDを流していて全て歌詞を覚えるほどだった。

任された仕事のひとつにグレープフルーツゼリーがあったな。毎日何十個のグレープフルーツを洗って半分に切ってくり抜き果実を丁寧に削ぎ分けて果汁を絞る。ゼリーを作って半分の皮に流して固める。次の日トッピング。
ある日お客さんからゼリーが苦い、というクレームがあった時にも怒られはしなかったのも何故か憶えている。

その日の作業を朝ボードに書き出して1つづつこなしてゆく。山のような仕事も明るく淡々とこなす職人さん達の手によって。
その頃はパティシエという洒落た名前もなかったな。
今私がたくさんの仕事を抱えてもテキパキ終わらせることができるのはそこでの経験があったからに違いない。
今でもそこでの風景がよく頭に浮かぶ。

焦がしバターのマドレーヌ

音楽って良いな。
ワンフレーズだけでその頃の記憶が
ものすごい量のデータで押し寄せる。
一瞬にその頃に戻るもんね。

奈良で修行中
1番しょっぱい思い出はというと。
居候していた友人宅に
クリスマスにケーキを持って帰る予定が
予想以上の忙しさですっかり遅くなってしまって
食事を準備してくれていたのにすっかり迷惑をかけてしまった。
あの時の申し訳なさは言葉では言い表せなく
下手な約束はしないと決めた。

でも
あの頃があるから今がある。
家出をして苦労して親友に助けられ経験を積んだ。
全てが宇多田ヒカルの曲と共に。




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