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セルフ・フィッティングは難しい(1)楽な位置と最適な位置は違う。

自分で自分のバイクのポジションを出すときに陥りやすい点についてのお話です。今回は、楽な位置と最適な位置の違いについてお話します。自分が楽だと思うポジションがパワーが出るポジションとは限りません。また、楽だと感じるポジションが身体が動くポジションとも限りません。

「固定感」=「安心感」は違う

・初心者の場合
自転車の操作に不安があるため、自転車と自分が固定されている感覚に安心感を覚え、それが良いポジションだと感じることが多いです。身体のどこかを固定して乗ると、安心感により気分的には「楽」になりますが、身体全体が連携して動かない(コーディネーションされていない)ため、自転車に必要な筋肉がつきづらくなります。また、固定している部分が違う箇所に負荷を作り、身体のどこかに不調が出てくる場合があります

「楽」=「パワー」は違う

・上級者(プロ含む)の場合
上級者やプロ選手の場合、苦しいトレーニングや連戦のレースの中で、如何にエネルギーの消耗を抑え、力を出すか、という事を考えます。そうして辿りつきやすいのが「自分が楽だと思うポジション」です。自分が楽に感じるポジションと身体が動くポジションは違います。身体が動いていないポジションではパワーは出ません。身体が楽に感じるポジションは、身体に動いていないところがあるためにエネルギーの消耗を少なく感じ、結果として「楽」に感じている場合が多いのです。この「楽」を求め始めると、身体のコーディネーションが崩れ、それによって必要な部分の筋肉が使えなくなり、だんだん不調に陥ってきます

大切なのは自転車と身体のコーディネーション

どのような場合も大切なのは、自転車と身体がコーディネーションして動くことです。コーディネーションに含まれるものは、リズム感覚、バランス感覚、状況や変化に合わせた素早い動作、素早い反応、身体全体の連動、位置関係の把握、道具の操作といった要素です。

固定すればどこかが止まります。全体が使えていないと、使えていない箇所がどこかを止めてしまいます。

最適なポジションと身体の使い方

自転車のポジションが出ても、自己流の身体の使い方のままでは上手くいきません。K-FITTINGバイクスクールでは、フィッティング時に身体の使い方も合わせてお伝えしています。初心者の方が感じていた自転車との固定による安心といった感覚は薄れますが、正しいポジションで正しい身体の使い方ができると自然と安定して乗車できるようになります。結果、不安が払しょくされるので、自転車に固定されていなくても安心感が出てくるのです。それは全体的なバランスの調和が取れたということです。どうなるかというと、低速で安定して乗れるようになります。自転車は低速になるほど不安定になりますから、低速で安定して乗れるという事は、高速でも安定感があるということにつながります。使えていなかった筋肉が使えるようになった方は…しばらく筋肉痛になるかもしれません(*'ω'*)。お伝えした身体の使い方を思い出して、コツをつかんでいってください。
お客様の声もどうぞ(*'ω'*) ➡ https://k-fitting.com/voice_vol3.html

セルフ・フィッティングは難しい

K-FITTINGバイクスクールでは、菊池仁志がお客様のポジションをバッチリ出しています。しかし、菊池仁志が自分の自転車をフィッティングするのはとても難しいのです。それはなぜか、というと「お客様のポジションを見るときは、全体的な動きの中から違和感を探す作業を繰り返すのですが、自分の場合は必要なところにしか集中できないので全体のバランスを客観的に見ることが難しい…」ということなのだだそうです(*'ω'*) 。

ご自身でフィッティングをしてみる場合は、ローラーに乗車して横から撮影した動画を確認してみるのもいいかもしれません。それと「八の字」走行、地味ですが、おススメ・プチトレです。身体の動きがぎくしゃくするなー、なんてときにやってみてください。身体がほぐれて乗りやすくなることもありますし、ポジションやコーディネーション上の問題点もわかるかもしれません(*´ω`*)。そのときはぜひ安全な場所でお願いします!