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大相撲本場所中止

【高田川所属の勝武士幹士が新型コロナ感染症で5月13日に亡くなりました。心よりご冥福をお祈りします】

本来の日程ならば、今日(5月24日)は夏場所の千秋楽のはずだった。

感染拡大に伴って発表された延期日程では、今日が初日になっていたはず。

しかし、ご存知のように、とうとう夏場所は中止になってしまった。それにあわせて、名古屋場所も7月に両国国技館で開催ということに日程が変更。これは前代未聞の椿事だ。場所の名称は「名古屋場所」じゃなくするのかな。

以前に「大相撲無観客場所」でも書いたように、予定されていた本場所が中止になるのは、明治42年に優勝制度ができて現在の場所形態が定着してから110年余の歴史のなかでわずか2回しかなかった異常事態である。

関東大震災にも世界恐慌にも太平洋戦争にも東日本大震災にも負けずに挙行されてきたのだから、大相撲ってのはあんがい強いのである。

それだけに、大相撲史上3度目となる今回の本場所中止はインパクトが強い。

ちなみに前2回の中止の原因は、昭和7年(1932年)1月場所は場所直前の力士大量離脱(春秋園事件)、平成23年(2011年)3月場所は八百長問題発覚と、いずれも身内の問題が噴出してのものなのでやむを得なかった感もあるが、今回は完全に外患

それだけに、日本相撲協会としては痛恨、苦渋の決断だっただろう。

ところで、こうなると気になるのは、本場所中止にともなうさまざまな事態の処理。集まって協議することもままならないせいか、まだなんの発表もないようだが。

たとえば、発表ずみだった夏場所の番付だ。朝乃山が新大関になった記念すべき番付なのだが、場所そのものが消滅したことで、どういう扱いになるのだろうか。

7月予定の次場所にそのままスライドするのだろうが、その際はあらためて7月場所番付として印刷配布されるのだろうか。

昭和7年の中止時には、発表ずみの番付はボツとなり大日本相撲協会は、大量の十両幕下力士を抜擢して急遽新番付を編成した。平成23年は中止になった3月場所の番付は発表前だったので幻となり、5月に開催された技量審査場所で番付でなく順席として使用された。

前例のないことだけに、どうするのか協会でも悩んでいるのだろう。

まあ、力士諸君は格好の休養になったと思って、体調管理に留意しつつトレーニングや稽古(これもままならないようだが)に励んでほしい。そして負傷や病気を抱える諸君はこの機会を出来るだけの治療に活かしてほしい。

私が、なにげに気にしているのは、相撲専門誌の発売

現在は「相撲」「大相撲ジャーナル」「大相撲中継」の3誌が刊行されている相撲専門誌だが、その刊行スケジュールはほぼ固定化されている。

「相撲」の場合、奇数月は「展望号」が番付発表の週の、偶数月は「総決算号」が場所終了後最初の、いずれも木曜日に発売されている。私が相撲を見はじめた四十数年前からほぼ揺るがぬスケジュール。ほか2誌も基本的にこれにならっている(「大相撲中継」は展望号のみの隔月刊)

ところが、このスケジュールが崩壊した。5月号の「夏場所展望号」は刊行されたものの、その後に場所の中止が決まったせいで、次号の発売が未定のまま。もちろん「夏場所総決算号」は出せないだろうけど、発売予定さえアナウンスされていない。

ついに「展望」のみに終わった専門3誌の5月号。こんなことは初めてだ。

今後どんなラインナップで、いつ発売されるんだろうか?

前回、本場所が中止になった際にはこんなことになっていたが……

10年ぶりの「本場所再開待望号」が出るんだろうか。

なんにしても、そろそろ相撲が見たくなってきてるぞ(相撲だけじゃないが) 

祈・コロナ退散!

大相撲/丸いジャングル 目次

スポーツ雑記帳 目次

【2020/6/11】 先月中に発売されていたはずの専門誌の6月号がようやく発売になった。

本来ならば「夏場所総決算号」になるはずだった6月号だが、「相撲」は「7月場所開催祈念号」に、「大相撲ジャーナル」は「本場所再開期待号」に変更されている。場所も稽古も巡業もなく取材もままならなかったようだが、両誌ともさまざまな企画を投入して、なんとか誌面を作り上げてくれた。お疲れさまでした。ちなみに、長い歴史を持つ「相撲」が表紙にイラストを使用したのは史上初めてだそうだ。次号は7月頭に「7月場所展望号」が発売予定。順当に発売されることを祈ろう。

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