Karen_Daltonアルバムジャケット

音楽との出会い-Bobby Charles,Karen Dalton

どこから話そうか。そう、僕が生まれた時(1987年)、実家に連れてこられて赤ん坊の僕の耳をステレオスピーカーに近づけて、父が真っ先に聴かせたのがこのレコードだった。

Bobby Charlesの「Bobby Charles」というアルバムだ。1970年代初頭にアメリカのウッドストックにあるBearsvilleという名のスタジオで録音されている。

その後僕は別の家へ引っ越し、父と母の寝る部屋で一緒に寝ていた。朝になると必ずかかるのがこのレコードともう一つあった。

Karen Daltonという女性ミュージシャンの「In My Own Time」というアルバムだ。このアルバムも1970年代初頭にウッドストックのBearsvilleというスタジオで録音された。彼女はもともと弾き語りのフォークシンガーで、1960年代のニューヨークの小さなライブハウス(カフェ?)で演奏していた。その頃「Everybody's Talkin'」という曲を書いたフレッド・ニールや若き日のボブ・ディランと一緒に歌っている写真が今でも残っている。

この一曲目のベース音が鳴ると、優しく1日の始まりを感じることができた。寝るときに聴いてもいいだろう。正直このYouTubeの音源は近年になってからリマスターされた音源で、バイオリンが必要のない所で入っていたり、物申したいのは山々なのだが、1970年代に販売されていたバージョンの音源を今となって探すのはとても難しい。

そんなこんなで幼少期は小田和正の「ラブストーリーは突然に」やバブル期のジャパニーズヒットソングを聴きながら、毎朝のように海外のレコードを聴く環境で育った。

幼稚園から小学校、そして中学に入る手前まで、普通にJ-POPを聴いて育っていたが、家族と旅行などする時はいつもカーステレオから細野晴臣の「HOSONO HOUSE」や鈴木茂の「BAND WAGON」、ユーミンからはっぴいえんどに至るまで幅広く1970年代の日本の”ニューミュージック”が流れていた。(James Taylorも流れていた。)

Beatlesとの出会いは、小学校低学年の頃、母方の叔父(”おじ”と呼んでいた。)の部屋で「A Hard Day's Night」を聞いた時だった。今まで体験したことのない躍動感、子供ながらに頭を振って踊ってしまったのをよく覚えている。その時、母とおじが「Rubber Soul」や「Revolver」など一通り聴かせたのだけど、その頃は「A Hard Day's Night」にしか反応を示さなかったようだ。(後に全てのアルバムに興味を示し、ビートルズとレディオヘッドのコピーバンドを高校時代に作ることになる。それはまた後程他の文章で書きたい。)

僕が音楽に本格的にのめり込むようになったのは、小学校時代から中学校時代にかけて、丁度お受験の時期と重なっていた。

まずテレビドラマの主題歌になったエレファントカシマシの「今宵の月のように」が入っている「明日に向かって走れ」というアルバムを親が聴いた時の事を鮮明に覚えている。丁度、母が席を外している間に父がこのアルバムをステレオでかけ始めた。数十秒後だったろうか、父は慌てて母を呼び出しこのアルバムを聴いてみて欲しいと言った。それから日本武道館にエレカシのライブを家族と観に行こうということになった。一曲目が「奴隷天国」だったのはよく覚えている。石森さんの耳をつんざくようなエレキギターの音、冨永さんのドラムの音、子供だった僕は「なんで家族でこんな怖い所にわざわざ来ているんだろうか。母はニコニコしながら楽しそうに聴いている。」と思った。そして宮本浩次の「お前だよ。お前。」が始まった時、本当に自分のことを指差されているのかと勘違いして、ますます怖くなってしまったのもよく覚えている。けどこれが僕にとっての最初のロックバンドのライブ体験だった事を今思えば誇りに思っている。

そして中学受験が終わり、通っていた塾からプレゼントにラジオ付き時計をもらった。家に帰って早速付けてみると「椎名林檎さんが、新しいシングルを発表しました。」とアナウンサーが言った後、”ギブス”が流れた。何か新しい世界に引き摺り込まれていくような感覚だった。

そしてテレビドラマではジョン・レノンの「Mother」と「Love」が流れ、テレビCMでかかっていたはっぴいえんどの「風を集めて」の存在を知り、一気に音楽への関心が深まった。

そしていよいよ中学時代に入る。ギターを弾く友達との出会い(T君、N君)。ここから先が本当に僕にとっての音楽観を形成する大事な時期なので、続きは後日書くことにする。

よく好きなミュージシャンについて訊かれる。正直数えきれない位のミュージシャンから影響を受けたので、僕はいつも「いっぱい」と答えている。けどこうしてnoteに書くことによって少しでもそれが伝わったら嬉しい。

長文お付き合い頂いてありがとう!


2020年1月14日(火)-Bobby Charlesの命日に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?