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220730 沖縄離島めぐり①(石垣島まで移動編)

はじめに

 昨日、薄い字で「読書感想文を書け」と書いてあるのが気に食わないという話を書いたら何を忖度したのか今日は「ご自由にお書きください」と書いてありました。妙なところに気が利くのが面白いですね。この手の薄い字はTwitterでもあって、Twitterは常に「今何してる?」と書いてあります。何してるもへったくれもなくてそれは「Twitter」に決まっています。小泉進次郎か。そういえば最近出てきませんね。「おぼろげながら46」とか「環境問題はセクシーに」とか絶好調でしたが、最近はどうなっているのでしょうか。

旅の要諦は移動にあり(諸説あります)

 別に小泉進次郎はどうでもいいのですが、今年の3月に沖縄の離島を巡った旅行記を始めることにします。この旅行は2022年の3月下旬に行われた旅行で、石垣島・竹富島・小浜島・黒島を巡る旅をしてきたのですが、その記録を記憶を掘り起こしつつ可能な限り克明に記録しようということです。
 ぼくの旅は「移動」に重点が置かれています。例えば東京からロンドンに行くのにも、直行便で行くのか経由便で行くのか、直行便で行くならJAL・ANA・ブリティッシュエアウェイズのどれを使うのか、経由便で行くなら中東乗り継ぎかアジア乗り継ぎかヨーロッパ乗り継ぎか、中東ならエミレーツ・エティハド・カタールのどれを使うか、アジアならシンガポール・タイ・ガルーダ・アシアナのどれを使うか、ヨーロッパならエールフランスかルフトハンザかフィンエアか、あるいはパリからユーロスターか、などと行き方に徹底的にこだわるのがぼくの旅行です。普通の人は現地で過ごす時間を大切にするものですが、ぼくは「移動8割現地2割」くらいの勢いで、現地に何があるのかはほとんど調べないくせに就航している航空会社は念入りに調査し、チケットを購入したら即座にエンジンの位置を考慮しながら座席を指定し、その後もより良い条件の座席を求めて毎日航空会社のHPをチェックするという謎の執念を見せています。その結果、「ロンドンに行ったのに大英博物館に行かない」「パリに行ったのにルーブルに行かない」みたいな恐るべき旅行をすることになるのですが、それはそれで面白いものです。

