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KDDI決算 KDDIの最重要KPIとは何か?順調なの?


こんにちはhissy(@hissybiz)です。今日はKDDIのFY2021Q3決算を読み解いていきます。

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増収減益

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・売上1.38兆円_YoY+3.6%
・営業利益2,822億円_YoY▲2.8%

売上高は順調に増加傾向、減益とはいえ4半期で2,822億円も営業利益をたたき出せるのは、さすが規制産業である巨大通信業界の雄。うらやましい限り。

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・3Q累計では売上・営業利益ともに増加と増収増益

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au・povo・UQmobileの3ブランドでの料金プラン展開を予定。

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povoは20GB月額料金2,480円の価格設定。docomoのahamoやSoftbank on LINE、楽天モバイル、各社の新料金の展開、ユーザの遷移に注目が集まっています。新ブランドへの顧客流入、スイッチによってARPA(1回線当たり売上)への変化に注目しています。

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このスライドにあるように、概念的にはauからpovoへのブランドスイッチは一定あると見込むものの、解約率低下および新規契約増をpovoとUQmobileで見込んでいくという事で、各ブランドの契約数の推移に注目していきたいと思います。

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5G対応に対するコンテンツは、というとNetflixやamazon prime video、DAZNのパッケージ押しという事で、4Gの世界とあまり変わらないというのがtoC向けの5G世界の現状の解というのがメッセージとして伝わります。

5Gがすごい!と持ち上げられましたが、そこまでキラーコンテンツ、5Gならではのサービスというのが登場してきませんでした。

なので、結局は今の延長線上でNetflixの動画が端末に早くDL出来る、など、しばらくは「ふーん」な感じかなと思っています。コンシューマ向け5G環境ならではの青写真を誰がいち早く世に出せるか、かなと。

KPI確認

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・IoT累計回線数が1,600万を突破

IoT回線はこれからドンドン増えていく過程にあり、まだまだ伸びていきます。KDDIだけでなく、ソフトバンクも通信キャリアからIoT事業など広義の通信会社へのシフトの動きを見せていますが、KDDIもIoT領域は次の柱にするべく着々と回線数を伸ばしている状況。

個人的には、KDDI関連会社のソラコムに非常にポテンシャルを感じています。

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・ARPAは8,130_YoY+4.6%
・解約率0.66%

auの1回線当たりの月間売上であるARPA、この数字が何よりも重要なKPIなのですが、順調に増加させることができており問題なし。また、解約率も0.66%と昨年度平均0.72%より改善しており、こちらも問題なし。

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・au PAYカード会員610万_YoY+17.3%
・金融決済取扱高6.5兆円_YoY+42%

カード会員数は順調に伸長、金融決済高も前年比+40%以上のハイペースで増加。ちなみクレジットカードは楽天カードが発行枚数トップで2,000万枚を超えていますので、まだまだ伸びしろは大きいところ。au payについてもトップを走るpaypayが2,000万アカウントまで伸びているので、おおよそカードにしてもキャッシュレス決済にしても2,000万くらいが現状の日本のトップランナーの水準と覚えておきましょう。

BS確認

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営業キャッシュフローが年間1兆円以上あるKDDIですが、現金は4,272億円と、営業キャッシュフローの水準からすると、そこまで持っていないのが特徴です。

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理由は主に2つです。1つは、継続的な巨額のインフラ投資が必要であるという点、2つ目は配当です。

通信会社は常に現状のネットワークに加え次世代ネットワークのインフラ構築のために巨額の投資をし続ける必要があります。つまり事業を継続するためだけであっても多くの現金が必要なのです。なので、儲けているのは事実なのですが、維持するためにも現金を大量に必要とすることを覚えておきましょう。2021年度も9か月間で投資活動に4,870億円ほど投じています。

また、利益剰余金の多くを配当で吐き出します。ですので、そこまで会社に現金は残らない構造となっています。

サマリ

・PL的には問題なし
・新ブランドの展開後の契約数とARPAに注目
・IoTの今後の収益貢献に期待
・金融事業は伸びしろが大きくまだまだ伸びる

しかし通信企業は、3社とも年間利益が1兆円規模という、超リッチ産業です。各社の新ブランド・料金プランが出そろってきました。収益構造が各社どうなっていくか、今年の動きは楽しみです。

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