映画『一度も撃ってません』

コメディ映画と思ってみたら、案外にハードボイルドで、でもやっぱり滑稽で、なのにちょっと格好いい、けどまあ間抜け、そんな優しい映画。

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covid-19の影響で、上映延期となっていたのが、昨日いよいよ公開された。

映画を初日に観に行くのは初めてだ。

そもそも、映画館で映画を観るのも、そんなに経験がないし、家でも滅多に映画は観ないから、多分、僕は映画が余り好きではないのだと思う。

それでも、初日に行ったのは、それはもう、石橋蓮司が主演だから、100%の理由である。

世の中には、沢山、素晴らしい俳優さんがいるのだろうけれども、僕の人生に、僕の心に深く突き刺さった役者さんと言えば、唯一、ただ一人、石橋蓮司なのだ。

もう、15年くらい前に、NHKの時代劇に出ていたのをたまたま観て(まぁ、その役柄が良かったというのが大きいとは思うのだけれども)、心底、この人凄いなと思ったのが切っ掛けだった。

人情ものの人情を、すっかり身に纏っていて、とてもお芝居とは思えなかった。

それを観て、僕は瞬時に決断したのだ、自分が好きな役者は、先にも後にも、石橋蓮司だけにしようと。

そういう決め付けは、よくないのかも知れないけれども、昨日、改めて思ったなぁ、自分の見立ては、全く間違っていなかったじゃないか、と。

共演陣の豪華な俳優さん達も、勿論、凄くって、もっと観たいと思う人ばかりなんだけど、自分の人生の中での別格は揺るがない。

ただ、僕はハードボイルドとか、任侠ものとか、ホラーとか、そういう激しくて怖い映画はとっても苦手だから、石橋蓮司を追っ掛けるのは、正直、しんどいんだよね。

だから、『一度も撃ってません』も、殆どコメディだとは思うのだけれども、観ていて、少しも気が気じゃなかった。

手に汗握る映画だ。

コメディだけど。

主演、石橋蓮司なのに、誰が主演か分からない感じがするのも、良かったなぁ。

会期中に、もう一度観に行こう。

やっぱり、好きな人が主演っていうのは、もう、それだけでも、嬉しいもんだねぇ。

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