今回の搭乗機、A350-900

まずは沖縄まで移動

 というわけで、まずは移動から話を始めましょう。今回の移動方法はズバリ「羽田→伊丹→那覇→石垣」です。おお、頭がおかしいですね。羽田→石垣なら直行便だって就航しているのにあえてそれを使わず、それどころか羽田→那覇の直行便すら使わず、なぜか伊丹空港を経由していく。意味不明ですね。ちなみにもっとおかしいのはここからで、この時のぼくは那覇までの移動はJALで行い、那覇→石垣だけANAで移動し、しかもこの1時間くらいのフライトをプレミアムクラスで移動したのです。
 なぜわざわざ伊丹経由にしたかという点についてはただ単に「伊丹空港に行ってみたかったから」ということに尽きます。要するに、市街地のど真ん中にある空港に着陸し、あるいはそこから離陸するという体験をしたかっただけです。あわよくば逆ランしないかなと思っていたのですがさすがにそれはありませんでした。では、なぜ那覇から先だけANAにしたのかという点も当然の疑問として上がってくるわけですがこれの答えもただ単に「ANAに乗ってみたかったから」ということに尽きます。ぼくは基本的に国内線はJALしか乗らない人間ですが、プレミアムクラスを体験するためにこの区間でANAに乗ってみようと思ったというわけです。この区間ならプレミアムクラスに3000円で乗れますからね。
 というわけで羽田空港に出向き、伊丹行きの飛行機に乗り込みました。この時の機材はA350-900で、もはやぼくがJALに乗るとこれしか乗らなくなっているいつものヤツです。ぼくは飛行機に乗るのが大体の場合において羽田→新千歳/那覇/伊丹なので必然的にそうなってしまいます。機材自体はいつもと何も変わりません。フラップの音がバカでかく、搭乗音楽のI will be there with youも大音量で流れ、エンジンの音が美しいいつものA350ですが、伊丹便だけは乗客の様子が大きく異なります。ぼくの目から見ると、明らかにスーツを着た人が多く、心なしか偉そうな人が多いのが伊丹便です。CAに話しかけられても顔を上げることすらしない、バルクヘッドで渡される注意事項もほぼ読まずに返すというような感じで乗客の多くは大変偉そうです。みんなもっと愛想よくすればいいのにと思いますが、ジャパニーズサラリーマンにとっては機内は貴重なリラックスの場なのでしょうか。
 伊丹までの便は普通席を予約しており、座席番号は45Aだったと記憶しています。主翼後端の席で、フラップの動作がよく見えることから普通席に乗るときにはここを指定することが多い、ぼくのお気に入りの座席になっています。バルクヘッドなので足元が広いのも加点ポイントです。いわゆる「お見合い席」だったので目の前に座るCA(カルシウム)に軽く挨拶をして、「これから動画を撮りますが興味があるのは景色だけで機内の様子は一切撮りません」ということを宣言してカメラを回すことの承諾ももらっておきました。動き出してから15分ほど動画を撮り続け、撮り終わって腕を下した時にはCAに「うまく撮れましたか?」と言われて少し会話しましたが、表情には「お前15分も撮って何に使うんや」と書いてあったような気もします。気のせいかな。
 そんなこんなで伊丹に着く頃、時間を確認するとなんとしっかり遅延しています。普段は遅延しても「飛行機に長く乗っていられる♨」とか言っているだけでまったく気にしませんが、今回は話が違います。この後に乗り継ぎがあるからです。しかも、伊丹→那覇はこの乗継便が最終便であり、さらに那覇からの乗り継ぎはJALではないためもし乗り継ぎに失敗すれば多大な損失が生まれてしまいます。というわけで、先ほどのCA(カルシウム)に相談してみたら「わかりました、今の段階では何とも言えませんがファーストクラスのお客様の次に降機していただいて、地上係員に引き継ぎます」との返事をもらいました。このあたりの対応はさすがですね。というわけで偉そうな高級風オジサマ方より一足先に降機し、急いで次のゲートへと向かいました。
 するとなんと驚き、まだ搭乗案内が始まってすらいないではありませんか。何かと思ったらこちらの便も遅れていたようです。伊丹のコンコースを疾走し、ゲートに着いたら搭乗開始にすらなっていないというまさかの展開にずっこけましたが、とりあえずこれで那覇までは到達できることがほぼ保証されました。しかも、使用機材はone world塗装のJA15XJであり、クラスJを予約していたのでこのフライトの満足感はとても高いものになる予感がします。one world塗装と言っても機体に「member of one world」と書いてあるだけで機内は何も変わらないのですが、気分は多少良いですね。何といったってA350で一機だけですから。

