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テレビの危機

何度目かの「この2週間がヤマ場です」を越えても、いっこうに自粛期間は終わりません。こうなると、ほんとうに自粛でこのウィルス禍が収まるのかという疑問もわいてきますね。

でも、すでに会社員生活を終了した私の日常生活は、さほどの変化を起こしてはいません。いままでどおり、のんべんだらりと日々を過ごしております。

とはいえ、そうした日常の楽しみであったテレビが、自粛の影響でどんどんつまらなくなってきたのは困りもの。まさかこんなことになるとは予想もしていませんでした。

まず影響をもろに喰らったのがスポーツ中継。そりゃそうだ、スポーツそのものができなくなっているのだから。野球もサッカーもゴルフもないので、スポーツ中継枠はガタガタ。いま現在、継続しているスポーツ中継は、無観客で開催している競馬くらいなのか。

過去の名勝負を再放送したりもしていますが、結果のわかっている試合を見ていると、逆にライブで観るスポーツ中継のすごさ、面白さが思い出されるばかりですね。ああ、早く再開してほしい。

ドラマでも、撮影ができなくなって放送が延期されたり中断しているものが出ていましたが、とうとうNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」までが放送中断の危機に瀕しているようです。

ご存知のようにスタートであんなことがあったために、放送開始が遅れたのに、今度はここで撮影が間に合わなくなって大ピンチ。このままでは年内で終了できるかどうかわからないという前代未聞の事態らしいです。これひょっとしたら、明智光秀を主役にしたことに対してお怒りの織田信長のタタリかもしれませんね。

アニメにも同じことが起きているようで、製作が間に合わずに中断している番組が出はじめています。穴を埋めるのは旧作の再放送になるようで、終わったばかりの「ゲゲゲの鬼太郎」第6期が再放送していますし、あの名作「未来少年コナン」の再放送もスタートするそうです(これは楽しみ)

そして、とうとうバラエティ番組にも影響が。

まず最初にやられたのが観客を入れての公開収録「のど自慢」はいち早く番組そのものが中止になりましたが、同じく老舗番組の「笑点」も無観客収録に変更。お客のいない場所での大喜利ではメンバーも苦戦しているようです。クイズ番組なども観客が入らないといまいち雰囲気が出ないですね。

次いで、旅番組などのロケ収録番組が収録できなくなって、旧作の再放送や総集編でしのいでいます。ローカル局ですが全国的人気のある「ゴリパラ見聞録」は、出演者の一角のゴリけん自身が感染してしまい、新作は休止に。この手の番組では、当分新作は見られそうもないです。

そしてとうとうスタジオ収録もアウトになってきました。まあスタジオに多くの出演者とスタッフが集まるのは「3密」そのものですからね。リニューアルしたばかりの「秘密のケンミSHOW・極」もいきなりリモート収録になってしまいました。盛り上がらないなぁ。

かくして、今まで通りに近い形でやっているのは、報道番組と、似非報道番組であるワイドショーのたぐい(リモート出演が主流だけど) それもほとんどが新型コロナウィルス関連のニュースばかりで、面白くもなんともない!

けっきょくのところ、自粛以前のスタイルが維持されているのは、国会中継だけでしょうね。ま、これはそもそも最初から面白くないし。

そして、じわじわと色濃くなっているのが、民放局の根幹ともいうべきCMへの影響。

気づいてますか、放送されるCMが変わってきているのに。

やたらと目につくようになったのが、公共広告(AC) 東日本大震災の時と同じように、しょっちゅう見るようになりました。また各局とも、自社番組の広告が明らかに増えています。

通常ならば今の時期にドサドサ流されるはずだった、旅行や観光関連のCMが引き上げられているせいでしょうね。また公開が延期になっている映画の広告も消えているのでしょう。

いうまでもなくCMは民間放送の収入の根幹を成すもの。この事態が進むと、経営に響くところも出てくるかも。

私が見るところ、すでに地域放送局(ケーブルTVなど)は番組編成を大幅に変更せざるを得なくなっています。次いで地方ローカル局がCM減少や番組制作で苦しんでいるようです。そして、いよいよその波が全国ネットのキー局にもおよんできつつあるようです。

このままだと、ウィルス禍が過ぎ去ったあとでも、テレビは元通りにはなれませんでした、ということになりかねません。

これこそまさに文化の危機

ただ、こうしたなかでも製作現場は新たな道を模索しているようです。

スタジオに集まらなくても、リモートで出演させる番組は増えてきました。それも最初はぎごちなく、見づらいばかりだったのが、だんだんとこなせてきている感じはします。うまく利用しているバラエティ番組も出はじめています。

なんだかんだ言っても、テレビ屋さんのパワーってのはバカにできませんね。これを機に、新たな番組スタイルが生まれるかも、そんな期待も抱いてみたいもんです。

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