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スマートなシティ。…小粋な街? 気が利いた街?
最近「スマートシティ」という言葉を
聞いたことはないでしょうか?

私は先日、トヨタが手掛けるスマートシティ、
「ウーブン・シティ」の記事を書きました
(リンクからどうぞ)↓

本記事では、日本だけでなく、
世界のスマートシティについて、書きます。

まずは地道に、定義からいきましょう。
いざ、「スマートシティとは」?

「ICT 等の新技術を活用しつつ」
「マネジメントの高度化により」
「都市や地域の抱える諸課題の解決を行い」
「また新たな価値を創出し続ける」
「持続可能な都市や地域」

…わかったような、わからんような。
これを超訳してみますと、

『未来的な先進技術でしっかり管理された、
今までの街の課題を解決しつつも
ずっと持続していけるような、すごい街』

というところでしょうか。

では「今までの街の課題」とは何か?
いわゆる都市問題は、たっくさんありますよね。

◆渋滞、交通事故、何とかして!
◆バスが常に満席、またはガラガラ…!
◆ごみが大量にあふれて臭いんですけど!
◆人が少ない…。逆に、人が多すぎ…!
◆災害や感染症の対策、どうなっとんねん!
◆いかにもワルそうな人たちのたまり場に…!

都市というのは生き物です。
放っておけば、悪化することが多いんです。
だからこそ「都市計画」「都市管理」が大事。
そこで「ICT 等の新技術を活用しつつ」
「マネジメント」するわけなんですな。

実は日本の政府も、「Society 5.0」という
「未来社会」を目指すぞ!ということで、
その先行的な実現の場として
スマートシティを作ろう!と呼びかけています。
「スマートシティ・ガイドブック」なんてのを
作って公開していたりしまして…
(令和3年1月29日公開、4月9日更新。
興味のある方は、下のリンクへ)。

Society 5.0=5番目の社会(下記は内閣府作成の図)↓

内閣府作成

①狩猟社会(きわめて不安定)
②農耕社会(ちょっと安定、でも封建的)
③工業社会(便利になったけど、公害も…)
④情報社会←イマココ!
⑤未来社会、サイバー空間とフィジカル空間を
高度に融合させたシステムによって開かれる社会

…ただ、日本ではまだまだこれから。
さあ、始めましょうか、という段階です。
ですが世界に目を向けますと、すでに
一歩も二歩も先に進んでいる街が、ある。

ここから、その事例をご紹介します。
たっくさんあるんですけど、字数もあるので
主観的に五つに取捨選択して、ご紹介を。

①シンガポール

「スマートシティインデックス」という、
スマートシティ界のミシュランみたいな
ランキングがありましてね。

ここで最高評価のAAA、三つ星を
唯一ゲットしたのが、シンガポールです。
まあ、一つの街が国になっているような
ちょっと特異な地域ですので、改革もしやすい。

「Smart Nation(スマートネーション)」という
挙国一致でのプロジェクトを2014年から進行中。
デジタル技術などをガンガン導入しています。
マーライオンもびっくり、ですね!

②アムステルダム(オランダ)

スマートシティの先駆者、老舗と言えばここ!
何と2009年、今から十年以上も前に
スマートシティ化のプロジェクトを開始しました。

「2025年までにCO2排出量を
1990年比で40%削減する」という目標を設定。
そう、スマートシティはエコロジカルなのです。

電気自動車、ビルエネルギー管理システム、
スマートメーター、スマートライティングなど、
どんどんプロジェクトを実施しています。
まさにスマートシティのお手本、見本市!
「自転車先進都市」とも言われており、
サイクリストの皆さんの憧れの都市でもあります。

③コロンバス(アメリカ合衆国)

アメリカにはスマートシティのコンテストがあり
そこで見事優勝したのがこの都市です。
五大湖の南東のあたり、オハイオ州の州都。

市内に1,100個のセンサーを設置し、
そこから集まる情報を交通や流通に活用!

「自動運転シャトルバス」なども導入しつつあり、
例えば日本の中小都市・過疎地域にも
ここで得られた実験結果が活用できそうですね。

④ソウル(韓国)

日本のお隣、韓国の首都ソウルでは、
スマートシティ化が急激に進んでいます。

一つ、事例を挙げます。
「路線バスに乗りたい。バスが今どこにいて、
あと何分でバス停にくるのか?」
これは、日本でも路線によっては入手できる。
しかし、ソウルでは、
「そのバスに座れるかどうかという情報を
バスを待っている人が得られる」レベルです。

「デジタル市長室」もあります。
モニターがたくさん映し出され、
リアルタイムで街のあらゆる場所が見られる。
『踊る大捜査線2』で青島刑事とすみれさんが
えんえんチェックしていたようなイメージです。

市長は、ここで政策決定ができる。
かつ、その画面を、市民も見ることができる!

つまり「何をもって政策決定をしたのか」
その判断理由をチェックすることができるのです。
情報の共有が可能、オープンデータ、
これもスマートシティのひとつの大きな特徴です。

⑤杭州市(中国)

圧倒的な国の力で、スマートシティ導入を
どんどん進めているのが中国です。
現在、500以上!ものスマートシティを建設中。

そのうちの一つが、杭州市。
『三国志』で言えば、「呉」の港のあたり。

アリババ社が提供する交通AIプラットフォーム
「ET城市大脳(シティブレイン)」によって、

交通渋滞の需要予測をAIで解析して、
状況に応じて信号機の点滅を自動で切り替えたり、
救急車等の緊急車両が通る際に、
信号が合わせて対応したりしています。

まさに交通情報管理の極み!
こういうことができたら、ピーポーの音で
「え、停まる? 左に停車?」と混乱して
渋滞してしまうことも少なくなる。
渋滞に悩む都市には、ぜひ導入してほしいです。

最後に、まとめます。

本記事では5つの事例しか紹介しませんでしたが、
世界には優れたスマートシティの先行事例が
たくさんあります。

もちろん、良い面ばかりではありません。
「超監視社会」「超管理社会」になるのでは…
という懸念
もありますよね。
そう、情報収集公開システムの発展と、
プライベートな情報の流出は表裏一体なのです。

『怪人二十面相』も『キャッツ・アイ』も
都市の闇の中で暗躍してきたので、
スマートシティでは、なかなか
活躍できそうにありません
(泥棒や犯罪が抑止できるのはいいことですが)。

いずれにしても、ともすれば
「ガラパゴス化」しがちな島国、日本。

ぜひ世界の先行事例を活用して、取捨選択して
いい感じなスマートシティを作りたいですね!

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