one world塗装のA350-900

 しばらくしてから機内に案内され、窓側の席に着きました。確か16Kだったと思います。エンジンがよく見えるとても良い席です。この時の離陸サウンドはとても澄んだきれいな音がしました。知ったこっちゃないですね。飛行機は高度を上げていき、眼下にはあべのハルカスや関西国際空港が見えました。しかしおかしい。10000ftを超えてもベルトサインが消えなかったのです。20000ftを超えても、30000ftを超えてもベルトサインは消えず結局33000ftを超えたあたりでやっとベルトサインが消えるもCAからは「できるだけ着席し、シートベルトを締めるように。ドリンクサービスが途中で終了する可能性がある」というようなアナウンスが入り、実際に始終コトコト揺れ続けるフライトでした。高度の変化も激しく、38000ftまで上がり、34000ftまで下がり、36000ftまで上がり、と上下運動を繰り返し、パイロットからも「ただいま揺れない高度を探しながら飛んでおります。ご迷惑をおかけし申し訳ございません」というようなアナウンスが入りました。ぼくは飛行機は揺れたほうが楽しいと思っているのでどんどん揺れるところを飛んでほしいのですが最大多数の最大幸福を考えればそういうわけにもいかないわけです。
 そうこうしているうちに那覇空港に着陸、しかしまだ移動は続きます。一度預けた荷物を受け取り、ANAにチェックインしました。この区間はプレミアムクラスなのでセキュリティチェックでプライオリティレーンが使え、さらにANAラウンジへのアクセス権が与えられます。プレミアムクラスならANAスイートラウンジを使わせてほしいところですが、ANAはケチですね。JALならダイヤモンドプレミアラウンジを使わせてくれると考えるとこの点はANAが劣っています。しかもこのANAラウンジ、子供連れでごった返しておりソファの間には柿の種が詰められ、床にポテトチップスの破片が散乱し、机には飲み物がこぼされ、ととんでもない様相を呈していました。掃除をしてくれるスタッフもいましたが、片付けスピードより散らかしスピードの方が速いという恐るべき状況のせいで掃除は全く追いつかず、そこにいた人は客を含め諦めモードに入っていましたね。
 羽田行きの飛行機が出たことでラウンジ内に静寂が訪れたと思ったら、今度は「明らかに夫婦ではない男女が夫婦かと見間違うような身体的距離で絡み合っている風景を見せられる」という、よく言えば貴重な、悪く言えば「ふざけんじゃねー!」みたいな時間を過ごしました。今考えればいわゆる「パパ活」なんでしょうが、そういうのは公共の場ではないところでやってほしいものです。というか、そういう属性の人間がラウンジにいること自体に問題がある気がします。何だったんだろうなアレは。未だに不思議です。
 その夫婦もどきを眺めていたら搭乗時刻になったので飛行機に乗り込みました。プレミアムクラスなので優先搭乗です。機材は737-800なのであまり快適とは言えませんが、シートはまあまあでした。JALのファーストの方が圧倒的に優れているのは間違いのない事実ですが、それなりに良いシートです。少しリクライニングなどの操作が分かりにくかったような印象もあります。
 離陸したらすぐにお弁当が提供され、早食い競争が開催されました。何と言っても飛行時間が1時間くらいしかありませんから、ベルトサインが消えている時間は3,40分程度のものです。味わっている暇もなく、一生懸命食べて何とか食べ終わることができました。よく考えれば持ち帰りにすればよかったですね。ANAのお弁当は持ち帰れると後になって知りました。外は真っ暗で何も見えませんでしたが石垣空港に着陸し、「あんしん島旅パスポート」みたいな名前の紙をもらいました。何が安心なのかはさっぱりわかりませんが、これを持っておけばいろいろなところで割引が受けられる魔法のカードです。飲食店でも使えるし、離島に行くフェリーの料金も割引になるのでもらっておいて損はないと思います。まあ、元手は税金なわけですが、払った税金は少しでも取り戻しておきましょう。
 そのあとは「片道540円、往復1000円。往復で買うとお得です!」みたいな何がお得なのかイマイチよくわからないバスのチケットを購入し、石垣市の中心部へ向かいました。途中に「ドン・キホーテ前」というバス停があって、「もしドンキがつぶれたらどうするんだろう?『旧ドン・キホーテ前』とかにするのかな」とかどうでもいいことを考えていたら30分くらいで到着、青い看板が景観を破壊することで有名な某横インにチェックインし、翌日に黒島で泊まる民宿の手配をしてこの日は寝ました。午後10時半くらいに申し込んだのに5分くらいで返信が来て驚きました。「田舎の人は午後9時くらいに寝て、代わりにめちゃくちゃ早起き」というのはぼくの思い込みだったようです。

これが本日の晩ごはん

よし、石垣島に着いた

 というわけで石垣島に着きました。しかし、よくもまあ4か月も前の旅行をここまで克明に記憶しているものだなと自分でもあきれるほどですね。冒頭で述べた通りぼくの旅行において移動がきわめて重要な要素であることを考えれば当然のことかもしれませんが、ここまで覚えているとは自分でも少し驚いています。代わりに離島での出来事はあまり覚えていなかったりするものですが、この旅行記もあと数回は続きます。

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